「はだしのゲン」の閲覧制限のことを松江支局の記者さんが書いてみえました。
現地の閲覧制限に至る経過もくわしく、
よくまとまった記事なので、紹介します。
記者の目:「はだしのゲン」閲覧制限=曽根田和久 毎日新聞 2013年09月13日 故中沢啓治さんが広島での被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」について、松江市教委事務局が全市立小中学校に閲覧制限を要請した問題は、市教育委員の決定で要請の撤回に至った。問題を巡り、市教委の対応からゲンの評価までさまざまな観点から議論された。松江の小中学校でゲンを自由に読める環境が戻りつつある今、考えるべきことは作品の評価以上に、子供たちが学び、考え、成長していく過程における、大人の責任の重さだと感じている。 ◇子供の経験、保障の必要 発端は昨年春。当時、松江市に住んでいた自営業の男性(34)が学校図書室からゲンを撤去するよう市教委事務局に求めた。事務局が拒否すると、男性は昨年8月に撤去を求める陳情を市議会に提出し、「子供たちに間違った歴史認識を植え付ける」と主張した。問題発覚後、男性は取材に、「なんできらいな天皇をほめたたえる歌を歌わんといけんのんじゃ」「日本軍は中国、朝鮮、アジアの各国で約三千万人以上の人を残酷に殺してきとるんじゃ」などとゲンが語る場面を取り上げ、問題視していることを説明した。 ◇要請に至る過程、メモすらなく 市議会では「図書室に置くことの是非を市議会が判断すべきでない」などの意見があり、12月に陳情を不採択とした。だが、議会での審議準備のため、福島律子・前教育長ら5人の事務局幹部は改めてゲンの全巻を読み、旧日本軍が刀でアジアの人々の首を切り落としたり、女性に性的な暴力を加えたりする描写に「過激」と反応する。前教育長は「ショックが大きかった」と言う。 一方、現状把握のため、市内49小中学校長を対象にした昨年10月の事務局アンケートでは、40人がゲンを読んだと回答し、うち20人が感想を寄せた。低学年児童への制限の必要性を感じたのは1人だけで、ほかは「戦争の悲惨さが伝わる」などと評価していた。松江市は全小中学校に司書を配置するなど図書教育に力を入れているが、事務局によると、現場からゲンに関する疑問の声は届いていない。 それにもかかわらず、教師の許可なく子供が自由に閲覧できない「閉架」にするよう、学校に要請することを5人だけで決めた。要請に至る過程を知ろうと、市に情報公開請求したが、幹部らが行ったという内部協議の内容はメモすら残っていなかった。古川康徳・副教育長は「歴史認識を問題視したのではない」と陳情の影響を否定し、「表現の過激さが目に付いた」と強調した。幹部が「教育的配慮」に傾くあまりの判断だったのが実情だと考えている。 私がゲンを最初に読んだのは小学校低学年の頃。姉が学校から借りてきた単行本を手に取った。被爆者の皮膚が熱線で焼けただれ、廃虚となった街をさまよう姿が強烈に印象に残った。今回、約30年ぶりにゲンを読み返してみると、ゲン一家に降りかかるいじめや被爆者への差別、暴力を頼りに戦後を生き抜く原爆孤児たちの姿が心に響いた。いじめる側、差別する側にも戦争が暗い影を落としていた。終わってもなお続く戦争の惨禍。それを知るための貴重な本だと思った。 ◇表現は過激でも暴力肯定せず 市教委事務局の幹部が問題視した場面は、確かに激しい表現を含んでいた。だが、暴力を肯定しているわけでもない。適切に読み解けば、そのことは子供にも分かるのではないかと感じた。 問題を巡って、多くの人がツイッターでも発言した。「子どもたちは賢愚とりまぜ無数の選択肢の中から自分のために本を選ぶ。その積み重ねで人間がかたちづくられてゆく。どんな人間になるのかを決定する権利は子どもたち自身にある」と発信したのは、教育論についての著書もある内田樹・神戸女学院大名誉教授。また、教育や震災など多彩なツイートを展開する松江市出身の岩田健太郎・神戸大医学部教授も閲覧制限に反対し、「何に遭遇するのか分からない偶然性が、アレヤコレヤに悶々(もんもん)とする青少年の居場所としての図書館の価値をもたらす」とつぶやいた。 表現や描写について、賛否を含む多様な意見があるのはゲンに限ったことではなく、インターネットで「知りたいこと」を検索するだけではそれは分からない。偶然出合う本が子供の知識と興味の多様性を育む学校の図書室で、本を自由に見られないようにすることがあってはならない。 広島県被団協の坪井直(すなお)理事長は「(ゲンを)読んだ後の子供たちの質問にきちんと答えることが大人の役割」と語る。多様な意見と出合い、教えられ、普遍の価値観を見いだしていく。そんな子供たちの経験を保障するのが大人の責任だと思う。(松江支局) |
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話しは変わりますが、
5月から 「ウオーキング以上、ジョギング未満」の
ノルディックウオーキングを、はじめて5か月目になります。
全身を使うので、体脂肪が減って筋肉量が増えたし、
両手にポールを持って歩くので、前より
バランスも姿勢もよくなって来たように気がします。
岐阜の長良川河畔でもノルディックウオーキングをしているようで、
中日新聞に記事が出ていました。
人気高まるノルディックウオーキング
2013.9.11 中日新聞
昨日は、高富地区でポールを持って歩く人を見ました。
ノルディックウオーキングが、静かなブームになっていくような予感もしますね。
きょうのお昼ご飯は、夏野菜とソーセージとサバカンのトマトスパゲティ。
夕ご飯はタマネギ、ナス、甘長ピーマン、サツマイモ、もやしと牛肉の
野菜たっぷり焼肉。
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