みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

秘密保護法案:軍事国家への入り口だ/知る権利を保障できるのか/日本ペンクラブ 秘密保全法案に反対

2013-09-18 17:43:47 | ほん/新聞/ニュース
安倍政権のもとで、国民不在でどんどん話がすすんでいる「秘密保全法案」。

日本ペンクラブが法案に反対する意見書を提出、
日弁連(日本弁護士連合会)がパブリックコメントの意見募集期間を延長する意見書を出す、
など、危惧する声が高まっています。
そんな中、意見募集は「9月3日から17日までの15日間」で昨日終了してしまいました。

きょうは、秘密保全法案についての社説や新聞報道をまとめてみました。

  日本ペンクラブ 秘密保全法案に反対
9月17日 NHKニュース

安全保障に関する情報を厳重に保護するための「秘密保全法案」について、作家などでつくる「日本ペンクラブ」は内部告発者らを萎縮させ、取材・報道の自由を侵害するとして、法案に反対する意見書をまとめ、政府に提出することにしています。

政府は秋の臨時国会で、安全保障に関する情報を厳重に保護するため、特に秘匿が必要として「特定秘密」に指定した情報を漏えいした公務員らに対し、最高で10年の懲役刑を科すなどとした「秘密保全法案」の成立を目指しています。
これについて、作家などでつくる日本ペンクラブは17日、理事会を開いて法案に反対する意見書をまとめ、政府に提出することにしています。
意見書では、対象とされる情報が不明確で必要以上に範囲が広いことや、罰則の強化で取材者や内部告発者を萎縮させ、取材・報道の自由を侵害することに加え、各国の秘密保護法は徹底的な情報公開制度の整備を前提としているのに、日本は情報公開が立ち遅れていることなどを反対の理由に挙げています。
日本ペンクラブの会長で、作家の浅田次郎さんは「今ある法律で十分に対応できるのに、新たな法律をつくれば必ず悪用される危険が生まれる。政府は国会への提出を見送るべきだ」と話しています。 


  日弁連 秘密保全法案 意見募集延長を  
2013.9.13 NHK
 
安全保障に関する情報を厳重に保護するための「秘密保全法案」について、政府は概要を公表し一般から意見を募集していますが、日弁連=日本弁護士連合会は、重要な問題であり、意見の募集期間を今の15日間から2か月間に延長すべきだとする意見書をまとめ、政府に送りました。

政府は安全保障に関する情報を厳重に保護するため、特に秘匿が必要な「特定秘密」に指定された情報を漏えいした公務員らに対し、最高で10年の懲役刑を科すなどとした「秘密保全法案」の概要を公表し、今月3日から17日までの15日間、インターネットなどを通じ、一般から意見を募集しています。
この法案に反対する日弁連=日本弁護士連合会は12日、意見の募集期間を2か月間に延長すべきだとする意見書をまとめ、この法案を担当する内閣情報調査室に送りました。
意見書では、法案の内容が国民主権など憲法の原理に抵触する可能性がある一方で、国会に提出されることをほとんどの国民がこれまで知らなかったとしています。
そのうえで、内容を理解するための期間と、理解したうえで意見を作成する期間を合わせ、2か月間が必要だとしています。
日弁連の清水勉弁護士は「憲法が保障する知る権利や表現の自由に関わる重要な問題だが、国民的な議論は進んでいない。政府は意見の募集期間を延長し、幅広い国民の声を聞くべきだ」と話しています。

意見募集の期間 平均は27日間
政府がインターネットなどを通じて一般から意見を募集するパブリックコメント制度は、国会で審議されることのない「政令」や「省令」などを対象にしたものです。
秘密保全法案のような「法律」は、国会で民意が反映されるとして、本来、制度の対象にはなっていません。
この制度を利用して現在、意見を募集しているのは、秘密保全法案の概要も含めて合わせて32件ありますが、募集期間は平均で27日間となっていて、15日間は、そのおよそ半分です。
現在、20日間を下回るのは、秘密保全法案の概要のほかに、▽防衛省市ヶ谷地区などの施設管理業務に関わる民間競争入札の実施要項案と、▽農林漁業成長産業化支援機構の認可申請ついての意見募集の、合わせて4件となっています。
また、原発事故の被災者支援を定めた「子ども・被災者生活支援法」の基本方針案については、当初15日間でしたが、被災者の意見を十分反映させるべきだという意見が出たため、政府は11日、25日間に延長しました。
このほか「政令」と「省令」は、法律で、意見の募集期間を原則として30日以上とするよう定められています。
秘密保全法案を担当する内閣情報調査室は「幅広い議論をいただいて丁寧な意見集約を図る必要があると考え、法律で義務づけられたものではないが、パブリックコメント制度を活用することにした。15日間という期間は、ほかの省庁の事例を参考に決めたもので、現時点で見直しは考えていない」と話しています。


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【社説】秘密保護法案 軍事国家への入り口だ
2013年9月13日 中日新聞

 政府が進める秘密保護法案は、国が恣意(しい)的に情報統制を敷く恐れがある。「知る権利」と真正面から衝突する。軍事国家への入り口になってしまう。

 自由や人権などよりも、国の安全保障が最優先されるという思想が根底にあるのだろう。政府が公表した秘密保護法案の概要を見ると、そんな印象を強く持つ。

 かつて検討された法制と異なるのは、特段の秘匿が必要な情報である「特定秘密」の事項だ。(1)防衛(2)外交-は同じだが、「公共の安全および秩序の維持」の項目を(3)安全脅威活動の防止(4)テロ活動の防止-と改めた。

情報隠しが横行する
 公共の安全や秩序維持の文言は、社会のあらゆる活動に投網をかけると強く批判されたため、今回は変形させたのだろう。

 それでも問題点は山積だ。まず、特定秘密の指定範囲である。行政機関の「長」が別表で指定するが、中身があまりにも茫漠(ぼうばく)としている。防衛については十項目あり、「自衛隊の運用」が最初に規定されている。「運用」の言葉だけでは、どんな解釈も可能だろう。防衛相は恣意的に特定秘密のワッペンを貼り、さまざまな情報を国民の目から覆い隠せる。

 現行法でも昨年末時点で、防衛秘密の指定事項は二百三十四件にものぼる。秘密文書も膨大となり、一昨年末では約八万三千点が隔離された状態だ。

 外交分野でも同じだ。例えば「安全保障に関する外国政府との交渉」と別表に漠然と書かれているため、外相はいかなる運用もできよう。違法な情報隠しすら行われるかもしれない。

 ある情報が特定秘密に本当にあたるかどうか、国会でも裁判所でもチェックを受けないからだ。形式的な秘密ではなく、実質的な秘密でなければならないが、その判断が行政の「長」に任されるのは、極めて危うい。
「知る権利」への脅威だ
 安全脅威やテロの分野も解釈次第で、市民レベルの活動まで射程に入る恐れがある。

 言い換えれば、国民には重要でない情報しか与えられないのではないか。憲法は国民主権の原理を持つ。国政について、国民が目隠しされれば、主権者として判断ができない。秘密保護法案は、この原理に違背するといえよう。

 憲法には思想・良心の自由、表現の自由などの自由権もある。政府は「国民の知る権利や取材の自由などを十分に尊重する」と説明しているものの、条文に適切に生かされるとは思えない。

 特定秘密を取得する行為について、「未遂、共謀、教唆、扇動」の処罰規定があるからだ。あいまいな定めは、取材活動への脅威になる。容疑がかかるだけでも、記者やフリーランス、市民活動家らに家宅捜索が入り、パソコンや文書などが押収される恐れが生じる。少なくとも、情報へのアクセスは大きく圧迫される。

 「取材の自由」はむろん、「知る権利」にとって、壁のような存在になるのは間違いない。政府は「拡張解釈し、基本的人権を侵害することがあってはならない」旨を定めると言うが、憲法で保障された人権を侵してはならないのは当然のことである。暴走しかねない法律だからこそ、あえてこんな規定を設けるのだろう。

 驚くのは、特定秘密を漏らした場合、最高で懲役十年の重罰を科すことだ。現在の国家公務員法では最高一年、自衛隊法では五年だ。過去のイージスシステムの漏洩(ろうえい)事件では、自衛官に執行猶予が付いた。中国潜水艦に関する漏洩事件では、起訴猶予になった。現行法でも対処できるのだ。重罰規定は公務員への威嚇効果を狙ったものだろう。

 そもそも誰が特定秘密の取扱者であるか明らかにされない。何が秘密かも秘密である。すると、公務員は特定秘密でない情報についても、口をつぐむようになる。ますます情報は閉ざされるのだ。

 しかも、国会の委員会などで、公開されない秘密情報も対象となる。つまり国会議員が秘書や政党に情報を話しても罪に問われる可能性がある。これでは重要政策について、国会追及もできない。国権の最高機関である国会をないがしろにするのも同然だ。

憲法改正の布石になる
 新法の概要に対する意見募集期間も約二週間にすぎず、周知徹底されているとはいえない。概要だけでは情報不足でもある。政府の対応は不誠実である。

 米国の国家安全保障会議(NSC)をまねた日本版NSC法案も、秋の臨時国会で審議される予定だ。集団的自衛権をめぐる解釈も変更されかねない。自衛隊を国防軍にする憲法改正への道だ。

 秘密保護法案はその政治文脈の上で、軍事国家化への布石となる。法案には反対する。


  社説:特定秘密保護法/知る権利を保障できるのか 
2013年09月06日 河北新報

 防衛や外交の安全保障に関する4分野の機密保持を目的に、情報を漏らした公務員や不正に入手した第三者を処罰する「特定秘密保護法案」の最終調整が進められている。
 自民党は3日、法案の概要を大筋で了承。政府は国民の意見を募るパブリックコメントを実施し、秋に予定の臨時国会に提出する方針だ。
 これまでの議論を振り返ると、政府の都合のいいように「特定秘密」の網をかぶせ、流出防止のために厳罰化しようという姿勢ばかりが目立つ。
 国家による強圧的な手法で情報流出をなくそうとすれば、国民の「知る権利」などの侵害をもたらす。概要に「報道の自由」が盛り込まれてもいない。
 新法を目指す前に、まず適切な情報管理の手法をこそ確立すべきで、罰則を与えるにしても公務員を対象にした現行法で対応は可能だろう。
 情報の中で特に隠す必要があるとされる特定秘密の定義もあいまいだ。
 決めるのはその情報を得た官庁になるが、何が特定秘密に指定されているのかはこの法律の性格上、明らかにされることはあるまい。本来は公開すべき情報であっても、政治家や官僚の考え一つで特定秘密にされてしまいかねないということだ。
 防衛、外交に加え「外国の利益を図る目的を持った安全脅威活動の防止」や「テロ活動の防止」に関する情報も指定される可能性がある。
 安全脅威活動とは何を指すのか。歯止めがなければ、市民レベルの活動にまで影響が及ぶのではないか。
 秘密保護法によって罰せられるのは情報を流出させた公務員だけではない。共謀や教唆などの関わりが認定されれば、誰でも対象になり得る。
 学術研究や報道のための取材活動を通じて、国民が知るべき情報が明らかになったケースはこれまでにもあった。広く知らせるべき事柄だと納得してもらって情報を入手しても、教唆の罪に問われるのだろうか。
 常識的な感覚を信じたいが、杞憂(きゆう)にすぎないと笑い飛ばすことはできない。
 そもそも情報公開という点では政府の信用度はすこぶる低い。秘密保護法検討のきっかけになったのは、2010年に尖閣諸島付近で起きた中国漁船と海上保安庁の巡視船との衝突の映像が流出したことだが、隠す方がむしろ不当だ。
 放射性物質の拡散予測を公表しなかった福島第1原発事故もしかりだ。必要な情報すら出そうとしない中で、法制定に突き進む状況はいかにも危うい。
 秘密保護法は日本版「国家安全保障会議(NSC)」創設とセットになる。集団的自衛権容認への動きも重ねれば、物言えぬ社会への情報統制にも映る。
 たとえ政府に不都合な内容であっても、国民へ情報が提供されるのが健全な社会のあり方だろう。情報公開に基づく真剣な議論こそ健全性を計るものさし。拙速は禍根を残す。



 「機密」拡大解釈の恐れ 秘密保護法案 見えぬ意義  
2013年8月29日 東京新聞

 安倍政権が秋の臨時国会に提出を目指す特定秘密保護法案は、「国の安全保障に著しく支障を与える恐れがある」として指定する「特定秘密」が拡大解釈される可能性がある。今でも、公務員が国の機密情報を漏らすと国家公務員法や自衛隊法、日米間の協定に基づく法律で罰せられるのに、政府はさらに厳罰化して、機密情報の対象も際限なく広がりかねない法案を提出しようとしている。 (金杉貴雄)

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十八日の記者会見で「法案を提出する限り、その国会で成立を目指すのは当然だ。できるだけ国民に分かりやすい形で議論し、成立させたい」と臨時国会での成立に強い意欲を示した。

 公務員による情報漏えいを禁止する法律には、国家公務員の守秘義務違反に対する懲役一年以下または五十万円以下の罰金を定めた国家公務員法、「防衛秘密」を漏えいした場合に五年以下の懲役を科す自衛隊法がある。

 加えて、日米相互防衛援助協定(MDA)に伴う秘密保護法では、米国から供与された装備品等に関する情報を漏らせば、最長で懲役十年の罰則となる。

 政府は新たに特定秘密保護法案で、厳罰の対象を広げようとしている。政府が指定した「特定秘密」を漏らした場合には、秘密保護法と同じく最長十年の懲役を科す考えだからだ。

 問題は「特定秘密」の範囲。政府は「防衛」「外交」「安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の四分野と説明する。「安全保障に支障の恐れ」という定義はあいまいで、拡大解釈される余地が十分にある。しかも、この「特定秘密」を決めるのは大臣などの各省庁や行政機関の長だ。

 この法案が成立すれば、政府は重要な情報を、これを盾に隠すことができる。

 例えば、収束のめどが立たない東京電力福島第一原発など原発に関する情報について、政府が「公表するとテロに遭う危険がある」との理由で国民に伏せる事態も想定される。

 実際、原発事故の直後には、政府は「直ちに健康に影響はない」などと繰り返し、国民が知りたい情報を積極的に公表せず、信用を失った。外交でも、沖縄返還の際に財政負担を米国に約束した沖縄密約問題の情報は明らかにしなかった。同法案はそうした傾向をさらに強めかねない。



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9月17日(火)のつぶやき

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