みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

自立とは何か?/「遥洋子 の男の勘違い、女のすれ違い」(日経BP)

2007-09-14 08:25:51 | ジェンダー/上野千鶴子

「日経ビジネス オンライン」に遥洋子さんの「男の勘違い、女のすれ違い」が
連載されていて、いつも楽しく読んでいる。

ベストセラーになった「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」の著者の、
遥洋子さんとは、上野さんのご縁で何度かお会いしたことがあるけど、
聡明で、おハダがきれいで、とても素敵な女性です。

で、今日の遥さんの「男の勘違い、女のすれ違い」のテーマは
「自立とは何か?」で、上野さんの講演が紹介されている。

余談だけど、
たぶんこの講演は、9月7日に横浜で開催された
「上野千鶴子講演会 それぞれの居場所で探す「私の自立」
~自立・・・生き延びるために大切なこと」
 のことだと思う。
わたしのブログは上野さんのファンが見に来ることが多いので、ということで、
主催者から、是非案内してほしいというメールが届いて、紹介したことがある。
この講演会は、準備段階から、KJ法とか、ユニークなことをしたみたいで、
「ジェンダー論と自立」のブログの記事でも紹介されていた。

本題に戻って、
「遥洋子 の 男の勘違い、女のすれ違い 自立とは何か?」を紹介します。
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 遥洋子 の 男の勘違い、女のすれ違い 
自立とは何か?

日経ビジネス オンライン 2007年9月14日 

 “自立とは何か”と、考える機会があった。単純に「経済力がある人」=「自立」で、「経済を誰かに頼る人」=「自立していない人」と割り切っていいものかどうか。現在は働いていて収入もあり、自由に言動し、日々の決断を自らがして生きているつもりの私でも、高齢になり、それらの能力が衰えたら、「自立していない人」といわれるのか。
どうも“自立”とは何を明確に指すのか自信が持てないでいた。
 社会学者の上野千鶴子氏の講演に久しぶりに出向いた。“自立とは何か”がテーマだ。そこで、“自立”とは“手段”か“目的”かが問われた。自立には経済面と生活面と精神面がある。自由にできるお金があり、自分ひとりで日常の家事をこなせ、誰かに頼らず生きている、ということだ。しかし、これら3つを網羅している人はなかなかいない。
 家事能力のない仕事漬けの男性や、生活力は万全だが夫に依存する女性もいる。これらのコンビは夫婦としてよく成立している。3つの条件を満たすとなると、彼らは夫婦ともに自立していないことになる。
 一見、3つの条件を満たすように見えるのがキャリアウーマンだ。たった一人でも生きられる最強の“負け犬”とも呼ばれる。そしてそのひとりが、私、だ。
 長年たったひとりで生きていると、たまにだが主婦の友達を重く感じることがあった。まず、「私の車で送っていかなきゃ帰れない」友達。「おごってあげなきゃいけない」友達。「ぐずぐず愚痴を言うわりに問題解決をしない」友達。私は彼女たちは自立していないからそうなるのだろうと単純に理解していた。
 講演にむけての参加者意見カードに「自分だけ自立していても、他の友達が自立していないと、結局孤立する」と無記名で書いて提出した。大勢の参加者がそれぞれの意見カードを提出した中から、私のコメントを上野氏は取り上げた。
 「自分だけは自立していると明言なさるが、そんなあなたは周りから浮いているはずだ」と上野氏はマイクを握り、そのコメントの主に容赦なく言い放った。もちろん、その主が私であるとは上野氏は知らない。
 私は過去数年、上野ゼミというところで上野氏に手厳しく叱られながら女性学を学んだ経緯がある。あまりに叱られるものでそれを著書で出したくらいだ。無記名で出したコメントでも、やはり、私のコメントだけが叱られるのだ…と、ある種、感慨深く、情けなかった。

 上野氏は続けた。なんのための自立か。それは目的か。手段か。人が自由に自分のやりたいことをして生きられる、そのための手段として自立があるのではないか。なにも自立のための能力すべてを自らが持っていなくてもいい。誰か持っている人から調達すればいい。まず自分がなにをやりたいかが、はじめに問われる…。
 私はとんでもない見当違いをしていたようだ。
 私の主婦友達は自立していないのではなく、私という「車を持っている人間から車を調達した」だけだ。あるいはお金を調達し、愚痴の聞き役を調達した。彼女たちはそうやって行きたいレストランに行き、喋りたいことを喋っていた。自立の能力を備えていようがいまいが、彼女たちにはなんら問題ではない。
 では、自立の道具を持っているかに見える私は、自立以前の“やりたいこと”が明確にあるだろうか、と自らに問うことが怖い。経済、生活、精神の3つを持っているように見えても、それらを自らのやりたいことのために存分に駆使しているかと。
 ふと、周りを見渡すと、せっかくの自立の道具を持ちながら、そこで力尽き果てている人が少なくないことに気づく。そのもったいなさに、私を含め、どれほどの人が気づいているだろうか。
 また、仕事を持って経済力があるから自立していると自負する男性諸氏の何人が、好きにやりたいことが出来、生きたいように自由に生きられているだろうか。
 自立はトンカチに似ている。持っているからといって、なにも作らなければ、ただのトンカチだ。
(日経ビジネス オンライン 2007年9月14日)
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「自立はトンカチに似ている。
持っているからといって、なにも作らなければ、ただのトンカチだ。」
には思わずわらった。

そういえば、昨日は池袋で、
上野さんの「おひとりさまの老後」講演会があったはず。

ほんとは、わたしも行きたかったのだけど、
明日から山形で「市民オンブズ」の全国大会があるし、
その前に、チラシのめどをつけておかないといけないし・・・・
で、あれやこれややっとかないといけない仕事があるので断念。
友人のTさんが行かれると聞いたので、
12月のチラシをもって行くように頼んだ。

上野さんの講演は、なんど聞いてもおもしろいので、
やっぱり無理してでもいけばよかったかなぁ、
と思いながら起きてきたら、
遥さんのエッセイでよめてうれしい。

遥さんのエッセイも、いつ読んでもおもしろい。


   
12月の上野さん講演会/フォーラムのチラシ は、
15000枚を刷って、公的施設などへの発送をおおむね終わった。

「む・しネット」はひも付きでない弱小市民グループなので、
スタッフが、自治体ごとの女性政策の担当課に電話をかけて、
公的施設に置いてもらえるようにお願いする、という手間をかけている。

個人や市民派議員、女性グループなどには、
「さまざまなマイノリティの抱える困難・現状」の特集を組んだ
『む・しの音通信』63号に入れて、今月末に送る予定。

次回スタッフ会は、9月議会閉会日の翌日の9月28日(金)。
議員の仕事とプロジェクの掛け持ちスタッフはいそがしい。


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白と真紅の百日紅&仙人草も満開に

2007-09-13 20:27:52 | 花/美しいもの
7月に咲きはじめた百日紅。
いちばん先に、植えて10年目くらいのピンクが咲き、

夏の間じゅう、次々に開花していました。


8月の中旬になって、一昨年植えた白の百日紅が咲きました。


 

続いて、真紅の百日紅。
まっ青な夏空にひときわ映えます。 


  

うすむらさきの花はちらほら。
家の南の夏祭り二本は、小さな木なのに、
びっしりと花をつけています。
  
うすむらさき     桃     桃白(夏祭り)


真紅の百日紅と同じ頃に咲きはじめた仙人草も、

パイプに巻きついて、伸びて、上って、

ひらいて、ひらいて、

満開になりました。

これだけ咲くと、壮観です。

夏には少ない、純白の花なので、
来年はパイプ全体に咲かせようと思っています。

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一夜明けて・・・朝刊各紙(朝日・毎日・読売・中日・岐阜・日経)の社説/安倍首相辞任

2007-09-13 13:57:24 | ほん/新聞/ニュース
日本中、いや世界中に衝撃が走った、
一国の首相の辞任劇。
一夜明けて、各界から批判の声が続出。

安倍政権を評価していた、産経新聞や、
はたまた「世界日報」までもが、この無責任さにはあきれたようだ。
いくらなかよしでも、これではかばいきれないだろう。

【主張】首相辞任表明 国際公約果たす態勢を (産経新聞2007/09/13)

「進退の時誤った未熟さ」(2007年9月13日世界日報)

とはいえ、
安倍首相が退陣して「右旋回」が軌道修正できるかと思うのは、
ちと気が早い。あとは、
確信犯の麻生氏が、虎視眈々と首相の座を狙っている。
これから、また
自民党内のお家騒動では、国民軽視もはなはだしい。

安倍氏を挙党一致で首相にした自民党の責任は重い。
政権政党として、解散総選挙で国民に信を問うべきである。

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  社説 安倍首相辞任―あきれた政権放り出し 解散で政権選択を問え
朝日新聞社説 9月13日

 なんとも驚くべきタイミングで、安倍首相が辞任を表明した。文字通り、政権を投げ出したとしかいいようがない。前代未聞のことである。
 内閣を改造し、政権第2幕に向けて国会で所信表明演説をし、国民に決意と覚悟を語ったばかりである。その演説に対する各党の代表質問を受ける当日に、舞台から降りてしまった。国の最高指導者として考えられない無責任さだ。
 首相は記者会見で、辞任の理由として、11月1日に期限が切れるテロ特措法の延長が困難になったことをあげた。海上自衛隊によるインド洋での給油活動を継続することに「職を賭す」と発言していた。
 ■ 路線の破綻は明白だ ・・・・
 ■ 自民党の衰弱あらわ ・・・・

 首相は政治空白を最小限にとどめたいと語ったが、遅きに失した退陣表明で参院選後の1カ月半を空費してしまったのは首相自身だ。
 政治空白が長引くのは困るが、どたばたで後継総裁、新首相を決めてしまうのでは、参院選の惨敗を踏まえた党の出直しにならないのではないか。きちんと候補者を立て、開かれた党内論議を徹底的に行うべきだ。
 次の総裁、新首相は有権者の支持を得られなかった安倍首相の後継だ。新たな政権は自らを「選挙管理内閣」と位置づけ、可能な限り速やかに衆院を解散し、総選挙をする必要がある。
 今回の政権放り出しは、民主党を第1党にした参院選がもたらした結果でもある。自民党政権がこれだけ混迷してしまった以上、総選挙で有権者にきちんと政権選択を問うべきだ。国民の信頼に基づく政治を取り戻すにはそれしかない。

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安倍首相退陣 安定した政治体制を構築せよ
読売新聞社説 9月13日

 極めて異例、異常な突然の安倍首相の退陣表明だ。
 所信表明演説を終え、各党代表質問が始まる直前のことだった。「無責任」と言われても仕方ないタイミングである。
 後継の首相を選出し、改めて所信表明演説をしなければならない。それまでの間、政治空白が生じる。・・・

 ◆不可解な突然の辞任 ・・・
 ◆果たすべき「国際公約」・・・
 
 ◆衆参ねじれの克服を
 次期衆院選に向け、小沢代表は、先の参院選で民主党の公約に掲げた政策の実現に全力を挙げると言う。それには、法案化し、与党が圧倒的多数を占める衆院でも可決しなければ成立しない。
 安倍後継政権としては、給油活動継続は無論、年金などの社会保障制度の改革、財政再建、消費税率引き上げ問題を含む税制改革など、国の存立や国民生活の基本にかかわる重要政策に取り組まなければならない。
 そのためには、政策の内容には当面、違いがあるとしても、与野党の利害を超えて衆参ねじれの状況を克服し、必要な政策の実現のために、大連立も視野に入れるべきではないか。

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社説:安倍首相辞任 国民不在の政権放り投げだ   
毎日新聞 9月13日

 早期に衆院を解散して民意を問え--。次期首相にはあえてこう言いたい。今、混乱を収拾し国政に民意を反映させるためには解散が最も建設的な道だと考える。
 12日の安倍晋三首相の辞任表明は全く唐突であり、多くの国民が耳を疑ったに違いない。
 首相は海上自衛隊のインド洋での補給活動について「国際公約だ」と宣言し、活動継続について「職を賭す」とまで言い切った。
・・・
 ◇政治空白を恐れるな  ・・・
  ◇テロ対策は逃げ口上だ・・・
 年金記録漏れ問題に対する反応も鈍かった。首相は就任直後から「戦後レジームからの脱却」を前面に掲げて教育基本法の改正や国民投票法の成立を急いだ。しかしその政治姿勢は、生活テーマに期待を寄せた国民の気持ちと明らかに乖離(かいり)があったのだ。惨敗した参院選後もそのギャップを認めようとしなかった。
 国民生活を軽視し、政策の優先順位を間違えた安倍政治を許したのには、自民党にも大きな責任がある。
 小選挙区制と政党助成金の導入で公認権を持つ執行部の力が強まった。自民党の自浄作用がなくなった大きな要因だ。首相に強く続投を勧めた麻生太郎幹事長の責任も問われる。
 これで政権担当能力があるのかとさえ疑わせる事態を招いた責任は、安倍首相のみならず自民党にもある。もはや衆院の解散・総選挙で混乱を収拾するしかない。民主党に政権をいったん渡し、その選挙管理内閣のもとで解散をしてもいいほどの体たらくだ。
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【社説】下野か衆院解散か、だ 安倍首相、退陣へ 
中日 9月13日
 理由はなんであれ、無責任のそしりは免れまい。安倍晋三首相が唐突に退陣を表明した。参院選の歴史的惨敗にも続投させた自民と公明の政権与党の責任は重大だ。
 「職場放棄」「無責任極まりない幼稚な判断」と非難の声があがっている。確かに衝撃ではあっても、語るべき言葉をさがすのに苦労する。
 今週月曜日に召集されたこの国会の冒頭で首相は所信を述べた。「美しい国」「戦後レジーム(体制)脱却」の自前の用語を入れて、続投へのこだわりをみせたばかりだった。
 そして十二日、衆院本会議で各党代表質問が行われる直前、自民党幹部らに電話ではっきり辞意を伝えた。前代未聞のことだ。
 理屈の立たぬ退陣理由・・・
 
 政治空白を長引かすな・・・
 民心の離反を自覚せよ
 参院の第一党を民主党に奪われた自民党は、民心が甚だしく離反していることを自覚した方がいい。
 けじめが要る。このまま後継の総理総裁を選んでは、安倍氏同様、政権選択の審判を受けない自公政権が続いてしまう。潔く下野するか、衆院解散・総選挙で出直す。選択すべき道は二つに一つである。
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 社説 安倍首相退陣表明  無責任極まる政権放棄だ
2007年 9月13日(木)岐阜新聞

 安倍晋三首相が突然、退陣を表明した。唐突な退陣表明は国政を混乱させるもので、非難は免れない。政治家として、また政党人としての首相の見識を疑わざるを得ない。
 首相は7月の参院選で歴史的惨敗を喫したにもかかわらず続投した。しかも2日前にはあらためて政権担当の決意を強調する所信表明演説を国会で行ったばかりだった。首相の辞意は、この演説に対する民主党など各党代表質問の直前に伝えられ、国会日程はキャンセルされた。「敵前逃亡」ともいえる出来事だ。
 首相は記者会見で退陣理由として海上自衛隊がインド洋で実施中の給油・給水活動継続問題を挙げた。「この問題をめぐる民主党の小沢一郎代表との会談も実現できない状況の中で、私が(首相として)残るのは障害になる。ここは職を辞して局面を変えないといけないと判断した」と述べた。
 確かに、参院は海自活動継続に反対する民主党など野党が多数を占めており、11月1日に期限切れを迎える現行のテロ対策特別措置法の延長は事実上、無理だ。しかし、自民党はそれを考慮して、一時的に活動が中断することはあっても衆院での再議決で活動を継続できるよう、新法を国会に提出する方針を決めていた。
 ただ、再議決に対して民主党は「首相問責決議案」を参院に提出し、可決する構えでいる。問責決議に法的拘束力はないが、政治的影響は大きく、政権が窮地に陥るのは目に見えていた。求心力の低下に悩む首相はそうした展開を見越し、政権を投げ出したともいえよう。
 それにしても首相の職務は、嫌気が差せば投げ出せるほど、軽いものなのか。健康不安説もあるが、政治運営の最高責任者として国家・国民の運命を担う自覚があまりにも欠けている。
 首相は新法の処理などについては後継首相に託す考えを示した。しかし小沢代表は「交代劇によって、われわれの考え方が変わることはない」と、突き放している。首相の退陣がプラスに作用する保証はない。
 7月の参院選で自民党が惨敗した際、首相は退陣を勧める周囲の声を振り切って続投を決断した。やはり、あの時に退陣すべきだった。タイミングを見誤った。
 約1年前、「美しい国」「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げて登場した安倍首相は、教育基本法改正や防衛庁の省昇格などを実現し、ナショナリズムを感じさせる路線を突っ走った。祖父・岸信介元首相が果たせなかった憲法改正の実現が最大の政治目標だったが、挫折した。
 安倍政治を振り返れば、「政治とカネ」をめぐる不祥事続発に見られた危機管理能力のなさ、郵政選挙離党者の復党など、やはり首相の若さ、経験不足が災いしたのは確かなようだ。
 首相の退陣表明を受けて、自民党は後継総裁(首相)選びに入る。衆参両院議員と都道府県代表による投票となる方向だが、その間の政治空白は避けられまい。
 安倍首相は自身を「ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する、戦う政治家」(著書「美しい国へ」)になぞらえたが、現実との落差はあまりに大きすぎる。戦後政治史に汚点を残す、無責任極まる退陣表明である。

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社説 突然の首相退陣、政局混迷を憂慮する(9/13)  
日本経済新聞9月13日

 安倍晋三首相が突然、退陣を表明した。臨時国会で所信表明演説を行い、代表質問に入る直前の退陣表明は極めて異様である。7月の参院選で惨敗しても続投を決断した首相は政権・国会運営の厳しさを十分に覚悟していたはずだが、首相の体力・気力はすでに限界に達していたのだろう。突然の退陣表明は無責任な政権投げ出しと言われても仕方ない。国会は当面、休会状態になり、インド洋における海上自衛隊の給油継続問題も宙に浮く形となった。政局の混迷を深く憂慮せざるをえない。

 無責任な政権投げ出し ・・・
 早期解散視野に収拾を・・・

 少子高齢化に直面する日本が引き続き経済成長を維持して国民生活を安定させるには、税財政改革や年金制度の安定化などの改革に全力を挙げて取り組まなければならない。政局の混迷を理由にこうした課題が先送りされるのは国民にとっても極めて不幸なことである。

 次期衆院選では与野党が税財政改革や年金改革から逃げることなく、堂々と国民の前で政策を競い合い、選挙後はその実行のためにどうすればよいかを真剣に考えてもらいたい。場合によっては政策実行のための大連立という選択肢もありうるのではないか。
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お花に関係のない「安倍首相辞任」の記事が
3回続いて、やっぱりランキングは急降下。
つぎはお花の記事を載せますから、見に来てくださいね。

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速報!安倍首相「緊急記者会見」の様子。

2007-09-12 15:55:28 | ほん/新聞/ニュース
2時からのNHKの安倍首相辞任の記者会見を見ながら、
必死でメモを取ったのですが、


  

記事をタイプしているうちに、毎日新聞の速報に全文がアップされました。

こちらのほうが正確のようなので、紹介します。

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安倍首相辞任:緊急会見で話した内容の全文掲載

 安倍晋三首相は12日午後2時から首相官邸で緊急に記者会見し、辞意を表明した。安倍首相は会見の中で、民主党の小沢一郎代表に党首会談を断られたことが辞意を固めたきっかけのひとつであることを明らかにした。安倍首相が話した内容は、以下の通り。

 ◇ ◇ ◇
 本日、総理の職を辞するべきと決意をいたしました。
 7月の29日、参議院の選挙が、結果が出たわけですが、大変厳しい結果でございました。しかし厳しい結果を受けて、この改革を止めてはならない、また戦後レジームからの脱却、その方向性を変えてはならないとの決意で続投を決意をしたわけであります。今日まで全力で取り組んできたところであります。
 そしてまた先般、シドニーにおきまして、テロとの戦い、国際社会から期待されているこの活動を、そして高い評価をされているこの活動を中断することがあってはならない、なんとしても継続をしていかなければならないと、このように申しあげました。国際社会への貢献、これは私が申し上げている、主張する外交の中核でございます。この政策は何としてもやり遂げていく責任が私にはある、この思いの中で、私は、中断しないために全力を尽くしていく、職を賭していく、というお話をいたしました。そして、私は、職に決してしがみつくものでもない、と申し上げたわけであります。そしてそのためには、あらゆる努力をしなければいけない。環境づくりについても、努力をしなければいけない、一身を投げ打つ覚悟で、全力で努力すべきだと考えてまいりました。
 本日、小沢党首に党首会談を申し入れ、私の率直な思いと考えを伝えようと。残念ながら、党首会談については実質的に断られてしまったわけであります。先般、小沢代表は民意を受けていないと、このような批判もしたわけでございますが、大変残念でございました。今後、このテロとの戦いを継続させる上において、私はどうすべきか、むしろこれは局面を転換しなければならない。新たな総理のもとで、テロとの戦いを継続をしていく、それを目指すべきではないだろうか。きたる国連総会にも、新しい総理が行くことが、むしろ局面を変えていくためにはいいのではないか。
 また、改革を進めていく、その決意で続投し、そして内閣改造を行ったわけでございますが、今の状況でなかなか、国民の支持、信頼の上において力強く政策を前に進めていくことは困難な状況であると。ここは自らがけじめをつけることによって、局面を打開をしなければいけない。そう判断するに至ったわけでございます。
 先ほど、党の五役に対しまして私の考え、決意をお伝えをいたしました。そしてこのうえは、政治の空白を生まないように、なるべく早く次の総裁を決めてもらいたい、本日からその作業に入ってもらいたいと指示をいたしました。私としましても、私自身の決断が先に伸びることによってですね、今国会において、困難が大きくなると。その判断から、決断はなるべく早く行わなければならないと、そう判断したところでございます。
 私からは以上であります。
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安倍首相辞任:国民の信頼得られなかった……一問一答全文  
安倍晋三首相が12日、首相官邸で行った記者会見の一問一答は以下の通り。
(  )内はみどりのメモ。

(読売)--参院選直後ではなく、なぜ今、辞任を決断したのか。

 参院選は厳しい結果でありました。そこで反省すべきはしながら、今進めている改革を止めてはならないと思い、私が進めている国づくりは止めてはならないと思い、所信を述べさせて頂きました。しかし、テロとの戦いを継続していくことは極めて重要なことであり、それは私の約束でもありますし、国際公約でもあります。それを果たしていくためには、むしろ私が職を辞することによって、局面を転換した方が、その方がむしろいいだろうと判断致しました。

(読売)--辞めることで、どのような自衛隊活動につながるのか。

 私がなんとしても改革を進めなくてはいけないとの思いで全力を尽くしてまいりましたが、残念ながら私が総理であることによって、野党党首との話し合いも難しい状況が生まれています。そして、党において、今の状況においては新しいエネルギーを生み出して、そのエネルギーで状況を打開し、新しいリーダーの下で状況を打開し、新法を新しいリーダーの下で推し進めていくことの方がいいのではないかと考えました。

(共同)--公約を途中で投げ出すのは無責任では。

 もちろん、私はそのために全力を尽くさなければいけないと考えておりました。しかし、むしろ公約を果たしていくうえで、どういう環境を作ることが必要かと考えたとき、私が職を辞することでその環境ができるのではないか。私が職に就いていることで、成立することにマイナスになると考えました。

(NHK)--後継の総裁についてはどう考えているか。

 今日はまだ、そうした決断をしたばかりでございます。まだ、日程的なものを決めているわけではございませんが、なるべく早い段階で、後継の総裁を決めてもらいたいと思っています。後継の総裁については、私がとやかく申し上げることは適切ではないと思いますが、いずれにしても新しいリーダーとして与党を率いて、力強く政策を前に進めていっていただきたいと思います。

(産経)--総理の辞任で、戦後レジームからの脱却などの政策が停滞してしまうとは考えなかったのか。

 続投するに当たって、新しい国づくりを進めていかなければいけない。その中には、戦後の原点にさかのぼって見直しをしてという、戦後レジームからの脱却も果たしていかなければいけないという思いでございます。今まで、教育基本法の改正や、公務員制度の改革等々の、いわば戦後の出来上がった仕組みを変えていく、そういう挑戦をしてまいりましたし、成果も上げてきたと思います。しかし、現在の状況においては、新たな局面の打開を図って、新たなエネルギーで前に進めていかなければ、そうした政策の実践も難しいという状況であろうと判断しましたが、その方向で是非、進んでいってもらいたいと思います。

(朝日)--辞任の理由についてテロとの戦いを第一に挙げたが、総理の職責は外交面ではなく、国民生活を背負っている面がある。そういう状況で、月曜日(10日)に続投を決意する所信表明をして、各党の質問を受ける直前に総理の職を辞するのは、国民から見ると逃げていると思われても仕方ないのでは。どのように責任をお考えか。

 総理の職責は大変、重たいものがあると考えています。そして私も所信において思うところを述べたこところであります。しかし、述べたことを実行していく責任が私にはあるわけではございますが、なかなか困難な状況です。この中において、それを果たしていくことが出来ないのであれば、それは政治的な困難を最小限にする、という観点からなるべく早く判断すべきだという決断に至りました。

(日経)--政策を前に進めにくい状況は参院選で大敗した後も変わっていないと思うが、なぜ所信表明後に辞意を表明する決断をしたのか最大の理由と、最終的に決断したタイミングはいつか。

 総理としては常に職責を果たしていかなければいけないということは、常に考えているわけでございます。そして私が、ここは職を辞することによって、局面を変えていかなければいけないと判断いたしましたのはですね、今日、残念ながら党首会談も実現もしないという状況の中で、私の約束をしたことが出来ない、むしろ、私が残ることが障害になっていると、こう判断したからです。

 --政策を実行するのに非常に困難な状況になったというが、困難な状況に陥ってしまった原因などについて、どう分析しているか。そこに至らしめた自らの責任について、反省点など伺いたい。

 もちろん、反省点は多々ございます。前の内閣、また新しい内閣においてですね、安倍内閣として国民の信頼を得ることが出来なかった。これは私の責任であろうと思います。それを原動力に政策を前に進めていくということが残念ながら出来なかったということです。

 --党首会談を理由に挙げたが、今後国会の流れの中で、党首会談が出来るという見通しはなかったのか。また、党首が代われば党首会談が出来るという見通しなのか。

 私が民意を受けていないということが理由の一つとして挙がっているわけでございます。この選挙結果は、やはり大きなものがございます。もちろん、そのうえに立って決意をしたわけでございますが、新しい自民党のリーダーとの間においてですね、率直な党首同士の話し合いがなされると、私はそのように期待しています。

(TBS)--総理の強調するテロとの戦いを継続するためには衆議院の再議決をもってすれば党首会談がなくても突破できたという見立てが我々の間では主流だと思うが、それでも党首会談が出来ないとなると、多くの支持があって総理になったのに、説明としては不十分ではないか。本当の心境、あるいは何がこの決断に至ったのかを、総理として最後にぜひ、伺いたい。

 私は、いわばこのテロとの戦いにおいては、中断されてはならないと考えて、先般シドニーで職を賭すという話をしたわけでございます。新法で継続を図っていくという考え方もあるわけでございますが、日程的な関係で、新法ですと、一時的に中断という可能性は高いわけでございまして、そうであるならば、事実上そういう状況が出てくるわけでございまして、そう判断せざるを得ないと考えました。そこで、その時に判断するよりも、むしろ今、判断した方が、党が新たにスタートするうえにおいては、むしろその方がいいだろうと。国民のみなさまに対しましてもですね、混乱を招かないうえにおいては、なるべく早い判断の方が良かったと、決断がいいだろうというふうに判断いたしました。
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安倍首相辞任:「無責任」与野党あ然

「国家の危機だ」--ポスト安倍で混乱も
 安倍晋三首相が与党幹部に辞任の意向を伝えた。所信表明演説を終え、代表質問直前の辞意表明であり、与野党ともに「全く無責任だ」との強い批判が上がっている。
 野党側からは「この段階で辞めるのは無責任だ。辞めるのならもっと早く辞めるべきだ」(鳩山由紀夫民主党幹事長)、「放り出すのは無責任だ。参院選直後にやめるべきだ」(福島瑞穂・社民党党首)の声が出ている。
 また自民党の閣僚経験者は「続投自体に問題があった。政権は完全に行き詰まってしまい、政権を投げ出したとしかいいようがない」と語った。
 また中堅議員は「ポスト安倍で混乱するだろう。国政への影響ははかりしれない。国家の危機的な状況だ」と首相を批判している。
 自民党は今後「ポスト安倍」選びで混乱することも予想される。
 このためインド洋での海上自衛隊の活動の根拠になるテロ対策特別措置法や新法などの審議について大きな影響が出ることは必至だ。
 首相は7月29日の参院選で惨敗したにもかかわらず、続投を表明した。続投に関しては与党内からも批判を浴びたが、参院選は政権選択選挙ではなく、安倍政治そのものが否定されたわけではないという理由で退陣論を突っぱねた。
 安倍首相は内閣改造では派閥の長を中心にしたベテラン閣僚を起用し、求心力の回復を図った。いったんは支持率が回復したが遠藤武彦前農相の辞任で首相の任命責任が問われ批判を浴びていた。この時点で首相の命運は尽きていたという指摘もある。
 民主党の中井洽常任幹事会議長は「所信表明をやって、代表質問の直前に辞めるのは非常識だ」と批判。また民主党の安住淳国対委員長代理は「驚いた。何を考えているのか分からない」と戸惑いを見せていた。
 民主党の福山哲郎参院政審会長は「驚いている。あの続投宣言は何だったのか。安倍内閣は何もしないで終わった。参院の首班指名では次の自民党総裁は指名されないだろう」と語った。
 国民新党の亀井静香代表代行は会見で「あり得ないことだ。自民党の責任だ。自民党は解党すべきだ」と述べた。

 ◇海外通信社も速報
 安倍首相辞任の一報は、AP通信やロイター通信など海外の通信各社も速報した。ロイターは「安倍首相は、テロ対策特別措置法の期限延長に失敗すれば辞任すると発言していた」などと報じた。市場関係者の話として「政治の空白化に懸念を示している」と伝えた。
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 ◇安倍晋三首相就任以来の主な動き

06年 9月 自民党総裁選で安倍晋三氏を選出

   10月 安倍首相が訪中、訪韓し首脳会談

       北朝鮮が地下核実験の実施を発表

   11月 米中間選挙で民主党が上下院とも制す

   12月 自民党が郵政造反議員11人の復党を決定

       改正教育基本法が成立

       防衛庁の省昇格関連法成立(翌1月昇格)

       佐田玄一郎行革担当相が事務所費問題で辞任

07年 1月 角田義一参院副議長が政治資金問題で辞任

       柳沢伯夫厚労相が「女性は産む機械」発言

    2月 北朝鮮問題の6カ国協議で合意文書採択

       日銀が追加利上げ

    3月 北海道夕張市が財政再建団体に移行

    4月 政府の地方分権改革推進委員会が発足

       温家宝中国首相が来日

       安倍首相が米国、中東を歴訪し首脳会談

    5月 ブレア英首相が退陣表明

       改憲手続きを定めた国民投票法が成立

       松岡利勝農相が自殺。農相に赤城徳彦氏

    6月 青森県に船で漂着した脱北者4人を保護

       年金記録漏れ問題で政府が1年間での照合完了方針を示す

       教育関連3法など成立

       久間章生防衛相が広島、長崎への原爆投下を「しょうがない」と発言

    7月 久間防衛相が辞任し後任に小池百合子氏

       政府が年金記録漏れ問題で追加対策を発表

       赤城農相の事務所費問題が浮上

       参院選(12日公示、29日投開票)

    8月 安倍首相が赤城農相を更迭

       改造内閣発足

毎日新聞 2007年9月12日 東京夕刊
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安倍首相辞任:識者ら「当然」「遅すぎた」 擁護の声、少なく  

安倍晋三首相が突然の辞意を自民党幹部に伝えたことに、識者には「当然だ」との受け止め方が多く、擁護する声は少ない。

 ◇居座りは無理--政治評論家・森田実氏の話

 来るべきものが来ただけで当然と受け止めている。参院選で国民から事実上の不信任を突きつけられ、国民が信任しない政権が「衆院じゃないから」という理屈で居座るのはもともと無理だった。どんな独裁政権でも国民の信任が得られないと長持ちしない。衆院解散のエネルギーは首相自身にも政権にも残っていないことが、首相の最近の表情から読み取れた。臨時国会前から既に安倍首相には辞めるという選択肢しか残っておらず、後は時期の問題だと考えていたので全く驚きはない。

 ◇何もしてない0点--評論家、室伏哲郎さんの話

 辞任は当然だ。むしろ遅すぎるくらいだ。7月の参院選で、安倍晋三首相は「私と民主党の小沢一郎代表のどちらを首相に選ぶのか」と国民に迫った。国民は選挙結果を通じてその意思を示したのに、首相は前言を翻し、何もなかったかのように居座り続けた。安倍政権は実質的に何もしていない。0点だ。後継に選んだ小泉純一郎前首相の責任も大きい。

 ◇根拠なかった続投--評論家の樋口恵子さんの話

 辞意表明は遅きに失した。安倍さんは参院選で自民党が大敗しても、「基本的な政策は支持されている」と言っていたが、何の根拠もなかった。よくぞここまで居座ったという感じだ。安倍さんは、国民が何を望んでいるのかが理解できなかったのが致命的だ。国民が腹をすかせているのに、それを理解せず、国を愛することを強いた。次の首相には聞き上手な人がなるべきだ。

 ◇逆風が多すぎた--漫画家、弘兼憲史さんの話

 国会の期間中で本当にびっくりした。自民党が崩壊する、あるいは次の選挙で勝てないと自ら考えたのか、自民党の長老から説得されたのか。いずれにしろ断腸の思いで決断したのだろう。この1年間で、憲法改正への道筋をつけたことは評価したい。ただ、消えた年金の問題や政治とカネなど、あまりにも自分と関係のないところで逆風が吹いた。

 ◇家族会沈うつ

 安倍政権の支持率が低迷する中、支持を続けてきた拉致被害者家族も、突然の辞意にショックを隠せなかった。北朝鮮による拉致被害者家族会の飯塚繁雄副代表(69)は、午後1時前にニュースで「辞意」を知り「えっ、まさか」と思った。「解決に向けてこれからという時に早すぎる。安倍首相が一番熱心に取り組んでくれただけに、気が暗くなる」と沈うつな表情。増元照明事務局長(51)も「ショックが大きすぎてコメントできない」と言葉少なだった。

毎日新聞 2007年9月12日 東京夕刊
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ビックリ速報!安倍首相が突然の辞任表明!!

2007-09-12 14:56:58 | ほん/新聞/ニュース

今日の午後、安倍首相がとつぜんの辞意表明をしました。

昨日、所信表明演説が終わり、
今日午後1時から、各党の代表質問を控えてのとつぜんの辞任劇に、
自民党内にも衝撃が広がっているようです。

とりあえず、マスコミ各紙の速報を紹介します。

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「安倍首相が辞意 突然表明に困惑広がる」
東京新聞 2007年9月12日 13時39分

 安倍晋三首相は12日、インド洋での海上自衛隊の給油活動継続のめどが立たないことや、閣僚らの相次ぐ不透明な政治資金処理問題などで国政が混迷した責任を取って、辞任する意向を自民党幹部に表明した。
 首相は辞任の理由について「自らの求心力がない」と与党幹部に述べた。首相は午後、記者会見する。参院選での自民党惨敗にかかわらず続投を選択したことへの批判が根強かった。ただ臨時国会が開会されたばかりの突然の辞意表明に政界で困惑が広がっている。
 首相の辞意を受け、12日の衆院本会議での代表質問は流会の見込み。自民党は早期に新総裁を選出する。安倍首相を支えてきた麻生太郎幹事長らを軸に後継選びが進むものとみられる。
 首相は選挙後も「改革を続行することが私の責任だ。政治空白をつくるべきではない」と、引き続き政権を担う方針を強調。党役員人事、内閣改造で「人心一新」を図り、政権の立て直しをしたばかりだった。
 今月9日の訪問先のシドニーでの記者会見では、海上自衛隊の活動継続に「職を賭する」と発言、実現しない場合に退任の考えを示していた。ただ民主党の反対は強く、活動継続の見通しは立っていない。
 また8月27日の改造直後に遠藤武彦農相が組合長理事を務める農業共済組合で国からの補助金不正受給が発覚し、遠藤氏は辞任。さらに鴨下一郎環境相、上川陽子少子化担当相と相次いで不透明な政治資金処理問題が発覚。野党側は首相の任命責任を問題視し、問責決議案提出も視野に攻勢を強めていた。
 安倍内閣は昨年9月26日に発足。小泉純一郎前首相の靖国神社参拝で冷えきっていた中韓両国との関係改善に着手。教育基本法改正、憲法改正のための国民投票法制定など、「戦後レジーム(体制)からの脱却」に取り組んだ。
 しかし、昨年12月に政治資金問題で佐田玄一郎行政改革担当相が辞任。今年5月には事務所の光熱費問題などを問われた松岡利勝農相が自殺。さらに原爆投下発言で久間章生防衛相、松岡氏の後任である赤城徳彦農相がそれぞれ辞任するなど、閣僚のスキャンダル、失言が相次いだ。
 年金記録不備問題への対応への批判もあって、7月29日投開票の参院選では自民党の獲得議席が37まで落ち込む歴史的な敗北を喫した。
(共同)
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「安倍首相が辞意・自民党幹部に」
2007年9月12日 日本経済新聞

 安倍晋三首相は12日、辞任する意向を固め、自民党幹部に伝えた。7月の参院選での惨敗後も「政治とカネ」の問題を巡る閣僚辞任などが相次ぎ、内閣支持率が回復しない現状を踏まえての判断とみられる。
 首相は午後2時に記者会見し、表明する。首相は自民党に総裁選の実施を指示。新総裁が決まり次第、正式に内閣総辞職する。臨時国会は冒頭で首相が辞任するという大波乱の展開となった。
 首相は同日昼、大島理森国会対策委員長に電話し「代表質問に答えられない」などと伝えた。麻生太郎幹事長は記者団に「辞意はずいぶん前から聞いていた。理由については『自分には求心力がない』と聞いている」と語った。(13:00)
(2007年9月12日 日本経済新聞)

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安倍首相:辞任の意向固める 政権の維持困難と判断

 安倍晋三首相は12日、辞任する意向を固め、与党幹部に伝えた。首相は参院選惨敗後、内閣改造による政権立て直しを図っていたが、臨時国会でテロ対策特措法の延長問題の展望が開けないうえ、「政治とカネ」の問題をめぐり激しい攻勢にさらされることが確実なことなどから、政権の維持は困難と判断したとみられる。政権が昨年9月に発足して以来1年をたたずに辞任に追い込まれたことで、後継総裁問題は混迷が予想される。
 首相は12日、自民党の麻生太郎幹事長、大島理森国対委員長らに電話、「代表質問には答えられない」と辞任の意向を伝えた。麻生幹事長は首相の辞意について記者団に「ずっと前から(首相の辞意を)聞いていた。安倍首相は『自分では議会での求心力がない』と言っていた」と語った。また、自民党幹部によると、首相は「わたしは代表質問に出るわけにはいかない。健康上の理由だ」と伝えてきたという。首相は11日、「風邪」を理由に公務を途中で中断していた。10日に召集された臨時国会では首相の所信表明演説に対する与野党各会派による代表質問が12日に予定されていたが、急きょ、中止された。
 首相は7月29日に投開票された参院選で年金問題などの影響で自民党が惨敗したにもかかわらず、続投を決意。8月27日に内閣改造を行い、政権の立て直しを図ったが、遠藤武彦前農相が補助金の不正受給問題で辞任に追い込まれ、大きくつまづいた。加えて、参院で与野党が逆転した今国会ではインド洋に海上自衛隊を派遣するテロ対策特措法の期限が11月1日に切れることに伴う延長問題で、民主党が反対姿勢を崩しておらず、法案成立が危ぶまれる事態に。政府・与党は新法制定で事態打開を目指したが、首相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のため訪れたシドニーで9日記者会見した際、給油活動継続について「職を賭す」と表明。活動継続できなかった場合は退陣する意向を示していた。首相の辞任をめぐっては、今週末発売の一部週刊誌が安倍首相に関連するスキャンダルを報じる予定だったとの情報もある。
 首相の退陣表明を受けて自民党は後継総裁選びに着手する。麻生氏、福田康夫元官房長官らの名があがっている。
 安倍首相は故安倍晋太郎元自民党幹事長の二男。祖父は故岸信介元首相。91年に晋太郎氏が死去したことから、2年後の93年、衆院旧山口1区から立候補し、初当選を果たした。当選5回。00年の第2次森内閣で官房副長官に起用され、北朝鮮に対する強硬姿勢で世論をつかみ、スポットライトを浴びた。03年、小泉政権下で党幹事長に抜てきされ、05年には第3次小泉内閣で官房長官に就任。06年9月、小泉純一郎前首相の後を受け、戦後生まれとしては初の首相に就任した。
(毎日新聞 2007年9月12日 13時12分)

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安倍首相が退陣の意向、記者会見で表明

首相官邸での記者会見で退陣の意向を表明する安倍首相 安倍晋三首相(52)は12日午後、首相官邸で記者会見し、退陣する意向を明らかにした。
 首相は、夏の参院選での与党大敗を受け、内閣改造に踏み切ったが、政権浮揚を果たせなかった上、民主党が対決姿勢を示す中、テロ対策特別措置法延長問題を抱える臨時国会の乗り切りが難しいと判断した。
 自民党は月内にも後継を選出する見通しだ。党内からは、麻生太郎幹事長のほか、谷垣禎一・元財務相、福田康夫・元官房長官、与謝野馨官房長官らを推す声が出ている。
 8月27日は内閣改造を断行したが、遠藤武彦・前農相が補助金の不正受給問題で9月3日に辞任し、引き続き、政治とカネをめぐる問題で批判を浴びていた。
 9日のシドニーでの記者会見では、首相はインド洋での海上自衛隊の補給活動の継続について「国際的な公約となった以上、私には大変大きな責任がある。職を賭して取り組んでいく」と述べた。
 しかし、民主党は継続に反対する方針を崩さず、首相が申し入れていた小沢代表との党首会談も拒否していた。与党からも、海自の活動を継続するための新法案を衆院で再議決することに反発が出ていた。
 首相の辞任表明も、新法案成立のめどが立たず、国会運営の行き詰まりが確実になったのを受けた判断と見られる。
 首相は午後2時からの記者会見で辞任を決断した理由として、「国民の支持、信頼の面で、力強く政策を前に進めていくことは困難な状況だ。ここは自らがけじめをつけることによって局面を打開しなければならないとの判断にいたった」と語った。
 これに先立ち、首相は12日昼、首相官邸を訪れた自民党の大島理森国会対策委員長に「幹事長に自分の気持ちを伝えたい」と述べ、辞意を漏らした。これを受け、大島氏は12日昼、民主党の山岡賢次国対委員長に電話し、「首相が辞するので(午後の)代表質問には答えられない」と伝えた。
 首相はこの後、首相官邸で麻生幹事長ら党5役と会い、辞任の意向を伝えた。
 首相は大敗を喫した参院選直後、「改革を継続する」として続投を表明した。
 首相は胃腸に持病を抱えているとされ、11日夜も「かぜをひいた」として日程を繰り上げ、夕方に首相公邸に入っていた。臨時国会の審議を控え、健康面の不安が辞任につながった可能性を指摘する声もある。
 安倍首相は昨年9月の政権発足直後、中国、韓国を訪問し、小泉前政権下で冷え込んだ中国、韓国との関係改善の足がかりをつくった。
 首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、憲法改正のための手続きを定めた国民投票法を成立させたほか、長年の懸案となっていた教育基本法改正や防衛庁の省昇格などを成し遂げた。
 また、社会保険庁の廃止や公務員制度改革に精力的に取り組んだほか、雇用情勢の改善にも力を注いだ。
(2007年9月12日14時48分 読売新聞)
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安倍首相、辞任へ 麻生幹事長ら与党幹部に意向伝える」
朝日新聞 2007年09月12日14時45分

 安倍首相は12日午前、辞任の意向を固め、自民党の麻生太郎幹事長ら複数の自民党幹部に伝えた。午後2時から首相官邸で記者会見し、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法に基づく海上自衛隊のインド洋での給油活動の延長に向け、民主党の小沢一郎代表に呼びかけた党首会談を断られたことを受け、「今の状況で、国民の支持、信頼の上に力強く政策を進めていくのは困難」と辞任の理由を説明した。昨年9月の就任以来、「政治とカネ」を巡る問題や失言で閣僚の辞任が相次ぎ、今年7月の参院選では自民党が惨敗し、参院で与野党が逆転した。8月末に内閣改造を行ったが、その後も閣僚が辞任するなど、政権運営が完全に行き詰まっていた。首相の退陣を受け、自民党は後継を選ぶ総裁選を実施する。
首相官邸に入る安倍首相=
12日午前9時50分、東京・永田町で 


 首相は会見で「国民の支持、信頼のうえに、力強く政策を遂行することができなくなった」とも語った。首相は臨時国会が召集された10日、所信表明演説で、参院選敗北の「反省」を口にしながらも、「改革を進めるため」として続投の決意を示したばかり。会見の中で首相は、この時期に辞意表明した理由について、「(18日に始まる)国連総会にも新しい首相が出た方がいい」と説明したが、代表質問当日に辞意を表明するという極めて異例の退陣の仕方に、首相としての資質に対する疑問を最後まで国民に与えることになった。
 首相は12日午後1時から衆院本会議で開かれる代表質問に出席する予定だったが、同日午前、自民党幹部に「私は辞任するので、代表質問に答えるわけにはいかない」などと伝えた。
 これを受けて自民党国会対策委員会の幹部が野党側に本会議の延期を要請。延期の理由として、首相が辞意を漏らしていることを伝えたという。麻生幹事長は記者団に、首相の辞意について「聞いている」と答えた。
 首相は9日、訪問先のシドニーでの記者会見で、海上自衛隊の給油活動の継続について「国際的な公約となった以上、私には大きな責任がある。職を賭して取り組む」との強い決意を表明。活動が継続できない場合は「職責にしがみつくことはない」と述べ、退陣する意向を示していた。
 首相は参院第1党の民主党の協力を得るため、小沢代表に党首会談を呼びかけていたが、小沢氏は11日に拒否する考えを表明。政府・与党は給油・給水活動に限った新法の制定を目指すことにしたが、11月10日までの会期内での成立は難しく、活動を一時中断することは避けられない情勢だった。
 与党は、新法が参院で否決された場合などには会期を大幅に延長し、衆院で3分の2以上の賛成で再可決して成立させることも視野に入れていたが、その場合は民主党が参院で首相の問責決議案を提出する構えを見せるなど、国会運営は行き詰まっていた。
 首相は政権を取り巻く厳しい状況が続くなかで、これ以上政権を維持することはできないと判断し、臨時国会の実質的な論戦が始まる代表質問を前に退陣の判断を固めたと見られる。
 安倍氏は岸信介元首相の孫で衆院山口4区選出、当選5回。北朝鮮の拉致問題に対する厳しい姿勢で、国民的な支持を集め、小泉内閣のもとで党幹事長や内閣官房長官などを歴任した。
 昨年9月の総裁選で、麻生現幹事長、谷垣元財務相を大差で破り、小泉内閣の改革路線を引き継ぐ形で首相に就任した。「戦後レジームからの脱却」を掲げ、通常国会で、「愛国心」条項を新設した改正教育基本法、防衛庁の省昇格法、憲法改正の手続き法である国民投票法などを成立させた。
 しかし、首相就任後、初めての本格的な国民の審判となった今年7月の参院選で、年金問題や閣僚の相次ぐ失言や不祥事などによる逆風を受けて惨敗。参院で与野党の勢力が逆転し、民主党が第1党となった。
 しかし、「国民の厳しい審判を真摯(しんし)に受け止め、反省すべきは反省しながら、そして謙虚に、改革、国づくりに向かって責任を果たしていく」と続投を表明。8月27日に内閣改造を実施したが、わずか8日間で遠藤農水相が政治とカネの問題を巡って辞任に追い込まれるなど、政権の求心力を失っていた。
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安倍首相が辞意表明 局面打開へ決断 異例の所信表明後
(北海道新聞 09/12 14:42)

 安倍晋三首相は十二日午後二時から首相官邸で記者会見し、「自らがけじめをつけることによって局面を打開しなければならないと判断するに至った」と述べ、辞任する意向を表明した。今国会最大の焦点となるテロ対策特別措置法の延長問題で、インド洋での海上自衛隊の給油活動が継続できなければ退陣する意向を示していたが、民主党は同日、小沢一郎代表と首相の党首会談の申し入れを拒否。同党が反対の姿勢を崩さないため、首相は職責を果たせないと判断した。国会は同日午後から衆院で代表質問に入る予定だったが、所信表明演説を終えたばかりの首相の極めて異例の時期の辞任表明で、政局は混迷を深めそうだ。
 自民党の麻生太郎幹事長は、国会内で記者団に、首相の辞任の理由について「ずっと前から聞いていた。(首相は)『議会での求心力がない』と言っていた」と語った。大島理森国対委員長は昼の党代議士会で「残念だが、首相は辞める決意だ。その決意は変わらないということだ」と述べた。衆院本会議での代表質問は取りやめとなった。
 首相の辞意表明を受け、麻生幹事長、二階俊博総務会長、石原伸晃政調会長の自民党三役は首相官邸に入り、首相と今後の対応を協議。首相はただちに後任の首相を選ぶ自民党総裁選の準備に入るよう指示した。内閣総辞職は新たな総裁を選んだ後になる見通しだ。
 これに先立ち大島氏は同日午前、民主党の山岡賢次国対委員長と国会内で会談し、小沢氏と安倍首相との党首会談を申し入れたが、山岡氏は「現時点では取り次げない」と拒否した。大島氏はこの結果を首相に伝えた。
 テロ特措法の延長問題をめぐり、安倍首相は九日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席したシドニーでの記者会見で「職を賭す。職責にしがみつくつもりはない」と発言し、小沢氏との党首会談で理解を求める考えを示していた。

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TV各社も番組を変更して、2時からの緊急記者会見を放映した。




安部総理の辞任会見、第一声。


「本日、総理大臣の職を辞するべきと決意した」

安倍首相が辞める、のは大歓迎ですが、
記者会見の様子を、NHKで見ましたが、
説明責任も果たしておらず、あまりにも無責任。

記者会見の様子は、追ってお知らせします。


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『最後だとわかっていたなら』Tomorrow Never Comes/「9・11」から6年。

2007-09-11 21:46:04 | ほん/新聞/ニュース
2001年9月11日、午後9時46分。
「9・11」から6年。

紹介したい詩があります。

この詩は、「9・11」のあと、作者不詳でネットに配信され、
世界中が涙したという話題の詩です。

今年7月、
 『最後だとわかっていたなら』
(ノーマ コーネット マレック/佐川睦訳
/サンクチュアリ出版・2007/6)
という本になりました。 



Tomorrow Never Comes
-------------------------------------------------
「最後だとわかっていたなら」
ノーマ コーネット マレック作
佐川睦訳
 

あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように
祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめてキスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 
抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう

あなたは言わなくても
わかってくれたかもしれないけれど
最後だとわかっていたら
一言でもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日ですべてが終わるのだとしたら
わたしは今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい

そして わたしたちは 忘れないようにしたい

若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを

明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから

微笑みや 抱擁や キスをするための
ほんのちょっとの時間を 
どうして惜しんだのかと
忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと

だから 今日
あなたの大切な人たちを 
しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも 
いつまでも大切な存在だと言うことを
そっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や
「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから

-----------------------------------------
 

この詩を読むと、胸がはりさけそうになる。

あの日。
あなたがとつぜん死んでしまった。と分かっていたなら、

言っておきかった。

「すきやよ」。と。

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「あげた手をおろす」~『生き延びるための思想 ジェンダー平等の罠』上野千鶴子/「9・11」から6年。

2007-09-11 19:31:20 | ジェンダー/上野千鶴子
「9・11」から6年。

あらためて、
『生き延びるための思想
ジェンダー平等の罠』(上野千鶴子著/岩波書店/2006)の
「はじめに」に収録されている、
上野千鶴子さんのエッセイ「あげた手をおろす」を再掲したい。

『生き延びるための思想 ジェンダー平等の罠』上野千鶴子著(2006.2.11記事)

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「はじめに-あげた手をおろす」

 21世紀は「9・11」で幕を開けた。「9・11」で世界は変わった、という。ほんとうだろうか?
 世界にはたくさんの「9・11」がある。無法な暴力で踏みにじられた記憶。たくさんの忘れられた「9・11」のなかで、なぜ、この「9・11」だけが特別に記憶に値すると、考える人々がいるのだろうか。
 20世紀は戦争の世紀だったが、21世紀は市民戦争の世紀だと言った人がいる。前線なき戦闘。宣戦布告のない戦争。見えない敵。日常生活が一瞬のうちに戦場と化す。
 平和な生活手段が凶器に変わる。それもいわれのない悪意や憎悪によって、圧倒的で理不尽な暴力に遭う。この「9・11」が特別だったのは、標的がアメリカという国家だったことだ。そしてこの国家は、見えない敵に向けて、世界でいちばん豊かな国の国家暴力を動員した。
 たたきのめせ、という声が聞こえる。やってしまえ、という大合唱が起きる。そう言えるのは、強者の権利。強大な軍事力という危険な道具を手にしたもののおごり。報復は、その力のある者たちだけの選択肢。だが世界には、やられたらやられっぱなしの人々がたくさんいる。
暴力を手にした者が、それを使わないように抑制するのはむずかしい。アフガニスタンで、イスラエルで、チリで、非力な人々をおさえこむ無法な暴力が行使される。宣戦布告もなく、国際社会の合意もなく、だれが敵なのかもよくわからないままに、戦争が始まり、殺されていく人々がいる。その理由もわからないままに空爆の犠牲になったアフガニスタンの人々にとっては、アメリカの攻撃も「もうひとつの9・11」だったのではないだろうか。争いのなかでもっとも犠牲となったのは、泣くことと祈ることしかできない者たちだった。
 理不尽な暴力に遭う。ゆるせない、と拳(こぶし)をにぎりしめる。そこまではおなじだ。そこで、くちびるをかみしめながら拳をおろす。そんな経験を、わたしたちはしてこなかっただろうか。ヒロシマ、ナガサキの惨劇のあと、日本には拳をふりあげる力さえなかった。同じように夫に殴られつづける妻も、食ってかかって反撃したりはしない。なぜか。自分の無力さが骨身に沁みているからだ。反撃すれば、もっと手痛いしっぺがえしが待っていることを、知っているからだ。この経験は、無力なものには親しい。
 もしあなたが非力なら、あなたは反撃しようとしないだろう。なぜなら反撃する力があなたにはないからだ。あなたが反撃を選ぶのは、あなたにその力があるときにかぎられる。そしてその力とは、軍事力、つまり相手を有無を言わさずたたきのめし、したがわせるあからさまな暴力のことだ。
 反撃の力がないとき。わたしたちはどうしたらいいのだろう? 問いは、ほんとうはここからはじまるはずだ。
 自爆テロの報に接したとき、これは見たことがある、と思った。アルジェリアの独立戦争で若い女が爆弾を抱えてフランス人を殺傷した。非力な者も、死と引き換えになら、自分自身を武器に変えることができる。女だって男なみに戦力になれる--そう考える人たちもいる。
 非日常のヒロイズムに陶酔したのは男たちだった。だが今日のように明日も生きようとする女の日常にとっては、ヒロイズムは敵だ。そして。かつての学生闘争の中で、どうぞ当たりませんように、と祈るように石を投げながら、男なみになれない自分と、男なみになることの愚かさとを、女はとことん学んだのではなかったか?
 ところで女は平和主義者だろうか? 歴史はその問いにノーと答える。日本の゛女性は「聖戦」の遂行に熱心に協力したし、英米の女性も戦争の「チアガール」を務めた。女だからというだけで、自動的に平和主義者だということにはならない。
 フェミニズムは女にも力がある、女も戦争に参加できる、と主張する思想のことだろうか? アメリカのフェミニズムは女の男なみの戦闘参加を求めてきた。だが、もしフェミニズムが、女も男なみに強者になれるという思想のことだとしたら、そんなものに興味はない。わたしの考えるフェミニズムは弱者が弱者のままで、尊重されることを求める思想のことだ。だから、フェミニズムは「やられたらやりかえせ」という道を採らない。相手から力づくでおしつけられるやりかたにノーを言おうとしている者たちが、同じように力づくで相手に自分の言い分をとおそうとすることは矛盾ではないだろうか。フェミニズムに限らない。弱者の解放は、「抑圧者に似る」ことではない。
 戦争を含めてあらゆる暴力が犯罪だ、ということができなければ、DV(夫や恋人からの暴力)すら解決することができない。そしてもし、DVをなくすことに、わたしたちが少しでも希望を持つことができるなら、国家の非暴力化に希望をもってはいけないのだろうか。
(『生き延びるための思想』(上野千鶴子著)~より)
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「9・11」から6年。で、もうひとつ紹介したい詩があります。

『最後だとわかっていたなら』Tomorrow Never Comes

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白レイシ・カボチャ・大根葉・・・秋の健康野菜

2007-09-11 12:09:10 | 有機農業/野菜&ハーブ

つれあいが、軽トラで畑にあるカボチャを
収穫してきました。
夏の初めにとれるものより、味がのっていて、
色が薄いものは保存性が高く、春先まで保存できます。

種から育てたスクナカボチャもたくさんとれました。
今年は、かぼちゃと芋だけでもで冬を越せそうです(笑)。


最近、カボチャを炊く係りは、もっぱらつれあい。

料理はなんでも得意なんですが、
なぜかカボチャの煮物には手を出さなかったのですが・・・
水加減や味付けなど、だいぶ上手になりました。
  

賀茂なすはわたしの担当。
やっぱり、油で焼いて味噌をつける「田楽」がおいしい。


夏バテによい、という白レイシもとれはじめました。
グリーンの濃いのは苦味が強いのですが、
白レイシは、それほど苦くありません。
  
薄切りにして、水にさらして、いためて、
奥美濃古地鶏の卵2個でとじてみました。

感想は、「ほろ苦くてつくしの卵とじみたい」(とつれあい)。
おいしいです。

今年、初物の「桜島大根の間引き菜」。
昨年は虫くいだらけだったのですが、
今年は、場所を変えたからか、管理が良いのか、
すくすく育って、やわらかくておいしそうです。
  

半年振りの青菜。
あっという間に、ふたりで一鉢、食べてしまいました。

みどりのビタミンが体中に染みわたる、気分です。


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「真実の金額 請求は当然」/県議選ポスター費「水増し」と住民訴訟

2007-09-10 18:32:42 | 市民運動/市民自治/政治
7日に県議選のポスター製作費について、
住民訴訟を提起しました。

その日の夜のTVニュースと、8日の朝刊各紙に、
県議選ポスター費「水増し」返還訴訟の記事が載ったのだけど、
なかなか載せる余裕がありませんでした。

やっと新聞記事が整理できたので紹介します。

さいしょの中日新聞の稲熊さんの記事の視点がとってもよいです。
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  [県議選ポスター費 水増し]
「真実の金額 請求は当然」
住民訴訟の市民団体 候補者倫理を問う


2003年と今年今年4月の岐阜県議選で選挙公営制度を利用したポスター製作費の水増し請求があったとして、製作費を負担した県と古田肇知事を相手取り、「くらし・しぜん・いのち県民ネットワーク」の寺町知正代表らが起こした住民訴訟。「(仮に水増しがないとしても)公費負担があるからぜいたくなポスターを作ればよいのか」と、制度をめぐる候補者倫理を問う考えだ。       (稲熊美樹)

 訴状によると、公営制度が定める上限額の50%を超える分として、03年の選挙では50人が合わせて約1633万円、今年の選挙では47人が合わせて約1255万円を水増し請求。たとえ水増しではなくとも50%を超える分は「通常相場と比較して著しく高い」として、最小の経費で最大の効果を上げるよう定めた地方自治法や地方財政法に反するとしている。
 また県の選挙公営条例では、選挙期間の違いから、市議選の2倍の枚数分のポスター製作費を認めている。県監査委員葉8月、ポスター掲示場の2倍の枚数間出を公費負担の対象とする理由について「一回の張り替え分まで公営の対象とする趣旨」と認定した。しかし10日間の県議選で張り替える意思のある候補者はいないとして、訴状では「掲示場の数を超える枚数を請求した候補は、その越える部分につき悪意で違法に請求した」ことになるとも指摘している。
 寺町代表は提訴後、岐阜市端詰町の県弁護士会館で開いた会見で「たとえ制度そのものに問題があったとしても、真実の請求をするのが当然。これから政治家になろうとする候補者がしっかりしていれば不正は起きない」と話した。
 公営制度を利用したポスター製作費をめぐっては、県警が7月に山県市議ら7人を詐欺容疑で書類送検し、うち二人が辞職している。    
(2007.9.8中日・岐阜県版)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ポスター費水増し 2890万円返還を要求(中日・社会面)

 選挙公営制度に基づいて公費で賄われるポスター製作費をめぐり、2回の県議選で水増し請求があったとして、市民団体が7日、県と古田肇知事を相手に、候補者らに水増し分計約2890万円を返還させるように求める住民訴訟を岐阜地裁に起こした。
 訴えたのは「くらし・しぜん・いのち県民ネットワーク」の寺町知正代表(54)ら10人。
 訴状によると、選挙公営制度が定めるポスター製作費の上限額の50%を超える金額が水増し分に当たるとし、2003年と今年今年4月の岐阜県議選で、50%を超える請求を行った候補者延べ97人と印刷業者に返還させるべきだとしている。
 同ネットワークは水増し請求があったとして6月に住民監査請求したが、県監査委員が03年の選挙については却下、今年の選挙については請求を棄却したため訴訟に踏み切った。
(2007.9.8 中日新聞)

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「過去2回の県議選でポスター代水増し」と提訴  
2007年09月08日 岐阜新聞

 今春と4年前の県議選で、公費負担の選挙ポスター代に水増しがあったとして、県内の住民グループ代表らが7日、過払い分の計約2888万円を候補者らから返還させるよう古田肇知事に求める訴訟を岐阜地裁に起こした。
 訴えたのは「くらし・しぜん・いのち県民ネットワーク」事務局の寺町知正山県市議ら10人。
 訴状によると、同住民グループは、山県市議選のポスター代水増し請求事件で書類送検された市議の請求状況などを基に、公費負担上限額の50%以上の請求は水増しに該当すると判断。2003(平成15)年と今年4月の県議選で、50%以上を請求した候補者延べ97人と印刷業者に対し、知事が返還請求するよう求めている。
 同住民グループは今年6月に住民監査請求したが、03年分は却下、今年分は棄却された。寺町市議は「今の選挙公営制度に問題があるとしても原因は候補者にある。裁判所の判断で水増しを認めてほしい」としている。
 古田知事は「訴状を見て対応を検討したい」とコメントした。
(2007年09月08日 岐阜新聞)
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 県議選ポスター費水増し分 返還求め住民訴訟(読売 9月8日)
 2003年と今年の県議選で、県が公費負担したポスター製作費が相場より高く、県が候補者らに交付した製作費の一部を返還請求しないのは違法だとして、「くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク」のメンバーが7日、古田肇知事を相手取り、交付分2888万円を候補者らに返還請求するよう求める住民訴訟を岐阜地裁に起こした。

 訴状によると、返還請求の対象は2回の県議会選挙で、ポスター製作費の上限額の50%以上を超えて支払った分。03年の50人1633万円、07年の47人1255万円を返還させるよう県に求めた。
 同市民グループは今年6月、「ポスターは上限額の50%程度で製作できる」として、県監査委員に同様の住民監査請求したが、03年分は請求期限が過ぎているとして却下、07年分は不正が確認出来ないとして棄却された。
 古田知事は「訴状の内容を見たうえで対応を検討する」とコメントしている。
(2007年9月8日 読売新聞)
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 ポスター費過剰請求:岐阜知事に「返還求めよ」と住民訴訟
(毎日 9月8日)


住民訴訟の提訴について会見する住民グループの寺町知正代表(左)ら=岐阜市端詰町の県弁護士会館で7日、稲垣衆史撮影 

 公費負担される選挙ポスター製作費を、03年と07年の岐阜県議選に立候補した候補者延べ97人が計約2888万円を過剰請求していたとして、市民グループ「くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク」が7日、古田肇・同県知事を相手取り、全額の返還を当時の候補者らに請求するよう求める住民訴訟を岐阜地裁に起こした。同グループは、負担上限額の50%以上の請求が過剰だったと主張している。
 04年の同県山県市議選の選挙ポスター製作費をめぐる水増し請求事件では、詐欺容疑で岐阜地検に書類送検された県議1人(元市議)と市議5人のうち、最も少ない請求額が上限額の53%だった。このことから同グループは「上限額の50%台の請求でも水増しが疑われる」としている。
 03年の県議選で県は、候補者71人のポスター代計約4060万円を負担、うち50人の請求額が上限額の50%以上だった。今年4月の県議選でも68人分、計約3447万円を負担し、うち47人の請求額が50%を超えていた。
 同グループは今年6月、この問題で県監査委員に住民監査請求し、県監査委員は今年の県議選の候補者4人と4業者が計143万円を過剰に受け取っていたと認定した。その一方で、「不正な水増しではない」として監査請求を退けた。【稲垣衆史】
 古田肇・岐阜県知事 訴状の内容を見た上で対応を検討したい。
(毎日新聞 2007年9月8日)
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話はかわりますが、

昨日は「む・しネット」公開フォーラムのチラシ、
  
5000枚を印刷して発送しました。

東京、大阪、京都など各地の「む・しネット」議員会員にはまとめて送り、
周辺の女性センターなどの公的施設に置いてもらえるよう頼みました。
昨日までにチラシを10000枚作り、発送を終えました。

チラシの送料は、ヤマトのメール便だと、
100枚で80円(厚さ1cm以内)、
200枚だと160円(厚さ2cm以内)。
300枚になると、宅急便になり、一気に640円に跳ね上がります。

400枚でも、宅急便だと640円ですから、
ということは、200枚のメール便2通に分けて送ったほうが、
だんぜん割安(320円)、だということが分かりました。

「最小の経費で最大の効果を上げる」のは、
市民団体でも同じですから工夫しなければ、ね (笑)。

経験的に、講演会などのチラシは、100枚につき約一名の申し込みなので、
チラシを見て、100人くらいから申し込みがあればいいなと思っています。
一般の定員は、200人強なので、
まだまだこれから、いろんなところに広報が必要です。

インターネット新聞janjanの「イベントステーション」にも、
案内を載せましたので、よかったらご覧ください。


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アンデスの乙女・高砂百合・リコリス&稲の花が咲きました。

2007-09-10 13:13:45 | 花/美しいもの
9月に入って、「アンデスの乙女」が咲き始めました。

ながいこと豆のような鞘をつけていたのですが、
一昨年植えた木が、また一回り大きくなりました、

アンデスの乙女(マメ科) 


びっしりと花をつけていて、いまにも倒れそうです。


  



と、思っていたら、この雨で支柱ごと倒れてしまいました。

倒れても咲き続けるアンデスの乙女。

たくましい乙女です。

高砂百合もご近所にはたくさん咲いています。
鉄砲百合に似ているのですが、すらっとした花が横長に咲き、
種で増える百合です。

なぜか我が家の敷地内には一本もありません。  
  
昨年、つれあいが種をばら撒いたのですけど・・・・。

2度咲きしたリコリス。
一度目は撮りそこなったので、
つれあいに画像を借りてきました。

右の黄色いかれんな花もリコリスのようで???
石垣の下に咲いているのですが、植えた覚えはありません。
  

今年も、稲の花が咲きました。
咲き始めは、平年と同じ9月5日です。



    

  



朝にモミが割れて、おしべとめしべが顔を出し、
受粉が終わるとすぐに閉じてしまいます。


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