みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

医師・安福嘉則さんのこと/命をつなぐ~岐阜の医療現場から第2部「患者編」 

2008-05-11 15:17:56 | ほん/新聞/ニュース
母といっしょに東京から帰ってきて、たまった新聞を読んでいたら、
5月10日付の岐阜新聞一面の特集「命をつなぐ 岐阜の医療現場から」に
友人の医師、安福嘉則さんのことが載っていた。

連載は、第2部「患者編」だったので、
「えっ、患者編?」と思ったらタイトルは「患者になった医師」だった。
安福さんが胃がんになったことを、記事ではじめて知った。

安福嘉則さんとの出会いは、1982年頃に国連軍縮会議に向けての
核廃絶署名運動を一緒にした時だから、もう25年以上になるだろう。

彼は、岐阜大学医学部付属病院の将来を嘱望された整形外科医だった。

ほどなく安福さんは、みずから無医村の洞戸村診療所の医師になるべく、
惜しまれて、家族とともに岐阜を離れ、洞戸村に移住された。
専門は整形外科だったが、小児科や内科も学び、
最先端治療ではなく、「操体法」や「漢方」を積極的に取り入れてみえた。

友人として洞戸に訪ねていったりしていたが、
わたしが肩を痛めたときや子どもたちの病気のときも、
はるばる洞戸村まで通い、折に触れてずい分お世話になった。

子どもたちが小学校のとき、
主治医の欄には、「洞戸診療所・安福嘉則医師」と書いていた。
「山県市など近隣からも」って美山地区の人たちだと思うけど、
ひょっとしてわたしたちもはいっているかしら?(笑)

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命をつなぐ 岐阜の医療現場から 
第2部「患者編」 患者になった医師
信頼関係の大切さ知る

岐阜新聞 2008年 5月10日(土)

 昨年10月、安福嘉則さん(60)=関市洞戸通元寺=は、がん患者となった。発見されたのは早期の胃がん。すぐに手術が行われ、その月のうちに退院することができた。ゆっくりと時間をかけて食事をしなければならないこと以外は、順調に回復している。退院後のある夜、自宅で寝ていると、ふと目が覚めて思った。「誰もがいつか病気になって床に伏せるときが来る。それは私のような医者だって同じ。だからこそ助け合って生きていかないと」。これまで以上に、患者と向き合うことの大切さを強く感じた瞬間だった。
 安福さんは、住民2237人の関市洞戸地区にある洞戸診療所の所長を務める。同診療所はこの地域唯一の医療機関で、同市板取、美濃市、山県市など近隣からも、1日平均で約70人の患者が訪れる。安福さんの優しい人柄は多くの患者を引きつけ、骨折した足を診てもらった男性(70)=同市板取=は「自分の体を一番分かってくれているのは先生だけ」と信頼を寄せる。
 25年間にわたって町医者を務めてきた安福さんだが、現場を離れなければならないほどの病気は初めての経験だった。復帰するまでの約2カ月間、同診療所には、市が県へき地医療支援機構に要請して派遣されることになった県総合地域医療センター(岐阜市野一色)と中濃厚生病院(関市若草通)の医師が、一人ずつ日替わりで訪れ、地域における医療の空白を回避することができた。
 入院生活から「医療は科学だけではない。医師は自分の体をどう診てくれているのか。そう、患者は医師という人を見ている」と再認識した。「科学だけでは人の苦しみや悩みは消えない。われわれが思いやりを持って、患者と接することが大切ではないか」。医師と患者という枠を超えた「同行医療」の実現を目指している。
 玄関に一歩踏み入れると、患者がホッとできる場所―。安福さんが理想とする診療所の姿だ。患者との距離を縮めたいと、通院患者を対象にしたカラオケ大会を年数回、施設内で開催している。「歌っていると、痛いのが治まってしまうんや」という患者の一言から、1998(平成10)年に始まり、いまでは恒例行事となっている。安福さんの復帰後、初の大会が3月に開かれたときには、踊りやキーボード演奏まで披露する参加者も。患者の生き生きとした姿に、安福さんも「楽しむことが一番の薬」と笑顔で話す。
 「病院って聞くだけで何か憂うつな気分になる。でもここは違う。活気があるし、先生には気安く話せるし、楽しい場所」と、大会に参加した患者の一人。地域に根をおろした、この診療所の存在意義は大きく、患者たちにとって、なくてはならない存在となっている。

【同行医療】  医師が常に患者と同じ気持ちを持ち、医師と患者が互いに理解し合いながら病気と向き合っていく医療。現代の高齢者医療は、病気を治すことから、病気に対する不安を取り除くケアサービスとしての性格が強まってきており、医師には患者の精神的な支えとなる役割も求められてきている。


だれにも分け隔てなく接する安福さんは、
記事のように、だれからも信頼され慕われていた。

がんの手術をされて復帰したばかりのようだけど、
安福さんがめざす【同行医療】を実現するためにも、
無理をしないで、元気に回復してほしいと祈っています。

関市国民健康保険 洞戸診療所

岐阜新聞の「命をつなぐ 岐阜の医療現場から」は、
2008年の初め(正確には12月31日)から連載している特集で、
他の記事もとても読み応えがあるので、リンクして紹介します。

 命をつなぐ 岐阜の医療現場から 第1部「明日へ」  
医師の偏在や地域格差など、医療をめぐる不安が叫ばれる現代社会。
連載企画「命をつなぐ」は、県内の医療現場の課題と展望を探る。
第一部では医師や看護師側の視点で、地域医療への取り組みや思いを伝える。
 

●2007年12月31日(月)
薄れる救急の重み 小児科の時間外患者が増加
●2008年1月1日(火)
患者と心通うお産を  医師全員が主治医
●2008年 1月 3日(木)
人材確保へ育児支援  女性医師の再就業  
●2008年 1月 4日(金)
地域医療 生活環境踏まえ診断  
●2008年 1月 5日(土)
 ドクターヘリ 救命に欠かせぬ存在
●2008年 1月 6日(日)
認定看護師 心身をケア厚い信頼
2008年 1月 7日
在宅医療  往診で患者ときずな


ところで
今日は「母の日」。

ということで、北ちゃんと歯科衛生士のさちえさんから
オーラルケアセットのプレゼント。


で、わたしが東京のお土産にあげたのは、
「タカノフルーツチョコレート」
ホワイトチョコに、ブルーベリー、ストロベリー、レモン、バナナ、
マンゴー、メロンの6種類フルーツとミルクチョコレートの計7種類の
かわいいキャンディ包みのチョコです。



甘いチョコを食べてから、虫歯予防のキシリトールガムを噛みました(笑)。
  


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タカノフルーツパーラーで極上スイーツ、月の雫で豆富料理を食べました。

2008-05-10 06:00:00 | おいしいもの/食について
上野の国立博物館の薬師寺展に
日光菩薩、月光菩薩を見に行きました。
すばらしかった、の一言です。

その話は帰ってから詳しくアップするとして、
帰りに、回転寿司でお寿司を食べてからHotelに戻り、
ちょっと疲れた母を残して、
「紀伊国屋書店」に。

先月の検査入院で滞在中、
「国立博物館の薬師寺展に日光菩薩、月光菩薩を見に行くこと」
「紀伊国屋書店に行くこと」「歌わせたい男たちを観ること」
をしたいと思っていたのですが、お芝居は名古屋で見たし、
これでやっと全部の願いがかないました。

紀伊国屋書店で本を何冊か買って(重くなるけど)、
『新宿ウォーカー』を立ち読みしてたら、
スイーツの第一位がタカノフルーツパーラーだったので、
休憩がてら行ってみることにしました。

  

5階にあるパーラーは、女性たちで満杯状態。
みんな幸せそうな笑顔でパフェやフルーツを食べています。
もちろん、ほんとおいしかったです。

母も退院してほっとしたので、
その後、姉たちと3人で、新宿のデパートめぐりをしました。

夕食は、ホテル近くの「月の雫」で
豆富料理を食べました
  

   
好物のお豆腐は、作りたての極上のコクと滑らかさだったし、
  
どの料理もおいしくて、リーズナブルで、
  

  

もう、おなかがいっぱいてず。


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母が退院しました。/新宿アーバンホテルに宿泊。

2008-05-09 06:20:24 | 健康/くらし/薪ストーブetc
昨日、母が退院しました。
心配してくださった皆様、ありがとうございます。

姉たちと東京に向かい、お昼に新宿に到着、まずは腹ごしらえ。
で、ぜいたくそばを食べました。

やっぱり少しからかったです。

2時ころ病院に到着。母は支払いを済ませ、
準備万端整えて、待っていました。

主治医のK先生は診察日で会えなくて残念でしたが、
3週間後の診察日の楽しみに取っておくことにしました。

ホテルのチェックインまで時間があるので、
病院内の「松本楼」でひとやすみ。
そのままタクシーでホテルに直行。

予約したのは、新宿アーバンホテルです。

昨年、浅野さんの選挙の応援に来たときに泊まったことがあるのですが、
このホテル、10階と11階にマンション形式のデラックスルームがあるのです。

今回、泊まったのは最上階の、2LDKの和洋室。

エレベーターを降りると、すぐにドアで、
  
ドアを開けると、キッチン、その横が12畳の和室、
キッチンには、一通りのものはそろっています。
  
リビングの奥には、広いベッドルームもあります。
  

トイレとバスは独立していて、乾燥機付き洗濯機も完備。
  

  
リビングには、ソファとテーブルがあり、
ふつうの2LDKのマンションより、ゆったりしてて居住性が良いです。


これで一泊4人で26000円。
一人あたり6500円で、最大1週間まで連泊できます。

サンルート東新宿の上のマンスリーマンションも良かったけど、
4人で泊まるには、ゆったりしてて、お値打ちです。

夕食は、近くの伊勢丹デパチカで買い物して、
好きなものを買ってきて、ホテルの部屋で、退院祝いをしました。
病院に40日入院していた母も行ってみたいというので、
車椅子で、おすし屋お弁当やスイーツをを見て回りました。

夜は、母とわたしがベッドで、姉たちがお布団で寝ました。
ベッドルームは静かでしたが、とおりに面した和室は、
何せ歌舞伎町ですから、夜通し騒がしかったそうです。

4人とも5時ころに目が覚めてしまって、
わたしはブログ、母と姉は体操をやっています(笑)。



今日は、上野の国立博物館でやっている特別展、
薬師寺の日光菩薩、月光菩薩を見に行く予定。


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映画「靖国 YASUKUNI」めぐる動き/自主規制という名のファシズム(上野千鶴子)

2008-05-08 08:08:40 | 市民運動/市民自治/政治
昨夜、NHK「クローズアップ現代」で、
「映画『靖国』公開を巡りなにが?」という番組を見た。

映画「靖国 YASUKUNI」公式サイト



750万円の文化庁所管の日本芸術文化振興会の助成を受けて作成された
映画「靖国」を週刊誌が「反日映画」と取り上げ、
稲田朋美衆議院議員が映画を見たいと言い出し、
これを受けた右翼が街宣車で抗議して、映画館に上映中止を迫った。

文化庁は、「政治的なものを扱っていても政治的意図はない」と
助成金の要件を満たしているとの見解。

  
当初上映を予定していた映画館は、次々に「上映中止」を決めたが、  
   
上映の実現に向けての動きもある。


この話、どこかで聞いた筋書きだと思ったら、
福井・焚書坑儒事件や、国分寺やつくばみらい講演中止事件と同じ構図だ。

「保守系マスコミと右翼と政治家の介入」の三位一体で、
圧力をかけ自粛を迫る。

この手法、いまに始まったことではない。
昭和天皇死去の前後の自粛騒動のときや、
ゴルフ場問題などの環境問題でも経験済み。

気に入らないことがあると、言論ではなくて暴力的な手段で、
市民を「触らぬ神にたたりなし」いう不安に陥れるのが狙いだ。
そのうえ、「自主的に」中止したのだとうそぶく。

解決方法はひとつ。自粛しないでさいしょから毅然とした対応をすること。

今回の映画「靖国 YASUKUNI」めぐる動きでは、
その後、映画は上映され、月刊誌がすばやい特集を組んでいる。

『創』6月号/映画「靖国」上映中止騒動
配給強力・宣伝会社「アルゴ」担当者の思い
   
『論座』6月号/映画「靖国」騒動への疑問


『論座』6月号には上野さんも寄稿し、
ご自身が経験した具体的事例を挙げて論じている。

自主規制という名のファシズム 上野千鶴子


年寄りよ、早くくたばれ!が政治家と官僚の本音~この週刊誌がすごい71
元木 昌彦(オーマイニュース 2008-05-01 )


 ・・・・・・・月刊誌だが論座「『靖国』騒動への疑問」の中の、上野千鶴子さんの論文「『自主規制』という名のファシズム」が必読。のっけから「この国に『言論の自由』はない」で始まり、言論の自由が抑圧され、奪われていることを具体例として挙げて書き、最後にこう結ぶ。

「権力にとってノイズになる情報はシャットアウトし、情報を『自主的に』一色に変えていく……これをファシズムと言わずして何だろうか」

 この危険な時代に、大声で警鐘を鳴らすことこそ週刊誌本来の役割ではないか。怒りを忘れ、権力と対峙することを放棄してしまった週刊誌など、新聞テレビと同じではないか。



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字数が制限の1万字を越えそうなので、以下に関連の2紙だけ紹介します。

憲法記念日に表現の自由問う 映画「靖国」一般公開
朝日新聞 2008年05月03日

 論議を呼んだドキュメンタリー映画「靖国」がこの日、各地に先がけて東京・渋谷のシネ・アミューズで一般公開された。
 初回開始前から券を求めて列ができ、夜までの全上映回分が午後2時半ごろに完売。不測の事態に備え、スクリーン近くには警備員が観客と向かい合う形で座り、私服警官もそばで警戒した。夜までに英語字幕版を含めて8回上映された。渋谷署によると、大きな混乱はなかった。
 午前6時に一番乗りした東京都文京区の大学生笹木陽介さん(18)は「話題が先行したが内容は過激ではなかった。なぜ問題になったのだろう」。元裁判所書記官の男性(75)は「この内容でなぜ上映中止にしたいのか分からない。国会議員が事前に試写を求めたのは思想検閲だ」と話した。公務員の夫と訪れた都内在住の女性(51)は「上映されてよかった。これをやらないなら日本は言論の自由がない国になってしまう」と語った。
 上映を決めている各地の映画館でも準備が進む。
 大阪・十三の「第七芸術劇場」は10日から上映する。松村厚支配人は「表現の自由を守ろうという大層なことではなく、映画館は上映してなんぼ。実害がないうちに中止すべきではない」。中止要求や抗議はなく、逆に上映時期などの問い合わせが急増した。「上映中止が相次いだと思えば、報道で取り上げられ『見たい』と電話が殺到した。流されやすい空気は怖い」
 24日から上映する広島市の映画館「シネツイン2」の蔵本順子社長(57)は「内容に賛否があってもまず見てから議論するのが民主主義」。上映中止問題をめぐるメールや電話などは約200件に上る。95%は好意的内容だったが、「(上映中止に)応じないなら、こちらにも考えがある」という脅迫めいた電話もあった。でも、周辺の店やビルのオーナーらにあいさつに行くと、「気にせず頑張って」と励まされた。
 京都シネマ(京都市下京区)は6月7日から上映。神谷雅子代表は「見てどう思うかは一人ひとり違うし、映画とじっくり対峙(たいじ)してもらえれば」と話す。3月末~4月上旬に約50件の電話やメールが寄せられた。抗議的な意見も1割弱あったという。
(2008.5.3 朝日新聞)



現代かわら版
本当に怖いか 民族派政治団体 上映中止はなぜ?「靖国」に広がる波紋

 (北海道新聞 2008/04/17)

 大音量で軍歌を鳴らし、黒い街宣車がやって来るのではないか-。靖国神社を題材にしたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」(李纓(リイン)監督)が全国各地の映画館で上映中止に追い込まれているのは、民族派の政治団体などの抗議活動を恐れているためだ。上映中止は「表現の自由の危機」との声が上がり、上映を決める映画館も出てきたが、道内は苫小牧市の「シネマ・トーラス」の一館にすぎない。政治団体は、そんなに怖いのだろうか。(佐藤千歳)

記憶に過去の暴力事件
 「何をされるか分からないから、対応の方法も分からないんです」
 「靖国」の上映を一時検討したという道央圏の映画館の支配人は、民族派政治団体の怖さをこう表現した。
 これまで、政治団体が「靖国」上映に反対し、街宣車による抗議活動を行ったのは、東京・銀座の映画館一館に対してだけ。多くの映画館は「トラブルが起きる可能性がある」などと、その「影」におびえ、上映中止を決めた。
 だからといって、上映中止を過剰反応とは決めつけられない。連綿と続くテロ事件の記憶があるからだ。映画関係者が口々に言う政治団体の「怖さ」は、むしろ過去の記憶に起因しているようだ。
 一九九八年、南京大虐殺をテーマにした中国映画「南京1937」の上映中、映画の内容に反発したとみられる自称・右翼の男がスクリーンをカッターで切り裂く事件を起こした。故・伊丹十三監督の映画「大病人」も九三年、右翼の男に同じような被害に遭っている。
 映画に限定しなければ、古くは六〇年の浅沼稲次郎・社会党委員長の刺殺事件や、昭和天皇の戦争責任に言及した本島等・長崎市長(当時)の銃撃事件(九〇年)など、右翼思想を理由にした暴力事件は、枚挙にいとまがない。
 「今回も場内で暴れられ、ほかのお客さんが巻き込まれる最悪の事態だって、絶対にないとは言えない。かといって警備をものものしくすれば、他の作品の客足にも響きますし」。冒頭の支配人は困惑を深める。
 上映を決めたシネマ・トーラスの堀岡勇代表(55)も「そんなに神経質になるのはどうか」としながらも「何かあるかもしれない、という覚悟はある」と明かす。

 街宣車による活動も、関係者の懸念材料になっている。
 街頭での拡声器の使用は、条例で規制されている。札幌市の商業地域なら、音量が七五デシベル以下、時間は午前八時から午後七時まで(地域によっては午後八時まで)と決められ、違反の疑いがあれば、警察に対応を求めることができる。
 だが、音量が規制値以下だったとしても、政治団体の黒い街宣車が乗りつけただけで、地域住民の目には異様な光景に映る。映画館の周辺の住民や事業所が、騒音の被害を訴える可能性もある。
 札幌市北区の映画館「蠍座(さそりざ)」の田中次郎代表は「雑居ビルに入った映画館の場合、ビルの持ち主から『他の入居者に迷惑だからやめてくれ』と言われたら、作品の上映を続けることは現実的には難しい」と話す。
 ただ、街宣車による抗議活動がもたらすのは、恐怖というより、「うっとうしい」「うるさい」という感情を周辺の住民に巻き起こし、映画館が住民感情に配慮する、という構図。右翼対策を担当していた札幌市のある職員は「経験から言って、ばらばらに対応せず、業界で団結して方針を決め、条例に基づいて断固として対応すれば、被害を抑えられる」と話す。

 より深刻なのは、暴力への恐怖かもしれない。
 蠍座の田中代表は「右か左かにかかわらず、自分が絶対正義だという、狂信的な暴力が一番恐ろしい。その対応を映画館だけに任せ、『萎縮(いしゅく)するな、頑張れ』と期待するのは酷な話。あまりにも荷が重すぎる」と本音を漏らす。
 思想を理由とした暴力への対応を映画館任せにするのは、無責任ということだ。
 では、暴力と、それが引き起こす恐怖に社会はどう向き合うべきか。新右翼団体「一水会」顧問で評論家の鈴木邦男さん(64)を訪ねた。

<「一水会」顧問 鈴木邦男さんに聞く>
 四十年にわたって右翼・民族運動を続ける鈴木邦男さんは、映画「靖国」について「監督はよく勉強している。反日かどうかは問題ではない」と理解を示している。民族派政治団体と暴力の関係をどう考えるのか?

街宣車が右翼唯一の表現活動。発言の場与えたらやめる。
 四十年にわたって右翼・民族運動を続ける鈴木邦男さんは、映画「靖国」について「監督はよく勉強している。反日かどうかは問題ではない」と理解を示している。民族派政治団体と暴力の関係をどう考えるのか?

 ――鈴木さんは持論として、「発言の場を与えれば右翼は怖くない」と主張しています。
 「右翼を街宣車に逃げ込ませちゃいけない。右翼に思想を主張する『リング』を与えるべきです。例えば『靖国』の上映館に街宣車が来たら、『どうしてなのか』と運転席の活動家にマスコミが問いただす。駅前に街宣車の優先ゾーンを作って、右も左も好きなだけ思想を訴えさせる。そうすれば、誰も聞いていない街宣車より影響力が大きいから、右翼は街宣をやめます」

 ――右翼による暴力の恐怖はなくなると?
 「現状では、街宣車が右翼にとって唯一の表現活動です。届け出をして規制の音量を守っていれば合法です。それを『顔が怖い』『言ってる中身が怖い』と抑圧されると、暴力しかないと考えてしまう。スクリーンを切る以外に、新聞やテレビに出る手段がないと思い詰める。右翼が暴力に訴えるのは、非常に後退した理屈です。発言の場を用意すれば、思想を語れない『自称右翼』は淘汰(とうた)され、右翼の恐怖をそぐことができます」

 ――右翼団体が、昭和天皇を撮った映画「太陽」には目立った行動をとらずに、「靖国」で行動に出たのはなぜですか。
 「最初に『週刊新潮』が報道したからです。保守系の新潮が報道すると、右翼は『愛国者は何をしている?』と責められたように思ってしまう。右翼は保守系メディアを百パーセント信じますから。さらに国会議員が『反日映画』と指摘したので、国のために命を賭けている自分たちも戦わなければならない、と強く思ったんです」

 ――日本の右翼団体には「行動右翼」の流れがあり、暴力も「肉体言語」と言い換えて行使してきた歴史があります。本当に、怖くない、暴力を使わないと言い切れますか。
 「確かに、現在もテロを否定する右翼は少ない。それに右翼も多種多様です。『靖国』について右翼団体に発言の場を用意しても、百パーセント安全に上映できるとは言えません」
社会の右傾化ではない。行動で映画館を守るべき。

 ――ではどうすればいいのでしょう。
 「そこは社会が守るべきなんです。報道機関も、安全地帯から『表現の自由』と言っているだけではだめ。『靖国』の上映中止に社説で抗議した新聞社は、自社のホールで上映会をやるくらいの覚悟を持ってほしい」
 「『靖国』をめぐる問題は、一つの問題提起です。右翼団体の行動を止められなかった私自身の責任も感じています。上映中止が社会の右傾化の反映という専門家もいますが、そんな難しい問題じゃない。それ以前に、『どんな不愉快な意見でも、発言の場を与える』『レッテルを張って言論を封じない』こと。そして、映画館を『だらしない』と責めるのではなく、行動で映画館を守るべきです」

<略歴>
 すずき・くにお 1943年、福島県生まれ。大学時代から右翼・民族活動を始める。産経新聞勤務を経て、一水会代表などを歴任。釧路の日ソ友好会館建設反対運動や北方領土返還運動にも参加。著書に「愛国者は信用できるか」「公安警察の手口」などがある。
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<映画「靖国」をめぐる動き>
2006年 文化庁所管の独立行政法人が映画「靖国」に750万円の助成を決定
07年12月 「週刊新潮」が「反日映画『靖国』は日本の助成金でつくられた」と報道
08年 3月上旬 北海道から沖縄までの映画館で上映が決まる
12日 配給会社アルゴ・ピクチャーズ(東京)が、稲田朋美衆院議員(自民)らの求めに応じ、国会議員向け試写会を開催
20日 東京の映画館「銀座シネパトス」に、民族派政治団体の街宣車が押しかけ、上映中止を求めて活動
31日 東京、大阪の4館が4月12日からの公開中止を決定
4月 4日 アルゴが苫小牧のシネマ・トーラスを含む全国21館で上映すると発表
--------------------------------------------------------------


母が退院するので、今日はこれから東京に行きます。
ホテルに2泊して、明後日帰ります。

記事はホテルからアップする予定。

ではまた。

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踊子草・タツナミソウ・鯛釣草・岩ウチワ~庭の山野草2/大桑のカタクリ・ショウジョウバカマも。

2008-05-07 23:05:05 | 花/美しいもの
「連休中に整理して紹介します」とは言ったものの、
きょうが、連休の最終日。
あわてて画像を見ているものの、
どんどん賞味期限切れになっていく庭の山野草(笑)。

とはいえ、約束なので、駆け足でアップします。

まずは、庭に咲いてるわけじゃないけど、
母が入院する直前に写した、大桑のカタクリとショウジョウバカマの花。
カタクリを見ないと春が来ないと思うほど好きなんだけど、
PCのなかに眠っていました。

ショウジョウバカマ
  

カタクリの花
  



  

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こちらは庭に自生しているオドリコソウ(踊子草)。
4月から咲き始めて、まだ咲いています。

半日陰の木の下が好きなようで、どんどん増えていきます。
  
ピンクに混じって、白花も咲いてちらほら。
  

タツナミソウ・鯛釣草・岩ウチワも咲いていますよ。
  

 

 

ところで、
先日、板取に行くときに立ち寄った「ラステン洞戸」に
なんと希少種の山野草のクマガイソウがありました。

本物を見たのは初めてで、
育てられるかどうかも考えずに買ってしまいました。



ウラシマソウと、白花のエビネもありました。

花が咲いたので、また紹介しますね。


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山ちゃんの「いのちの授業」~少女の大きな決意/『いのちの恩返し』山田泉著・高文研

2008-05-06 23:23:17 | ほん/新聞/ニュース
昨日、TBS「NEWS23」で、山田泉さんの
「命の授業 がん闘病先生と白血病少女の約束」という特集を見ました。

11:05から15分くらいだったと思います。
心に残るよい番組でした。




  
乳がんが再発した、山田泉さんの「いのちの授業」を受けて、
  
命の大切さを伝えることができると気づき、
自分が白血病だということを、ともだちに話す決心をしたひなのちゃん。

「あなたにバトンタッチするからね」という山田さんの言葉に、
「はい」と答えたひなのちゃん。

山田さんもすごいけど、ひなのちゃんもすごい。


「病気になっていろんなことに気づいたことを
周りのひとにも伝えよう」
 

山田さんは痛みが強くなり、
いまはホスピスに入っていらっしゃるとのこと。

最後にアナウンサーが、山田泉さんの最新刊の
『いのちの恩返し』を紹介していました。

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『いのちの恩返し がんと向き合った「いのちの授業」の日々』
(山田泉著/高文研/1600円)


第Ⅰ章の〈インタビュー〉「団子を売るように保健室にいました」は、
『We』2007.12/1月号に掲載された友人の菅井純子さんの記事。

 


帯に推薦文を書いているのは上野千鶴子さん。


がんになり方も山ちゃん流!
まわりをすべて巻きこんで山ちゃん台風は行く。
もらいつづけ、与えつづけて疾駆する。
おーい、そんなに先を急がないでよぉ。


山田泉公式ブログ
「どげしょっかえ 豊後の山ちゃんわいわい日記」より


山田さんのブログには、
1月の福井裁判の判決の夜、山田さんに充てて書いた、
上野さんからのメッセージのことも触れられている。

 私の好きな有名人…のお話その①

・・・・・そりゃ、50万部売れてる「おひとりさまの老後」(法研)に比べたら、
ちゃんちゃらりん♪ですが、
上野千鶴子さんは、そのくらい偉大じゃあきあたりまえ。

その上野さんから、昨日、サイン入りの「おひとりさま…」が届いた!!
しかも、お手紙が入っていたもんね!
やっほ~!!感激!

『Weのインタビュー読みました。
「この菅井さんって、あの菅井さん?」て思ったら、
今、私の目の前にいて山田さんの話をしています。
お会いしたかったわあ。
カニと温泉をご一緒したら、きっと免疫力もあがったと思います。
あなたに、POWERを分けてもらった上野千鶴子より』

菅井ちゃんは福井県に住むあたしの親友。
上野さんと一緒に福井でジェンダー本撤去の裁判をして、
県を相手に楽しく闘ってるんだって。
集会の後の、夜の飲み会であたしのことが、
たまたま話題になり、その場にいた仲間でメッセージを
書いて送ってくれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ドキュメント!福井の冬は大荒れ~不当判決の一日
/音声記録情報非公開処分取消訴訟 (2008.2.5)


『いのちの恩返し』ぜひ読んでみたい本です。

今度、金沢に福井・焚書坑儒事件の情報公開訴訟の裁判にいったとき、
菅井さんに分けてもらうことにします。


山田泉さんのことは、朝日の「天声人語」にも紹介されていました。

天声人語 
朝日新聞 2008.3.27

桜前線が、ヒバリの初鳴きが、南から北へ春をつなぐ。命のリレーを見る季節に、命をめぐる言葉が聞こえてくる。厳しい病と向き合う先生から、卒業生へのはなむけである▼大阪府吹田市の元教育長、延地(のべち)和子さん(62)が「最後の授業」をした、と小紙の大阪本社版が伝えている。かつて校長を務めた中学の3年生に語ったのは、荒れる生徒を相手に体を張った思い出、若くして先立った一人娘への愛惜、病身を支えてくれる人々のぬくもり▼副腎皮質のがんが広がり、残された時間は多くない。「私の命がなくなったとき、聞いてくれた人の胸に灯(ともしび)が残れば、私は第二の人生を生きられる」。目を真っ赤にした生徒が、まっすぐに先生を見ていた▼再発した乳がんと闘う大分県の山田泉さん(49)は、昨春に退職するまで共に過ごした中学3年生を家に招いた。学年全員で9人。「このメンバーで会うのは最後かもね」と言い、「いのちの授業」の総仕上げを始めた▼この1年、各地の学校に招かれて出前授業を続けた。行く先々で、がんを病む子らと出会い、語り合ったことを、9人に話した。「隣のベッドの子と仲良くなっても、突然別れがくる。そういう体験ときつい治療を乗り越えて、1秒1秒を大事に生きるあの子たちから、私は勇気をもらった」▼漱石の『草枕』に、空に鳴き上がる春のヒバリが描かれている。昇りつめて姿が雲に消えても、声は空に残っている、と。2人の先生の声もきっと、巣立つ生徒の胸に、響きながら残ることだろう。


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純白で清楚なナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)とハクウンボク(白雲木)の花、ユリノキの花も開花。

2008-05-05 21:24:39 | 花/美しいもの

清楚で純白のナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)は大好きな花です。
今年も開花情報が新聞に載りました。

ヒトツバタゴ:見ごろ迎える--岐阜の金神社/岐阜(毎日新聞2008.5.2)
 岐阜市金町の金神社境内で、ヒトツバタゴが見ごろを迎えた。ナンジャモンジャとも呼ばれ、1センチほどの糸のように細い白い花を咲かせる。遠くからながめると、葉の上に雪が降り積もったように見える。金神社のヒトツバタゴは88年、社殿建て替えを記念して植えられた。木の芽が出るころにカラスが止まって枝を折ってしまわないよう、宮司らがカラスを追い払うなどして育ててきた。今年は例年より数日早く咲き始め、連休中は楽しめそうという。
 友人3人と訪れていた各務原市の主婦、伏屋香代子さん(71)は「やさしい感じがする花ですね」と話していた。【鈴木敬子】
(毎日新聞 2008年5月2日)


わたしも、昨年の5月5日に、
金神社のナンジャモンジャの記事を書いています。
 金神社のナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ・岐阜市)(2007.5.5)

こちらは、5月3日の毎日朝刊の一面。
最近、ナンジャモンジャがあちこちで評判になっています。

ヒトツバタゴ:新緑に白一点--名古屋城(毎日新聞 2008.5.3)

お天気もよさそうなので、さっそく撮りにいきました。

さいしょにいったのは、岐阜大学前の並木道。
やっぱり去年より開花が早いのかしら。

青空と純白の花のコントラストがステキです。
  
雪をかぶったように真っ白。


    



並木道にはナンジャモンジャにまじって、アメリカ花水木や、
  
今年はじめて見たユリノキの花も咲いています。

ちょっと高いところにびっしり咲いていて見事です。

わが家のユリノキの花もそろそろ咲くかなぁ、
あした見てこよっと。

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次に向かったのが、サッカーとテニスの試合ををしている
長良川メモリアルセンター。


前から気になっていたのですが、向かいの都ホテルの前には、
ハクウンボク(白雲木)の花が咲いています。

交通量が多いので駐車場に車をとめて、
まずハクウンボクの花を写しにいきました。

ハクウンボク(白雲木・エゴノキ科)

  
純白のハクウンボク、大好きな花です。
  
マクロレンズで写したハクウンボクの花。

(エゴノキと書いたのですがハクウンボクでした) 

メモリアルセンターのナンジャモンジャは、並木にも植えてありますが、
都ホテルをわたった入り口を入り左に歩いていくと、たくさん咲いています。。

足元には、香りのよい白い花。なんだろう?
  

芝生の植栽にナンジャモンジャがまとめて植えてあります。
さすが手入れが行き届いてて、花がびっしり咲いています。


振り返ると、金華山の上に岐阜城がくっきり見えます。





  


接写で写したナンジャモンジャの花。


マクロレンズで写したナンジャモンジャの花。

きれいでしょ。


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「なぜ?」を大切に~憲法記念日に考える/抗議に屈した自治体-茨城講演会キャンセル

2008-05-04 21:29:45 | 市民運動/市民自治/政治
今日は朝からなにか熱っぽくて、
連れ合いが、母がくるからと薪ストーブをどけたり、
ベッドが置いてある奥の部屋を片付けたりしてくれてたので、
わたしも掃除をしようと思ってたのですが、
昼から、寝てしまいました。

頭も痛かったので血圧が高いのかもと思ったら、
逆に低くて、99/59でした。

ということで、昨日、写してきた「ナンジャモンジャ」の記事をアップしよう
と思っているうちに、もう夜が来てしまいました。


岐阜大学前の並木

テニスの決勝戦をしている長良川メモリアルセンター


で、今日は、もう一つ書きたかった記事にして。
「ナンジャモンジャ」の記事はあらためて紹介しますね。

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昨日は「憲法記念日」。
新聞各紙が特集を組んだりしていたので、
とっている5紙を興味深く読みました。

その中の、毎日新聞の特集「憲法を考える」に、
つくばみらい市の講演会キャンセル事件が取り上げられていました。

もう一つ、印象に残ったのは、中日新聞の社説、
【「なぜ?」を大切に 憲法記念日に考える】です。 

ほかにもよい記事があったのですが、この二つを紹介します。

特集:憲法を考える 「ねじれ」で改憲熱冷め じわり危機、表現の自由 
毎日新聞 2008年5月3日

一切の表現の自由を保障した憲法21条が揺らいでいる。圧力や暴力がなくても、反対や抗議の前にいとも簡単に集会などを「自粛」したケースが最近、相次いだ。自由な言論は民主主義の根幹だ。三つの現場から、自粛が広がる時代の危うさを考えたい。
 ◆憲法21条【集会・結社・表現の自由、通信の秘密】
(1)集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
(2)検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
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 ◇抗議に屈した自治体--茨城講演会キャンセル 
 今年1月、茨城県つくばみらい市がドメスティックバイオレンス(DV)をテーマにした講演会を直前に中止した。DV防止法に反対する団体の抗議を受けたのが理由だった。
 講演する予定だった東京フェミニストセラピィセンターの平川和子所長は「面倒な講師は呼ばないという風潮が行政に定着するかもしれない」と集会、表現の自由を縛りかねない事態を危惧(きぐ)する。
 市は1月20日「自分さえガマンすればいいの?」と題して、DV被害者支援に取り組む平川所長に話してもらう計画だった。
 ところが「平川氏の講演会を公費で開くな」と開催中止を求める抗議文やメールが100通以上届いた。同月16日には「DV防止法は家族を破壊する」と反対している市民団体「主権回復を目指す会」の西村修平代表ら3人が市庁舎前でハンドマイクを使って抗議。市はこれを受け、中止を決めた。「反対派が会場に入って混乱を招く恐れがあった」と市側は説明する。
 中止の余波は周囲に広がり、同県つくば市の県立茎崎(くきざき)高校はデートDVについての市民団体の出前授業を「入試前の混乱を避けたかった」として中止した。
 平川所長は「DV防止法が改正されたばかりだったのに。被害者支援の大切さを伝える場を失ってしまう」と嘆く。その後、自治体などに招かれて講演すると、担当者から警備は何人必要か、などと聞かれるようになった。「日本中に事なかれや面倒という考え方がはびこると、みんなで(言論を)規制し合うことになってしまう」と話す。
 講演会の開催を求めて、つくばみらい市に2月に要請書を出した上野千鶴子東京大大学院教授(社会学)は「脅しに屈して計画をやめるという自主規制が広がっている。どこかで止めなければ」と警戒する。
 一方、反対した西村代表は「反対意見を述べさせるよう求めただけだ」と釈明したうえで「日本は言論の自由があるから、講演会をやめさせることはできない。抗議すると役所が自粛するムードはよくない」と逆に市に批判の矛先を向けた。
 新潟県長岡市は1月27日、平川氏の講演会を予定通り開いた。抗議は受けたが、会場に配置する職員を増やし「内容にいろいろ意見があるのは当たり前。爆破予告とか具体的な危害が及ぶ可能性がなければ中止する理由はない」と答えた。
 つくばみらい市は「今年度はどうするかまだ検討していない」と話すだけだ。【原田啓之】
(毎日新聞 2008年5月3日)



【社説】「なぜ?」を大切に 憲法記念日に考える 
中日新聞 2008年5月3日

 日本国憲法の規範としての力が弱まっています。現実を前に思考停止に陥ることなく、六十年前、廃虚の中で先人が掲げた高い志を再確認しましょう。
    ------------------------------------------------
 昨年七月、北九州市で独り暮らしの男性が孤独死しているのが発見されました。部屋にあった日記に生活の苦しさがつづられ、最後のページには「おにぎりが食べたい」と書いてありました。
 男性はタクシー運転手をしていましたが肝臓の病気で働けなくなり、四月まで生活保護を受けていました。病気が少しよくなり、福祉事務所の強い指導で保護を辞退したものの働けず、にぎり飯を買うカネさえなかったようです。

 忘れられた公平、平等 
 全国各地から生活に困っていても保護を受けられない、保護辞退を強要された、などの知らせが後を絶ちません。憲法第二五条には「すべて国民は、健康で文化的な生活を営む権利を有する」とあるのにどうしたことでしょう。
 国が抱える膨大な借金、将来の社会を支える若者の減少など、日本は難局に直面しています。しかし、最大の要因は弱者に対する視線の変化でしょう。
 行き過ぎた市場主義、能力主義が「富める者はますます富み、貧しい者はなかなか浮かび上がれない」社会を到来させました。小泉政権以来の諸改革がそれを助長し、「公平」「平等」「相互扶助」という憲法の精神を忘れさせ、第二五条は規範としての意味が薄れました。
 リストラでよみがえった会社の陰には職を失った労働者がたくさんいます。「現代の奴隷労働」とさえ言われる悪条件で働くことを余儀なくされた非正規雇用の労働者が、企業に大きな利益をもたらしています。
 年収二百万円に満たず、ワーキングプアと称される労働者は一千万人を超えると言われます。

 黙殺された違憲判決 
 安い賃金、不安定な雇用で住居費が払えず、インターネットカフェや漫画喫茶に寝泊まりしている人が、昨年夏の厚生労働省調査で五千四百人もいました。これは推計で実際はもっと多そうです。
 憲法には第二五条のほかに「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」(第二七条)という規定もあります。
 「なのになぜ?」-ここにもそう問いたい現実があります。
 「戦力は持たない」(第九条第二項)はずの国で、ミサイルを装備した巨船に漁船が衝突されて沈没しました。乗組員二人はいまだに行方が分かりません。「戦争はしない」(同条第一項)はずだった国の航空機がイラクに行き、武装した多国籍兵などを空輸しています。
 市民の異議申し立てに対して、名古屋高裁は先月十七日の判決で「自衛隊のイラクでの活動は憲法違反」と断言しました。「国民には平和に生きる権利がある」との判断も示しました。
 しかし、政府は判決を黙殺する構えで、自衛隊幹部の一人は人気お笑い芸人のセリフをまね「そんなのかんけえねえ」と言ってのけました。「判決は自衛隊の活動に影響を及ぼさない」と言いたかったのでしょうが、「憲法なんて関係ねえ」と聞こえました。
 イラク派遣反対のビラを自衛隊官舎に配った東京都立川市の市民は住居侵入容疑で逮捕され、七十五日間も拘置されたすえに有罪とされました。団地の新聞受けにビラを静かに入れて回っただけなのに「他人の住居を侵し、私生活の平穏を害した」というのです。
 ビラ配布は、組織、資力がなくても自分の見解を広く伝えることができる簡便な手段です。読みたくなければ捨てればいいだけでしょう。それが犯罪になるのなら憲法第二一条が保障する「表現の自由」は絵に描いたモチです。
 これでは、民主主義にとって欠かせない自由な意見表明や討論が十分できません。
 国民から集めた税金で職場にマッサージチェアを設置したり豪華旅行をするなど、「全体の奉仕者」(第一五条第二項)である公務員による私益優先のあれこれが次々明るみに出ました。
 長い間に「主権在民」(前文)が無視されて、主権在官僚のようなシステムを組み上げられてしまったのです。
 憲法は政府・公権力の勝手な振る舞いを抑え、私たちの自由と権利を守り幸福を実現する砦(とりで)です。

 国民に砦を守る責任 
 憲法を尊重し擁護するのは公務員の義務(第九九条)です。国民には「自由と権利を不断の努力で保持する」責任(第一二条)、いわば砦を守る責任があります。
 その責任を果たすために、一人ひとりが憲法と現実との関係に厳しく目を光らせ、「なぜ?」と問い続けたいものです。
(中日新聞 2008年5月3日)



おまけのナンジャモンジャ。

ではまた。

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初物のアスパラガスと赤玉ねぎ&エンドウ/野菜畑はお花畑。

2008-05-03 20:43:28 | 有機農業/野菜&ハーブ
今年は暖冬で、季節が1週間以上、まえ倒しに早いので、
連休前に春採りの野菜畑はお花畑に。
  


宮内折菜・ブロッコリー・大根の花
  
マーシュも、ほとんど花が咲きました。
  

キャベツ(春ひかり7号)は、植えたのが遅かったからかまだ小さくて、

エンドウも種を蒔いたのが遅かったので、いまが花盛り。

いろいろ蒔いて少しずつ採れ始めました。
  
赤花砂糖エンドウとツタンカーメン。
   
白花は甘くておいしいスナップエンドウです。

おとなりのソラマメはいま、

パンダウサギのようなかわいい花が咲いているところ。
  
収穫は6月です。

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雨がたっぷり降れば一気に大きくなるのだけど、
連休にはたくさん採れるアスパラガスも、なぜか今年は出るのが遅め。
 
山すそに植えたアスパラは、モグラに荒らされ根が切られて草に負け、
畑のアスパラは、株が古くなってきたので更新しました。

来年にはどっさり採れるでしょう。

昨日は、初物のアスパラガスを食べました。

お昼のおかずには、初物の赤玉ねぎのスライス。 
  
アスパラ、エンドウ、赤玉ねぎは、これから一気にとれはじめます。


旬の野菜は、ばっかり食でも飽きないおいしさです。


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母が驚異の回復で退院決定。うれしい!感謝!

2008-05-02 17:37:02 | 健康/くらし/薪ストーブetc
10日ぶりに母の入院している東京女子医大病院に行ってきました。
連休中だけど、主治医のK先生の診察日なので
「母が退院できそう」という、東京発の情報を確認もしたいし・・・。

と、いつもより早く起きてきて、つれあいの淹れてくれたコーヒーを飲んで、
そこらにあった、チョコビスやお菓子をマイバックに入れて、
いざ出発(あ、お茶も準備してくれてたのでした・嬉)。
体調が万全でないわたしを気遣ってくれてるみたいです。


では、元気になった母の顔を見に行ってまいります。


つれあいに岐阜駅まで車で送ってもらって、
名古屋で乗った新幹線は全席禁煙「N700系のぞみ」です。
思わず写真を撮りました。

指定席を買ったのですが、お隣は大きな男性で窮屈だったので、
自由席を見に行ったら、なんとガラガラ。で移動しました。
全席の窓側には、コンセントがついています。
  
「パソコンを持ってこればよかった・・・」、なんと悲しいサガでしょう(笑)。

ノートPCの代わりに持ってきたのは、
茂木健一郎の『思考の補助線』(ちくま新書)
NHKプロフェッショナル「仕事の流儀」などで軽い感じの茂木さんですが、
けっこう読み応えのある本も書いてるのです。

ブログ「茂木健一郎 クオリア日記」

おおむね読み終わったころ東京に到着。
わき目も振らずに中央線快速に。
こちらも空き空きガラガラです。

いつもの新宿駅西口に着いたらバスが来ていたので飛び乗って、
あっという間に、母の入院している東京女子医大に到着。
きっと最短記録です。

病室に入ると、なんと別れた時とは大違いの
母の元気な笑顔が出迎えてくれました。

86歳の母曰く。
「インスリノーマがなくなって、頭もさえてきたみたい」。
わたしが書いた「経過報告」や一連の病院のファイルを初めて読んだそうで、
「みどりさん、いのちを助けてくれて本当にありがとう」。
思わず泣きそうになってしまって、
「こちらこそ。頑張って元気になってくれてありがとう」
「せっかく手術してもらった命なんだから100まで生きようね」。

同室の方が替わってて、昨日手術したばかりとのことなので、
ディルームで、つづきのおしゃべりしました。

手術後3日間は予想以上につらくて、
「こんなことなら手術しなきゃよかった」と思っていたこと。
でも、ICUで見た夢は、高倉健と郡上踊りを踊ったり、
高級料亭のお茶会に招かれたり、すごく楽しい夢ばかりだった話・・・。
「いまは手術して元気になれて本当によかった」と思っていること。
ひとしきり母の病院生活をライブで聴いた後で、

「お母さんはこれからどうしたいの?」

「先生もいつ退院してもいいとおっしゃったから8日の午後に退院したい」
「退院してからはみどりさんのとこに行きたい」。

ということで、母の希望を姉たちにも報告して、当面わが家にくることに決定。

とはいえ、
つれあいの選挙と、母の手術が重なって、
わたしも原因不明の発作性の高血圧と頻脈があり、
甲状腺や副腎の検査等をしているとこで無理もできず、
広いはずの家のなかは、いまだ書類や新聞の山。
来てくれるのはうれしいけど、うー、急いでお掃除しなくちゃ・・・・。
ま、人が来るときれいになるのが常ですから、
一週間あれはナントカなるさ。

夕方、もう会えないと思ってた主治医のK先生が病室に来てくださって、
一日も早く帰りたい母の希望どおり「8日に退院」の許可も下りて、
ノートに書いておいた質問にも丁寧に答えていただけて、感謝。
「ありがとうございます」。
なんどお礼を言っても、いい足りません。
うれしい一日でした。

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午後7時発の新宿西口行きのバスに飛び乗ってから、
そういえば昼ごはん食べてないんだった、
と、きゅうにお腹が空いてきました。

新幹線の中でおいしいもんを食べようと、
新宿5丁目で途中下車して、伊勢丹新宿店のデパチカヘ。

真っ先に目に入ったのが、前に食べておいしかった「キハチロール」。
この前、姉と来たときは「ハーフ」が売り切れで断念、
したことを思い出し、発作的に残っていた「3個」を買い占め。

いくらおいしくても「キハチロール」は新幹線の中では食べらません。

お惣菜コーナーに移動して、お弁当の老舗の「日本ばし大増」で、
一番人気の(というPRにつられて)「葉山」を閉店割引でゲット。

中央線に飛び乗って、東京駅で待ち時間なしで『のぞみ』に滑り込み。
ごはん少な目のお弁当は、薄味で、掛け値なしにおいしかった。


10時過ぎに岐阜駅に着いて、その足で「キハチロール」を姉の家まで届け、
「当日期限」のキハチロールは冷蔵庫で一晩眠って、
朝ごはんに再登場。
  



甘いものが苦手なともちゃんもロールケーキは好物なので、
ふた切れずつ完食。おいしかったです。

今日は朝から姉たちと、うれしい報告をかねて、今後の相談をしました。


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