夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『クレイヴン・ザ・ハンター』

2024年12月25日 | 映画(か行)
『クレイヴン・ザ・ハンター』(原題:Kraven the Hunter)
監督:J・C・チャンダー
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン,アリアナ・デボーズ,フレッド・ヘッキンジャー,
   アレッサンドロ・ニヴォラ,クリストファー・アボット,リーヴァイ・ミラー,ラッセル・クロウ他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
席に着こうとしたら後方から呼ばれたような気がする。振り返ると飲み友だちの兄さんがいらっしゃいました。
来られるとわかっていたらお貸しする予定だった本を持ってきたのに~と思いつつ、
そうそう、この頃ご連絡をいただいても私はいつも別の劇場に行っていたのでした。
代わりにその日読み終わったばかりの本をリクエストもされていないのにお貸しすることに(笑)。
 
“クレイヴン・ザ・ハンター”はマーベル・コミックで“スパイダーマン”の宿敵として登場するヴィランなのだそうです。
ヴィランだけど、今の時点では正義の味方という感じがします。
 
それよりも何よりも気になるのは、クレイヴン・ザ・ハンター役のアーロン・テイラー=ジョンソンでしょ。
めっちゃイケメンの34歳なのですけれど、ハタチそこそこのときに結婚しているんです。ふた回り近く年上の、自分の出演作の監督と。
うぶなイケメンがバツイチ子持ちの四十路半ばにさしかかった女にロックオンされたとしか思えなくて、いつも震える(笑)。
 
クレイヴンとディミトリ兄弟の父親は、裏社会に君臨するギャングのボスであるニコライ・クラヴィノ。
もっとも、ディミトリはニコライの愛人の子で、クレイヴンとは腹違い。
ふたりは大の仲良しだが、クレイヴンが賢く強く逞しい一方で、ディミトリは軟弱。
ニコライは自分の跡継ぎとしてクレイヴンを考えており、ディミトリにはほとんど目を向けない。
父親の所業に疑問を持つクレイヴンは、後継者になるつもりなどない。
 
ある日、ニコライに連れられて狩りに出かけたふたり。
伝説のライオンを狩って自らが伝説になろうとしていたニコライだったが、そのライオンがクレイヴンの前に現れる。
銃で狙いを定めたクレイヴンは、やがてその銃を置き、ライオンと見つめ合う。
武器など持たずともライオンを抑えることに成功したかのように見えたとき、背後からニコライが撃つ。
 
怒ったライオンはクレイヴンを攻撃して傷を負わせ、そのまま咥えて走り去ってしまう。
ライオンの血が1滴、クレイヴンの身体の中へ。
瀕死のクレイヴンを助けたのは、たまたまその場を通りかかったアフリカのとある部族の娘カリプソ。
彼女は祖母から受け取った秘薬をクレイヴンに飲ませると、救急車を呼ぶ。
 
法的には3分間の死を経て息を吹き返したクレイヴンは、百獣の王の力を宿していた。
その力を用いて、動物の密猟で稼ぐ裏社会の権力者たちを狩りはじめて……。
 
この兄ちゃんの嫁がアラ還って。という思いに終始つきまとわれながら観ました(笑)。
 
冷酷な父親ニコライ役にはラッセル・クロウ
そして驚いたのはアレッサンドロ・ニヴォラ。エンドロールを見るまで彼とは気づかず。
昔はかなり色っぽいイケメンだったのに、いつのまにこんな変態の似合うオッサンに!?
クレイヴンと対決する本作のヴィラン、ライノを演じていたのが彼だったなんて。
 
弱っちいディミトリが強くなりたくて妙な医者に頼るのは予想どおり。
いずれ兄弟が憎み合い、バトルすることになるのでしょうね。
 
とっても面白かったです。続編にも期待。

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『くすぶりの狂騒曲』

2024年12月24日 | 映画(か行)
『くすぶりの狂騒曲』
監督:立川晋輔
出演:和田正人,駒木根隆介,辻凪子,永瀬未留,徳井義実,岡田義徳,時岡司,吉田壮辰,
   東虎之丞,柾賢志,大村わたる,高津戸信幸,重岡漠,金森規郎,伊勢村圭太,平岡亮他
 
前述の『ドリーム・シナリオ』を観終わり、109シネマズ大阪エキスポシティからイオンシネマ茨木へ移動。
 
もともと落語が好きで、たまに寄席には足を運んでいましたが
なんばグランド花月(NGK)は未体験ゾーンでした。
中学生か高校生ぐらいのときにうめだ花月に行ったことはあるけれど、その後は記憶なし。
両親が新喜劇を観なかったせいか、私も新喜劇に興味を持つことなく、
『よしもと新喜劇 映画 商店街戦争 SUCHICO』(2016)を観たときに、へ~、こんななのねと思いました。
 
の闘病生活が始まった折、なんだかとても笑いたい心境に陥り、
弟にも話したら、「行ってきたらええやん。行っておいでよ」と言われ、私のNGK通いがスタート。
今は少なくとも月2回、多ければ週1以上のペースで月5回のときもあります。
 
そんな感じではあるものの、お笑いに関してはまだまだ初心者で、芸人の名前もあまり知りません。
NGKに出演している芸人か、テレビで頻繁に見かける芸人しかわからない。
だから、NGK以外を拠点に活動している芸人さんと言われても全然ピンと来ないけれど。
 
本作は大宮ラクーンよしもと劇場で“大宮セブン”と呼ばれた芸人たちの下積み時代の軌跡。
ドキュメンタリーではなく、実在の芸人を俳優が演じています。
 
高校の同級生同士で漫才コンビを組むタモンズ。
ネタ作りとツッコミ担当の大波康平(和田正人)とボケ担当の安部浩章(駒木根隆介)は、
2006年にこの世界で活動しはじめたが、東京でさっぱり売れぬまま。
2014年にさいたま市大宮区で創業した大宮ラクーンよしもと劇場で、
囲碁将棋、マヂカルラブリー、GAG、すゑひろがりず、ジェラードンと共に“大宮セブン”と名付けられ、活動を開始する。
 
客がひとりいるかどうかというときもあり、くすぶりつづける彼ら。
しかし支配人の名越総一郎(徳井義実)は「焦るな。結果は後からついてくる。おまえらオモロイんやから」と言い……。
 
お笑い芸人を主人公にした作品の舞台シーンで笑えた試しがありません。
それは本作でも同じこと。大阪弁がビミョーだったりもしますし。
いちばん笑ったのはヤクルトと「あいつら何のネタしとってん?」ですもの(笑)。
 
わざわざ劇場で観るほどだったかなと途中思ったのも事実ですが、最後まで観ればやっぱりよかった。
客を笑わせるために、けれど、自分たちのスタイルを守って。
頑張ってや~と心から言いたくなりました。
 
こうして私のNGK通いは続くのでした。みんなを応援!

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『銀魂オンシアター2D 金魂篇』

2024年12月19日 | 映画(か行)
『銀魂オンシアター2D 金魂篇』
監督:藤田陽一
声の出演:杉田智和,阪口大助,釘宮理恵,ゆきのさつき,南央美,島田敏,高橋美佳子他
 
TOHOシネマズ西宮にて5本ハシゴの4本目。
そろそろ酒も抜けてきた頃。スルーしかけていた作品だけど、本目と5本目の間を埋めるのはこれしかなく。
 
“銀魂”も劇場版しか観たことがないんです。
だから、毎回劇場版を観るたびに、おおっ、これがエリザベスか!とかサダハルか!と思う(笑)。
「オンシアター2D」とはどういうことかもわからず、観終わった今もわかりません。
だからまたまた本作を観ただけの理解であらすじを書きます。
 
しばらく不在にしていた坂田銀時が“万屋銀ちゃん”に戻ってみると、
看板は“万屋金ちゃん”に変わり、新八も神楽も銀時を初めて見るような態度で客として扱う。
どうなっているのだと思っていると、主人を名乗って坂田金時なる男が現れる。
 
見た目も着るものも銀時に瓜二つだが、天パーの銀時に対して金時はストパー。
何でも解決する万屋のうえに、金回りもよくて借金なし。町の人々から絶大な信頼を置かれている様子。
誰も銀時のことを知らず、DVD60巻の主人公もなぜか丸ごと金時に変わっていた。
 
実は金時はからくり人形。
新八と神楽が銀時の弱点短所をすべてクリアしたからくり人形の製作をからくり屋に依頼。
その結果、できあがったのが金時なのだが、金時は人々の記憶をすべて塗り替えていたのだ。
こうしてみんなから忘れ去られた銀時は……。
 
何も知らずに観たわりには、話についていけないこともなくてまぁまぁ楽しめました。
けど、エンドロールが終わったと思うとまた始まる話にちょっと引き気味。
え、まだあるん、いつまであるん、もうええからはよ終わって、と心の中で願いました。
 
来年2月にはまた別のなんたら篇があるそうなんですが、それは観に行くかどうか迷うなぁ。
サダハルのことは気になるけれど。

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『コール・ミー・ダンサー』

2024年12月14日 | 映画(か行)
『コール・ミー・ダンサー』(原題:Call Me Dancer)
監督:レスリー・シャンペイン,ピップ・ギルモア
 
年末が近づいたせいか、夕方の新御はかなり渋滞しています。
でも19時すぎからの回ならなんとか間に合うだろうとテアトル梅田へ。
 
インド出身のダンサー、マニーシュ・チャウハンに密着取材したドキュメンタリー作品。
全然知らなかったことですが、インドではダンスって金持ちの趣味という認識らしい。
伝統的な民族舞踊を踊る金持ちはいても、有給で踊る仕事はなし。
有給で踊りたければボリウッド作品に出演するしかないそうです。
 
そんななか、金持ちでも何でもない家庭に生まれたマニーシュは、
18歳のときに観たボリウッド作品でダンスに魅入られます。
独学でストリートダンスのトレーニングを積み、ダンスで身を立てたいと考える。
 
タクシー運転手の父親は、その仕事を息子に継がせる気はないから、
必死で金を工面して大学に進学させ、良い仕事に就いてほしいと思っています。
なのに息子はダンサーになりたいと言う。
ダンスで稼げるわけがないと母親も思っているし、それはいたって普通の考え。
マニーシュには妹もいて、金がなければ嫁がせることもできないのです。
 
マニーシュは通いはじめたダンススクールでクラシックバレエの素晴らしさを知りますが、
ダンスはダンスでもバレエダンサーなんてインドではありえないぐらい珍しいこと。
だけど、結局は家族みんなでマニーシュを応援します。
 
スクールの講師を務めるイスラエル系アメリカ人のイェフダ・マオールは、
彼に素質を感じてプロのダンサーになれる道を探します。
なにしろダンスを始めたのが18歳とは遅すぎて、時間がありません。
絶望的な気持ちになることもあるけれど、マニーシュもイェフダもあきらめない。
 
人間、信念を持って続ければなんとかなるのだと思わされます。
夢が叶った人だからこうして映画になる。
夢破れた人だっていっぱいいるはずだけど、夢を失わずにいたいもの。
 
夢を失いかけている人に観てほしい作品です。

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『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』

2024年11月30日 | 映画(か行)
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(原題:Gladiator II)
監督:リドリー・スコット
出演:ポール・メスカル,デンゼル・ワシントン,ペドロ・パスカル,コニー・ニールセン,ジョセフ・クイン,フレッド・ヘッキンジャー,
   リオル・ラズ,デレク・ジャコビ,ティム・マキナニー,ロリー・マッキャン,ピーター・メンサー,マット・ルーカス他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、IMAXレーザーGT版を鑑賞しました。
 
リドリー・スコット監督の『グラディエーター』(2000)から四半世紀近く経ちました。
あくまでもリヴァー・フェニックスの弟としか認識していなかったホアキン・フェニックスが、
あの作品で怪演を見せて一流役者の仲間入り。
いまや“ジョーカー”といえば彼だし、今はもう兄ちゃんが誰かすら知らない人も多いでしょう。
 
で、なんでこんなに年月が経ってから続編をつくるねんという疑問が先に立つ。
87歳になったスコット監督にこんな超大作を撮る元気がまだあるとは。
最期に派手なやつをぶちかまそうと思ったのかしらと邪推しましたが、いやはやお見それしました。
 
前作の登場人物たちは死んでいますから、ラッセル・クロウもホアキンも出てこない。
ただ、たまに映し出される前作のシーンを観ると、ラッセル、太ったなぁと思うばかり。
前作から引き続き登場しているのは、ラッセル演じるマキシマスの恋人ルッシラ役だったコニー・ニールセン
歳を取ったとはいえ、同じ役で美しいまま四半世紀ぶりの続編に出られるのは凄いですね。
 
マキシマスとルッシラの間に生まれたルシアスは、ローマ皇帝の血を引く者ゆえに命を狙われるだろう。
わが子を危険にさらしたくないと、ルッシラはルシアスの身分を伏せて安全な土地へと送り込む。
生きてまた会える日が来るかどうかもわからないまま離ればなれとなった母子。
 
亡命したルシアスがハンノという名前で暮らしていたのはヌミディア。
妻アリサットと共に平穏に暮らしていたが、ある日、ヌミディアにもローマ軍が侵攻する。
ヌミディアを渡してなるものかとハンノたちは応戦するが、
ローマ軍を統率する将軍アカシウスに太刀打ちできずに敗北。
しかもアリサットはアカシウスによって放たれた矢に射られて死んでしまう。
 
ハンノをはじめとするヌミディアの人々は蛮族と見なされてローマで投獄されるが、
現ローマ皇帝の余興に出場する剣闘士“グラディエーター”を探す奴隷商人マクリヌスがハンノに目を留める。
兄弟皇帝ゲタとカラカラが用意した剣闘士と戦ったハンノは、観客の予想を裏切って次々に勝利を収める。
 
ハンノがマクリヌスに従った理由はただひとつ、アカシウスに復讐するため。
しかしアカシウスは独裁政治を進めるゲタとカラカラを亡き者にしようと謀反を企てていた。
アカシウスを悪人と信じるハンノがそんなことに気づく由もない。
 
ところが闘技場でハンノを見たルッシラがハンノこそ別れた息子ルシアスだと気づく。
今はアカシウスの妻であるルッシラは、ルシアスを救出してほしいとアカシウスに頼み込み……。
 
予告編を観たとき、どうして主演がポール・メスカルなのだろうと思いました。
だって彼といえば今春観た『異人たち』で、優しく穏やかなイメージしかなかったから。
『異人たち』は今年観たなかでベスト10に入れたいぐらい好きだけど、
それは作品として好きなだけで、ポール・メスカルがタイプなわけじゃあない。
だから、イマイチな結果に終わるのではないかと思っていたら、めっちゃカッコよかった。
 
アカシウス役のペドロ・パスカルの顔が最初は悪人にしか見えなかったのに、
侵攻は極悪兄弟皇帝の命令に従わざるをなかっただけで、本当は侠気あって信頼できる奴。
愛する妻と尊敬するマキシマスの間に息子がいたことも知っていて、なんとかルシアスを逃がそうとします。
 
とてもよかったのは、負傷したグラディエーターたちの手当をする医者ラヴィ。
彼役のアレクサンダー・カリムはテレビドラマ中心の俳優らしくて、
今までに見たことはないし、今後出演していても素顔ではわかる自信もないけれど、
ハンノ=ルシアスだと知る前からハンノのことを気にかけ、ふたりで会話する様子がとてもよかった。
 
デンゼル・ワシントン演じるマクリヌスは結局どうしたかったのか。
元は自身もグラディエーターだったという彼は這い上がって頂点に立つことを夢見る。
対するルシアスは、誰もが法に守られつつ安心して暮らせることを夢見る。
後者が皇帝だったならばどこの世界も丸く収まるはずだけど、
これまで虐げられてきた前者がそれで納得するのは難しいだろうとも思えます。
 
ひとつひそかにウケてしまったのは、あんなにも母親を拒絶していたルシアスが
180度態度を変えて「お母さん!」となるところですかね。(^^;
 
「赦す」ということ。

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