『モンドヴィーノ』(原題:Mondovino)
監督:ジョナサン・ノシター
キャッチコピーは「誰かに話したくなる、ワインの話」。
関西では先週末に公開されたドキュメンタリー作品で、
ソムリエでもある監督が、ワイン業界の裏側に迫ります。
封切り初日の特典はワインではなく、プーアール茶のティーバッグ。
出演者は多数ですが、ワイン造りに対する考え方で
ほぼふたつに分類することができます。
一方は「ワインのグローバリゼーション」を唱え、
「どこででも売れるワイン」を造ることを第一とする人たち。
もう一方は風土に根ざした「地味」(=テロワール)を重んじる人たち。
前者の代表として、ミシェル・ロランとロバート・パーカー。
ロランは世界を飛び回って大衆の好むワインを生産し、
困窮する造り手には売れるワイン造りをコンサルティング。
パーカーは言わずと知れたワイン評論家。
彼が高得点を与えたワインは凄い売れ行きを見せるため、
彼に評価してもらえるようなワインを目指す造り手も多いそうです。
後者の代表は、エメ・ギベールやド・モンティーユ一族など、
フランスの造り手たち。「テロワール」にこだわって、
大衆に媚びないワインを造り続けます。
意図的になのか、前者を捉えたときのほうが
カメラのぶれが激しかったり、
後者の背景には鳥のさえずりが聞こえていたりするので、
監督自身はテロワール派なのかと思いますが、
さほど作為は感じられず、フェアに描いている気がします。
劇場内に置かれていたリーフレットに、
本作についての放送作家の方のこんなコメントが。
「テーブルワイン1本分のお金を払って、この映画を観る。
たぶん、次から飲むワインの味が変わるでしょう」。
うまいこと言うなぁと思いました。
実際、観賞後におじゃましたお店でタイムリーに
同じブドウのフランスワインとカリフォルニアワインを出してくださいました。
「お、こっちがテロワール、こっちがパーカー好みやな」と考えながら飲むのは幸せ。
でも、どっちもおいしいんだもの。
どっちがいいかなんて決められない。
気になっていることがひとつ。
アルゼンチンの造り手が、痩せた土地で生活のために仕方なく造るワイン。
「なかなかうまく熟成してるだろ」と差しだされたワインを
テイスティングする監督。その表情がビミョーでした。
あれって、首を捻った顔に見えましたけれど、おいしくて唸った顔ですか。
「唸る」と「捻る」ってよく似た字だけど、紙一重!
監督:ジョナサン・ノシター
キャッチコピーは「誰かに話したくなる、ワインの話」。
関西では先週末に公開されたドキュメンタリー作品で、
ソムリエでもある監督が、ワイン業界の裏側に迫ります。
封切り初日の特典はワインではなく、プーアール茶のティーバッグ。
出演者は多数ですが、ワイン造りに対する考え方で
ほぼふたつに分類することができます。
一方は「ワインのグローバリゼーション」を唱え、
「どこででも売れるワイン」を造ることを第一とする人たち。
もう一方は風土に根ざした「地味」(=テロワール)を重んじる人たち。
前者の代表として、ミシェル・ロランとロバート・パーカー。
ロランは世界を飛び回って大衆の好むワインを生産し、
困窮する造り手には売れるワイン造りをコンサルティング。
パーカーは言わずと知れたワイン評論家。
彼が高得点を与えたワインは凄い売れ行きを見せるため、
彼に評価してもらえるようなワインを目指す造り手も多いそうです。
後者の代表は、エメ・ギベールやド・モンティーユ一族など、
フランスの造り手たち。「テロワール」にこだわって、
大衆に媚びないワインを造り続けます。
意図的になのか、前者を捉えたときのほうが
カメラのぶれが激しかったり、
後者の背景には鳥のさえずりが聞こえていたりするので、
監督自身はテロワール派なのかと思いますが、
さほど作為は感じられず、フェアに描いている気がします。
劇場内に置かれていたリーフレットに、
本作についての放送作家の方のこんなコメントが。
「テーブルワイン1本分のお金を払って、この映画を観る。
たぶん、次から飲むワインの味が変わるでしょう」。
うまいこと言うなぁと思いました。
実際、観賞後におじゃましたお店でタイムリーに
同じブドウのフランスワインとカリフォルニアワインを出してくださいました。
「お、こっちがテロワール、こっちがパーカー好みやな」と考えながら飲むのは幸せ。
でも、どっちもおいしいんだもの。
どっちがいいかなんて決められない。
気になっていることがひとつ。
アルゼンチンの造り手が、痩せた土地で生活のために仕方なく造るワイン。
「なかなかうまく熟成してるだろ」と差しだされたワインを
テイスティングする監督。その表情がビミョーでした。
あれって、首を捻った顔に見えましたけれど、おいしくて唸った顔ですか。
「唸る」と「捻る」ってよく似た字だけど、紙一重!