夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『イン・ハー・シューズ』

2005年11月24日 | 映画(あ行)
『イン・ハー・シューズ』(原題:In Her Shoes)
監督:カーティス・ハンソン
出演:キャメロン・ディアス,トニー・コレット,シャーリー・マクレーン他

上映開始時間の20分前に突如観に行こうと思い立ち、
ほぼ起きたままの恰好で車を飛ばしました。
映画館が近所にあるって幸せだけど、
ハンカチを忘れてティッシュで涙をふくはめに。

ローズとマギーは何もかもが正反対の姉妹。
妹のマギーはスタイル抜群の美人で男性関係もド派手。
姉のローズは弁護士として成功しているが、
容姿にはまるで自信なし。ともに未婚。
幼い頃に母を亡くし、現在ローズはひとり暮らし、
マギーは父や継母とともに暮らす。

ある夜、泥酔状態のマギーが継母に追い出されたため、
ローズは仕方なく自分のマンションへマギーを連れ帰る。
文無しのままで居座られては困ると、
ローズからうるさく言われたマギーはなんとか就職。

ところが、ついいつもの男癖が出て、
ローズの恋人ジムまでもベッドに誘ってしまったマギー。
現場を目撃したローズは半狂乱、マギーを放り出す。
行く当てのないマギーは父の抽斗から見つけた手紙を頼りに
母の死亡以来会っていない祖母のエラを訪ねて
フロリダの施設に向かうのだが……。

男くさい作品に定評のある監督ですが、
女性の描き方もうまいです。
キャメロン・ディアス演じるマギーなんて、
最初は女の敵も敵、腹立たしいぐらい。
だけど、ノーテンキに見える彼女が実は読書障害を持ち、
劣等感に押しつぶされそうになっている様子にキュン。
ローズ役のトニー・コレットは『シックス・センス』(1999)で
あの母親役を演じた人で、いつも「参りました」。
姉妹、そして祖母の心の傷に共感を持たされます。

ローズと同僚サイモンの食事のシーンが好きです。
落ち込むローズを寿司屋に誘ったサイモンは
ローズに一切注文をさせず、ひとりで全品注文。
何も決めさせないつもりかとぼやくローズに
「僕は注文の天才なんだ」と。
ローズに最近行ったレストランはどこかと尋ね、
「僕ならそのレストランではこれを頼む」と
細かなメニューを挙げ始めます。その美味しそうな響き!
そして、「僕と一度外食すれば、一生一緒に食事したくなるよ」。
言う人によっては「アホか」と言いたくなりますが、
本作ではとってもいい口説き文句でした。

「自分にぴったりの靴を見つけたとき、その人生は完璧になる」。
これはスペイン作品の『靴に恋して』(2002)の台詞ですが、本当かも。

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