夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラン・ファットボーイ・ラン 走れメタボ』

2009年06月19日 | 映画(ら行)
『ラン・ファットボーイ・ラン 走れメタボ』(原題:Run, Fatboy, Run)
監督:デヴィッド・シュワイマー
出演:サイモン・ペッグ,タンディ・ニュートン,ハンク・アザリア,
   ディラン・モーラン,ハーリッシュ・パテル他

人気ドラマ『フレンズ』のアメリカ人俳優(大学教授役)が
初監督を務めたイギリス作品ですが、日本ではビデオスルー。
主演のサイモン・ペッグはよく脚本も手がけ(これとかこれとか)、
日本でいうところの宅間孝行みたいな存在。
けれど、アホ度ではサイモン・ペッグが追随を許さず、
しかもそこにただならぬ知性まで感じるからスバラシイ。

ロンドンにて。
デニスは、恋人のリビーとデキちゃった婚のはずが、
挙式当日に逃走してしまう。

それから5年後。
ランジェリー店に警備員として勤務するデニスは、
オカマの万引き犯を追うが、たっぷんたっぷんに出た腹ではツライ。
余裕のオカマに「デブ!」とおちょくられ、
やっとショーツを奪還して店に戻ると、
店員は「ブラジャーは?」と冷ややかな顔。

リビーは、身重の自分を見捨てた男であるにもかかわらず、
息子のジェイクにはデニスと過ごす時間も与えている。
なぜ逃げてしまったのか、デニス自身にもわからず、
リビーには未練たっぷり、ジェイクのことも可愛くて仕方がない。
ぐずぐずしているうちに、リビーに新しい恋人が現れる。

二枚目で金持ち、マッチョなその男はウィット。
ウィットになくてデニスにあるのは出た腹だけ。
ジェイクもいつのまにかすっかりなついている様子。
ウィットがロンドンマラソンに出場すると聞き、
デニスは愛を取り戻すため、自分も走る決意をするのだが……。

チャリティ性の高いロンドンマラソンの仕組みがわかって面白いです。
デニスが出場を決意したのはすでに申込の締め切り後。
それでもなんとか出場する手段というのがあって、
スポンサー枠を確保している団体に片っ端から問い合わせます。
しかし、その枠で出場すると、着ぐるみをかぶらなあかんとか、
目が点になりそうなキャッチコピー付きのシャツを着なあかんとか、制約さまざま。
何のために走るのかによって変わってくるでしょうが、
どれなら自分が許容できるかと考えてみるのも楽しいもの。

コメディ×スポ根×ファミリードラマで、笑いあり、涙あり。
インド人の大家や、色っぽくて手厳しいその娘、
完走に全財産を賭ける悪友などの脇役陣もワラかしてくれます。
ただのおバカ映画と侮るなかれ。

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