夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『18倫』

2009年06月09日 | 映画(さ行)
『18倫』
監督:城定秀夫
出演:田代さやか,河合龍之介,森谷勇太,こばん,紗奈他

もう1本、青年向けコミックの映画化作品を。
松本タカ原作、『ヤングチャンピオン』に今も連載中です。

名門お嬢様学校、白百合川女子学園の優等生で、医学部志望の倫子。
メイドとコック長までいる豪邸で暮らす。

ところが、ある日帰宅すると、ドアに「差し押さえ」の文字が。
意味を理解できないまま家に入ると、テーブルの上に父からの置き手紙。
「父さんの会社は破産した。母さんに話したら、
お金のない父さんに興味はないと、愛人と出て行ってしまった。
おまえは今日からひとりで生きてくれ。すまない」と。

倫子はとりあえずビジネスホテルへ。
しかし、手持ちのクレジットカードはすべて停止。
仕方なく、近くの公園の遊具の中で新聞紙にくるまって眠る。

自立して立派な医者になると心に誓った倫子は、
新聞の求人情報欄に片っ端から当たるがどこも不採用。
最後に望みを託して訪れたのは「バール企画」。
そこはなんとアダルトビデオの制作会社で……。

同じく人気コミック実写シリーズの『すんドめ』(2007)が
アンマリな出来だったものですから、本作も期待薄。
観始めたときの印象は「やっぱりムリかも~」。
お嬢様言葉とテンションの高さにドン引きでした。
だけど、観終わってみれば意外や意外。楽しかったです。

出演希望の素人だと勘違いされた倫子は、AVがそもそも何なのかも知らず、
イケメン社長に言われるがままに男優の上にまたがり、
放尿を強いられて絶句。そこへ、本来の出演予定者が現れて、
就職面接に来た子だとわかり、AVの説明を受けて卒倒。
それでも、自活するにはこれしかないと腹を括ります。

制服しか所持していない倫子に、
社長がどれでも着ていいと差し出すコスプレ衣装。
それを躊躇なく着て現場に出る倫子と、
仕事に厳しい社員の近藤、気弱で親切な牧谷。
その掛け合いが実にいい感じです。
すごい速度でローションを混ぜるシーンや卵白で作る擬似××など、
AVの制作現場の苦労もにじみ出ていて。
医者志望ならではの、女優の体への気遣いを見せるシーンも○。

「そんなに甘くないんだよ」。
そう語る人気AV女優役の笑顔が素敵でした。

ところで、こちらに書きかけた、「Blu-rayがHD DVDに勝った理由」。
AV業界がBlu-rayを採ったからだそうです。
どうです?説得力、あるでしょ?

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