『おっぱいバレー』

『おっぱいバレー』
監督：羽住英一郎
出演：綾瀬はるか，青木崇高，仲村トオル，石田卓也，光石研他

構成作家でもある原作者の水野宗徳が、
自分の担当するラジオ番組宛に聴視者から寄せられた話を基にして
書き上げたフィクションを映画化。

1979年の北九州。
戸畑第三中学校に赴任してきた国語教師、寺嶋美香子。
全校生徒が校庭に並ぶ朝礼のさい、
美香子は高村光太郎の詩集『道程』を紹介して挨拶の言葉とする。
ところが、若くて可愛い巨乳教師の口から発せられた「ドウテイ」という言葉に
男子生徒は大興奮して鼻血まで出す始末。

職員室に戻った美香子に、
教頭は男子バレー部の顧問にならないかと言う。
バレーボールは学生時代に授業でやった経験しかないが、
新しい職場で気力がみなぎる美香子は引き受けることに。

早速部室に向かうと、美香子を歓迎するために待ち構える男子部員たちが。
しかし、彼らは女子バレー部にも太刀打ちできないほどの弱小チームで、
練習なんてまったくする気がないらしい。
何が何でもやる気を持たせたい美香子に彼らが言うには、
「今度の大会で１勝したら、僕らに先生のおっぱいを見せてください」。
あり得ない約束だが、その場の流れで了承してしまう美香子。
以後、今までの姿が嘘のように練習に打ち込む部員たちは……。

インターネットでアダルト映像も手軽に見られる今とちがい、
彼らの楽しみは“11PM”をこっそり見ること。
「おっぱい特集」の日に録画したつもりでいたら、
見てみて唖然、その日は「釣り特集」でガクッ。
ハシゴの上にエロ本を積み上げておいて、
昇りきったらそのエロ本をゲットできるなんて練習も可笑しいです。

美香子は夢だけを唱える甘い女性教師かと思いきや、
実は転任前の中学校で起きたある出来事から、
心に深い傷を負っています。
また、そもそも教師になろうと決意したきっかけが、
自分が万引で捕まったときにお世話になった寡黙な先生で、
その補習授業の光景がとってもいい。

同世代の人なら懐かしさいっぱいのヒットパレード。
ピンク・レディーの“渚のシンドバッド”に始まり、
ユーミンの“ルージュの伝言”に“卒業写真”。
甲斐バンドの“HERO”、ツイストの“燃えろいい女”、
ハマショウの“風を感じて”、永井龍雲の“道標ない旅”と来て、
最後はキャンディーズの“微笑みがえし”。
これだけでも観てよかったと思うぐらい。

青春は素晴らしい。かなり幸せ。