夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『The Clash ザ・クラッシュ』

2009年11月17日 | 映画(さ行)
『The Clash ザ・クラッシュ』(原題:Stuck)
監督:スチュアート・ゴードン
出演:ミーナ・スヴァーリ,スティーヴン・レイ,
   ラッセル・ホーンズビー,ルキヤ・バーナード他

先月は生涯初の血尿にビビり、
今週はおそらく20年ぶりのめばちこに泣いています。
「めばちこ」って関西弁ですよね。
「ものもらい」よりもこの症状を端的に表しているような気がして、
なりたくはないけれど、気に入っている関西弁です。

さて、めばちこのせいで重たいまぶたもパカッと開く、
94分のコンパクトなサスペンス映画がこれ。
ホラーばりの映像は、『死霊のしたたり』(1985)の監督と聞いて納得。
日本では未公開、もうじき新作レンタル落ちの作品です。

失業中で家賃を滞納し、ついに大家に追い出された中年男性トム。
職業紹介所に予約を取るも、大家との言い争いで時間に遅れ、
4時間も待たされた挙げ句に、トムの名前は未登録だと言われる。
書類を用意し直して郵送するように指示され、失意のまま退出。

セントラルパークで夜を明かそうとするが、
ここも見回りにやってきた警官に追い出される。
ホームレスを泊めてくれる教会に向かって、
別のホームレスからもらったカートを押しながら、
深夜の町をとぼとぼと歩き始めるトム。

そこを車で通りかかったのが、介護士の女性ブランディ。
昼間に上司から昇進を示唆され、1杯飲んで上機嫌で帰宅する途中。
ドラッグディーラーである恋人と自宅で落ち合う予定で、
携帯に気を取られているうちに、
赤信号で横断していたトムをはねてしまう。

せっかく昇進の話をもらったところなのに、
こんな事故を起こしてはすべてが台無しになる。
警察にも病院にも行くことはできない。
そう考えたブランディ。

トムはフロントガラスを突き破り、体ごと車に刺さった状態。
空に向かって脚をばたつかせ、
血だらけで助けてくれと懇願する彼を乗せたまま、
ブランディは自宅へと車を走らせる。
ガレージへと車を入れると、対策を練り始めるのだが……。

これ、2001年にテキサス州で実際にあった話だそうです。
事実は小説よりも奇なり。恐ろしや。

冒頭、献身的に仕事に打ち込んでいたブランディが、
この事故を境に人が変わったようになり、
保身のために一度開いた悪意はとどまるところを知りません。
かなりのワルに見える恋人すらドン引きするようなことを
平気でやってのけようとします。

あ~、結末をバラしてしまいたい~。怖すぎる。

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