夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ソフトボーイ』

2010年07月04日 | 映画(さ行)
『ソフトボーイ』
監督:豊島圭介
出演:永山絢斗,賀来賢人,波瑠,大倉孝二,加治将樹,
   いしのようこ,はなわ,山口紗弥加他

『おっぱいバレー』(2008)のような、
実際にあったエピソードが基になっているそうです。
主演の永山くん、私は知らなかったので、
えらく瑛太に似ている子だなと思っていたら、実弟でした。

ソフトボールの話を観に来たはずなのに、
冒頭のシーンはなぜかフランス料理店の厨房。
続いて、オムレツを焼く青年の姿。
シネコンの劇場を間違えたのかと思いました。

佐賀県立牛津学園高校に通うオニツカ。もうじき3年生。
大衆中華料理店をひとりで切り盛りする母親を手伝いながら、
ひそかにフレンチのシェフになることを夢みている。

ある日、幼なじみのノグチが突然オニツカのもとへ駆け寄る。
授業中であるのもお構いなしにノグチが言うには、
「ソフトボールで全国大会ばいっ!」。

ノグチの説明によると、県内には男子ソフトボール部のある高校がゼロ。
だから、ソフトボール部を創設すれば、無条件に全国大会に出場できる。
高校野球の佐賀代表を見よ、あんなにモテモテではないか。
高校生最後の夏、俺たちもソフトボールで佐賀の星となるのだ!

お調子者のノグチに騙された教頭は、体育教師の澤山に顧問を命じる。
澤山はノグチの不純な動機を見破り、
もしも新入生の入学式翌日までに9名揃えられなければ即廃部だと言い渡す。

9名なんてチョロいものと思いきや、
牛津高校は女子400名に対して男子30名のハーレム状態で……。

とにかく9名揃えるまでの数十分間が傑作。
ヤンキー、デブ、ガリ勉、黒人留学生などなど、
数少ない男子生徒をあの手この手でノグチが勧誘。
バットよりも包丁を握りたいオニツカが
なんだかんだでノグチのペースに巻き込まれ、
ほかのメンバーもいつのまにかその気にさせられてしまいます。

こんなにすぐにソフトボールが上手くなるもんかと、
ソフトボールに対してかなり失礼でしょと思っていたら、
最後はやはりそう甘くはありませんでした。
そのモチベーションが下がったところでのノグチの笑顔と、
1点を懸命に取りに行くナインの姿に不覚にも涙。

劇場で後ろの席にいたオッサン、笑いすぎ。
けれど、それに釣られてみんなが笑う。
こういうのって、DVD鑑賞では味わえない楽しさですね。

そう、「青春とは、思い込みなのだ」。
だけど、やってみらんとわからん。

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