夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ラブ・アゲイン』

2011年12月04日 | 映画(ら行)
『ラブ・アゲイン』(原題:Crazy, Stupid, Love.)
監督:グレン・フィカーラ,ジョン・レクア
出演:スティーヴ・カレル,ライアン・ゴズリング,ジュリアン・ムーア,
   エマ・ストーン,マリサ・トメイ,ケヴィン・ベーコン他

心斎橋シネマートにて。
原題は“Crazy, Stupid, Love.”で、イケてる邦題とは言えませんが、
観れば確かに「ラブ・アゲイン」と言いたくなります。オススメ。

40代後半に差しかかろうかというキャルは、
若くして出逢ったエミリーと結婚生活25年。
息子と娘にも恵まれ、理想的な家庭を築いてきたと思っている。

しかし、いつのまにか男としての魅力を失っていたらしい。
普段どおりベビーシッターに子どもたちを預けて、夫婦水入らずで出かけた帰り、
エミリーは同僚のデイヴィッドと寝たと、いきなりカミングアウト。
デイヴィッドを愛しているわけではないが、離婚してほしいと言われる。

エミリーと議論する気力もないキャルは、離婚を承諾。
すぐに荷物をまとめて家を出ると、夜な夜な飲み歩き、
妻に突然離婚を切り出された憐れな男であることを誰彼なしに語る。

偶然その場に居合わせたのが世紀の色男、ジェイコブ。
ジェイコブはキャルを変身させてやると言う。
そんなつもりはないと思いつつ、キャルは話に乗ることに。
ジェイコブの手ほどきを受けて、キャルはみるみる垢抜けてゆくのだが……。

ジェイコブに指摘される見た目の問題点がどれも傑作。
サイズの合っていないスーツ、ダサい髪型、ニューバランスのスニーカー、
極めつけはマジックテープがバリバリ鳴る財布。
だけど、優しい顔立ちのキャルが服装と髪型を少し変えて、
ちょっと会話のセンスを磨けば、女性が寄ってくるようになります。

映画のタイトルもいろいろ出てきて、これがわかればさらに楽しい。
エミリーがくだらないと揶揄したのは『トワイライト 初恋』(2008)、
ハンナという女性にかけて『僕たちのアナ・バナナ』(2000)、
お持ち帰りした女性が例外なく喜ぶのは『ダーティ・ダンシング』(1987)。
ナンパのコツ習得を『ベスト・キッド』(1984)に例えるのが最高。

心がほんわか温まる、笑って泣けるラブコメディです。息子に拍手。
オチのひねりも効いていてお見事。

ちなみに、本作で初めてスティーヴ・カレルを知ったという方には、
『40歳の童貞男』(2005)、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)、
『デート&ナイト』(2010)をお薦めします。
主人公の声で出演しているアニメ『怪盗グルーの月泥棒』(2010)も大好き。

パーフェクトボディの色男、ライアン・ゴズリングのイメージがくつがえる作品を観てみたい方には、
『きみに読む物語』(2004)、『ラースと、その彼女』(2007)を。

なんだか落ち目の扱いを受けてしまっているけれど、
こんな脇役(国語教師役)のときにも輝いているマリサ・トメイの『いとこのビニー』(1992)は必見。

余談ですが、キャルがストローでチューチュー吸っていたカクテルは、
クランベリージュースが使われていました。
クランベリージュースが出てくる作品は過去にもいくつかあって、
特に『ディパーテッド』(2006)では、レオナルド・ディカプリオがこれを飲んでいると、
女が生理中に飲むものだと嘲笑されていました。
クランベリージュースって、めめしさの象徴みたいなものなのでしょうかね。

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