《や》
『ヤコブへの手紙』(原題:Postia Pappi Jaakobille)
2009年のフィンランド作品。
終身刑で服役していた女囚レイラは、12年目にして恩赦を与えられる。
出所しても頼るあてはないため、仕方なく所長の勧めに従って、
盲目の牧師ヤコブのもとで住み込みで働くことに。
ヤコブに会うと、「家事はしない」とレイラはいきなり宣言。
するとヤコブは、レイラに頼みたいのは手紙の読み上げと返事の代筆のみだと言う。
しかし、レイラにはこれすら面倒で、届いた手紙の束を井戸に放り込んでしまう。
また、レイラが服役していたことを知る郵便配達人は、
恐れをなしたのか牧師館に近寄らなくなってしまう。
こうして毎日必ず届いていた手紙が、ある日一通も届かなくなり、落胆したヤコブは……。
宗教的な要素が多いので、信心深い人が見ればまた印象が変わるのでしょうけれど、
そうでなくても退屈しません。
レイラは小デブで引っ詰め髪、ぶっきらぼうなオバハンで、かわいげのかけらもなし。
こういう人が次第に心を開くというのがありがちな展開ですが、本作は少しちがいます。
終身刑になった理由は説明のないまま終わることも予想していましたが、
最後の最後にきっちりと明かされ、静かな感動が押し寄せます。
人をゆるすのは神ではなく、人。
《ゆ》
『行きずりの街』
志水辰夫の同名ベストセラー小説の映画化。
塾講師の和郎(仲村トオル)は、元教え子で音信不通となったゆかり(南沢奈央)を追って東京へやってくる。
ゆかりが住んでいるはずの部屋に彼女の姿はなく、付近を見知らぬ男たちがうろついている。
彼女の身を心配して捜しまわるうち、和郎がたどり着いたのはとあるバー。
そこにいたのは別れた妻、雅子(小西真奈美)だった。
和郎が高校教師をしていたときの教え子が雅子で、
教師と生徒の恋愛、そして結婚が地元のスキャンダルとなり、
実ったはずの想いも離婚に終わってしまった過去がある。
ゆかりの失踪が偶然にも彼のその過去と繋がっていることがわかり……。
いまどき珍しいハードボイルドでした。
レトロ感は悪くないけれど、TVでじゅうぶんだったかなぁ。
《よ》
『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(原題:Het Nieuwe Rijksmuseum)
2008年のオランダ作品。
レンブラントやフェルメールなど、数々の傑作を所蔵するアムステルダム美術館。
『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(1990)みたいな映画を想像していたら、まるでちがってビックリ。
2004年に始まった開館以来の大規模な改築工事。
2008年の再オープンに向けて着々と……と思いきや、
美術館の敷地内を貫く道路が通れなくなってしまうことから、地元民が猛反発。
ほかにもいろいろな問題が噴出して、計画は変更に変更を重ね、再オープンの目処が立たなくなる。
改築工事の記録を依頼された映画監督が、結局はこの混乱ぶりをカメラに収めることになりました。
笑っちゃいけないけど、苦笑せざるを得ない不思議なドキュメンタリー。
『ヤコブへの手紙』(原題:Postia Pappi Jaakobille)
2009年のフィンランド作品。
終身刑で服役していた女囚レイラは、12年目にして恩赦を与えられる。
出所しても頼るあてはないため、仕方なく所長の勧めに従って、
盲目の牧師ヤコブのもとで住み込みで働くことに。
ヤコブに会うと、「家事はしない」とレイラはいきなり宣言。
するとヤコブは、レイラに頼みたいのは手紙の読み上げと返事の代筆のみだと言う。
しかし、レイラにはこれすら面倒で、届いた手紙の束を井戸に放り込んでしまう。
また、レイラが服役していたことを知る郵便配達人は、
恐れをなしたのか牧師館に近寄らなくなってしまう。
こうして毎日必ず届いていた手紙が、ある日一通も届かなくなり、落胆したヤコブは……。
宗教的な要素が多いので、信心深い人が見ればまた印象が変わるのでしょうけれど、
そうでなくても退屈しません。
レイラは小デブで引っ詰め髪、ぶっきらぼうなオバハンで、かわいげのかけらもなし。
こういう人が次第に心を開くというのがありがちな展開ですが、本作は少しちがいます。
終身刑になった理由は説明のないまま終わることも予想していましたが、
最後の最後にきっちりと明かされ、静かな感動が押し寄せます。
人をゆるすのは神ではなく、人。
《ゆ》
『行きずりの街』
志水辰夫の同名ベストセラー小説の映画化。
塾講師の和郎(仲村トオル)は、元教え子で音信不通となったゆかり(南沢奈央)を追って東京へやってくる。
ゆかりが住んでいるはずの部屋に彼女の姿はなく、付近を見知らぬ男たちがうろついている。
彼女の身を心配して捜しまわるうち、和郎がたどり着いたのはとあるバー。
そこにいたのは別れた妻、雅子(小西真奈美)だった。
和郎が高校教師をしていたときの教え子が雅子で、
教師と生徒の恋愛、そして結婚が地元のスキャンダルとなり、
実ったはずの想いも離婚に終わってしまった過去がある。
ゆかりの失踪が偶然にも彼のその過去と繋がっていることがわかり……。
いまどき珍しいハードボイルドでした。
レトロ感は悪くないけれど、TVでじゅうぶんだったかなぁ。
《よ》
『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(原題:Het Nieuwe Rijksmuseum)
2008年のオランダ作品。
レンブラントやフェルメールなど、数々の傑作を所蔵するアムステルダム美術館。
『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(1990)みたいな映画を想像していたら、まるでちがってビックリ。
2004年に始まった開館以来の大規模な改築工事。
2008年の再オープンに向けて着々と……と思いきや、
美術館の敷地内を貫く道路が通れなくなってしまうことから、地元民が猛反発。
ほかにもいろいろな問題が噴出して、計画は変更に変更を重ね、再オープンの目処が立たなくなる。
改築工事の記録を依頼された映画監督が、結局はこの混乱ぶりをカメラに収めることになりました。
笑っちゃいけないけど、苦笑せざるを得ない不思議なドキュメンタリー。