夜な夜なシネマ

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『ラブ&ドラッグ』

2011年12月18日 | 映画(ら行)
『ラブ&ドラッグ』(原題:Love and Other Drugs)
監督:エドワード・ズウィック
出演:ジェイク・ギレンホール,アン・ハサウェイ,オリヴァー・プラット,
   ハンク・アザリア,ジョシュ・ギャッド,ガブリエル・マクト他

下ネタ満載のハチャメチャなラブコメディにして感動作。
上映している劇場は全国でも10館に満たないほどこぢんまりとした公開ですが、
前述の『リアル・スティール』のヒュー・ジャックマンとはちがった魅力で、
だけど、やはり脱いでもスゴイ(笑)、ジェイク・ギレンホールが主演。
観逃すわけにはいかないと、心斎橋シネマートに走りました。

監督は『ラストサムライ』(2003)のエドワード・ズウィック。
製薬会社ファイザーのMR(医薬情報担当者、かつての呼び名はプロパー)によるベストセラー・ノンフィクション、
『涙と笑いの奮闘記 全米セールスNo.1に輝いた〈バイアグラ〉セールスマン』を基に、
架空のヒロインを登場させて、素敵なラブストーリーをつくりあげることに成功しています。

イケメンのプレイボーイ、ジェイミーのナンパ成功率は100%。
しかし、それが災いして、勤務先では必ず女関係のトラブルを起こし、仕事が続かない。
親や姉が医者という家族の中にあっては肩身の狭い思いで、
実家に寄ったさいにもまたクビになったことを言えずにいるが、
ジェイミーの日常を唯一知るネットオタクの弟ジョッシュが暴露。
そのジョッシュの勧めでファイザーのMR研修を受けることに。

無事研修を終え、配属された先はオハイオ州。
先輩社員のブルースとともに病院を回り、自社の抗うつ薬ゾロフトと抗菌性薬ジスロマックの売り込みに当たるが、
他社のMRを押しのけて入り込む隙がなかなか見つけられない。
しかし、口八丁手八丁のジェイミーのこと、まずは病院受付の女性を味方につけ、
他社の抗うつ薬プロザックしか使わないという医師スタンになんとか近づく。

ある日、スタンの診察を受けにやってきたのが美女マギー。
若年性パーキンソン病だという彼女になんとなく惹かれ、連絡を取るのだが……。

バイアグラの営業マンが主人公だと思っていたら、バイアグラにたどり着くのはかなりあと。
新薬バイアグラを売りたいと自ら申し出てトップセールスマンに躍り出るまでの話もおもしろいです。
製薬会社の研修はまるで華やかなイベントで、これは事実なのでしょう。ちょい目が点に。
配属後に回る病院では、駐車場で医師をつかまえてノベルティグッズを配るなど、大変。
MRって高給取りでオイシイ仕事だという印象がありましたが、ごめんなさい。

さて、恋愛話のほうは、診察室で胸を見られてジェイミーに腹を立てていたマギーですが、
後日ジェイミーと会うや否や、自分からベッドに誘います。
難病ゆえに人と深い関係になることを避けてきたマギーは、ジェイミーにも体だけの関係にしたいと宣言。
下半身がすべてのジェイミーにはそれは願ってもないことのはず。
ところが、ふたりとも次第に本気になってしまいます。

パーキンソン病患者の会を軽い気持ちで見学したら、
妻がパーキンソン病だという熟年の男性から「すぐに別れたほうがいい」と言われるジェイミー。
病の実情を聞いて揺れ動く辺りからは、ラブコメとしては観られません。
涙に埋もれてしまいます。

アン・ハサウェイは『プリティ・プリンセス』(2001)のときはイマイチ好きになれませんでしたが、
まるでちがう役柄をこなし、どれもピッタリ来ています。
しかもこんなに脱ぎっぷりがいいなんてビックリ。
私的には彼女が声の出演をしている『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』(2005)もオススメ。

いつも真面目で誠意ある青年のイメージがあったジェイク・ギレンホール。
チャラ男の役なんて似合うのかと思っていましたが、違和感なし。
そして、最後にはやはり、元のイメージに彼がいました。

下ネタだらけのラブコメで泣かされるとは。うん、良かったです。

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