『僕達急行 A列車で行こう』
監督:森田芳光
出演:松山ケンイチ,瑛太,貫地谷しほり,ピエール瀧,村川絵梨,
松平千里,笹野高史,伊武雅刀,西岡徳馬,松坂慶子他
先週末より全国のシネコンにて公開中。
前述の『FLY! 平凡なキセキ』では森モータースの社長だった笹野高史が、
本作ではコダマ鉄工所の社長に。
同じような規模の町工場で、同じぐらい片言の日本語の従業員がいたりして、
続けて観ると、どっちがどっちだったかこんがらがります。(^^;
大手不動産デベロッパー、のぞみ地所の社員、小町圭(松山ケンイチ)と、
小さな町工場、コダマ鉄工所の二代目、小玉健太(瑛太)。
こんなふたりがたまたま同じ列車に乗り合わせる。
小町は女性とデート中。
しかし、ひとり楽しげに車窓を眺めながら音楽を聴く小町に、
相手の女性は怒りを募らせ、途中下車してしまう。
小玉はレゲエな外国人従業員たちを伴って小旅行中。
無類の鉄道好きで、金属部品をこよなく愛し、その知識も半端ではない。
今日も車内でモーター音に聞き耳を立て、パーツに目をやる。
お互いのことをなんとなく覚えていたふたりは、後日、偶然再会して意気投合。
小町が引っ越し先を探しているところだと知り、
小玉はとりあえずコダマ鉄工所の寮に入ってはどうかと勧める。
こうして小町は寮へ。小玉と夜な夜なビールにゆで卵で鉄道話。
ある日、小町は九州支社への転勤を命ぜられる。
小町を評価する天然系女社長(松坂慶子)の思惑があってのことだったが、
つきあい始めたばかりのあずさ(貫地谷しほり)は左遷だと断言。
なのに、小町はこの転勤が嬉しくて仕方がない。
なんてったって九州。どこもここも列車だらけなんだから。
さて、九州支社ではどうしてもモノにしたい話があった。
飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を伸ばし続ける地元の食品企業ソニックフーズに、
なんとしてでも新工場誘致の話を持ち込みたいのだが、
社長はのぞみ地所の面々と会うことすら拒んでいる。
会ってさえくれればと頭を悩ませる東京本社と九州支社の役員たち。
一方、そんなことはまったく聞いていない小町は、
東京から訪ねてきた小玉とともに休日の列車の旅を満喫。
派手なネエちゃんを連れたオッサン(ピエール瀧)と知り合う。
意外にもこのオッサンがものすごい鉄道オタクで……。
昨年末、まだ61歳だったのに他界してしまった森田芳光監督。
遺作となった本作は、人と人との繋がりっていいなぁとしみじみ思わせてくれるもの。
出会った縁を大事にして、損得抜きでしたことが、いつかみんなに幸せをもたらす。
厳しい状況にあってもへこたれなかったコダマ鉄工所が湧くシーンは、
『空飛ぶタイヤ』を思い出し、一緒に祝いたくなりました。
小町と小玉の真面目さを表すのに良い手だなと思ったのは、
ふたりとも99%(少なくともひとつは聞いたので)、「い抜き」ではないということ。
いまどきいますか、こんなにきっちり「い」を入れてしゃべる若者。(^^;
小町のこんな感じの台詞が印象に残っています。
「女の人の気持ちはわからない。わからないのに悩んでもストレスになるだけ。
だから、わからないもののことはそれ以上考えない」。
と言いつつ、小町も小玉も悩んでいるんですけどね。
『ドラゴン・タトゥーの女』のオープニングにシビれた人、
小町が「列車と音楽のコラボにハマったきっかけ」に大笑いできること請け合います。
こんな温かいオリジナル脚本を自ら書いて撮り上げた森田芳光監督に感謝。
エンドロール後の「ありがとう」に、こちらこそ。合掌。
監督:森田芳光
出演:松山ケンイチ,瑛太,貫地谷しほり,ピエール瀧,村川絵梨,
松平千里,笹野高史,伊武雅刀,西岡徳馬,松坂慶子他
先週末より全国のシネコンにて公開中。
前述の『FLY! 平凡なキセキ』では森モータースの社長だった笹野高史が、
本作ではコダマ鉄工所の社長に。
同じような規模の町工場で、同じぐらい片言の日本語の従業員がいたりして、
続けて観ると、どっちがどっちだったかこんがらがります。(^^;
大手不動産デベロッパー、のぞみ地所の社員、小町圭(松山ケンイチ)と、
小さな町工場、コダマ鉄工所の二代目、小玉健太(瑛太)。
こんなふたりがたまたま同じ列車に乗り合わせる。
小町は女性とデート中。
しかし、ひとり楽しげに車窓を眺めながら音楽を聴く小町に、
相手の女性は怒りを募らせ、途中下車してしまう。
小玉はレゲエな外国人従業員たちを伴って小旅行中。
無類の鉄道好きで、金属部品をこよなく愛し、その知識も半端ではない。
今日も車内でモーター音に聞き耳を立て、パーツに目をやる。
お互いのことをなんとなく覚えていたふたりは、後日、偶然再会して意気投合。
小町が引っ越し先を探しているところだと知り、
小玉はとりあえずコダマ鉄工所の寮に入ってはどうかと勧める。
こうして小町は寮へ。小玉と夜な夜なビールにゆで卵で鉄道話。
ある日、小町は九州支社への転勤を命ぜられる。
小町を評価する天然系女社長(松坂慶子)の思惑があってのことだったが、
つきあい始めたばかりのあずさ(貫地谷しほり)は左遷だと断言。
なのに、小町はこの転勤が嬉しくて仕方がない。
なんてったって九州。どこもここも列車だらけなんだから。
さて、九州支社ではどうしてもモノにしたい話があった。
飛ぶ鳥を落とす勢いで業績を伸ばし続ける地元の食品企業ソニックフーズに、
なんとしてでも新工場誘致の話を持ち込みたいのだが、
社長はのぞみ地所の面々と会うことすら拒んでいる。
会ってさえくれればと頭を悩ませる東京本社と九州支社の役員たち。
一方、そんなことはまったく聞いていない小町は、
東京から訪ねてきた小玉とともに休日の列車の旅を満喫。
派手なネエちゃんを連れたオッサン(ピエール瀧)と知り合う。
意外にもこのオッサンがものすごい鉄道オタクで……。
昨年末、まだ61歳だったのに他界してしまった森田芳光監督。
遺作となった本作は、人と人との繋がりっていいなぁとしみじみ思わせてくれるもの。
出会った縁を大事にして、損得抜きでしたことが、いつかみんなに幸せをもたらす。
厳しい状況にあってもへこたれなかったコダマ鉄工所が湧くシーンは、
『空飛ぶタイヤ』を思い出し、一緒に祝いたくなりました。
小町と小玉の真面目さを表すのに良い手だなと思ったのは、
ふたりとも99%(少なくともひとつは聞いたので)、「い抜き」ではないということ。
いまどきいますか、こんなにきっちり「い」を入れてしゃべる若者。(^^;
小町のこんな感じの台詞が印象に残っています。
「女の人の気持ちはわからない。わからないのに悩んでもストレスになるだけ。
だから、わからないもののことはそれ以上考えない」。
と言いつつ、小町も小玉も悩んでいるんですけどね。
『ドラゴン・タトゥーの女』のオープニングにシビれた人、
小町が「列車と音楽のコラボにハマったきっかけ」に大笑いできること請け合います。
こんな温かいオリジナル脚本を自ら書いて撮り上げた森田芳光監督に感謝。
エンドロール後の「ありがとう」に、こちらこそ。合掌。