『メランコリア』(原題:Melancholia)
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンスト,シャルロット・ゲンズブール,アレキサンダー・スカルスガルド,
シャーロット・ランプリング,ウド・キア,キーファー・サザーランド他
4本ハシゴの2本目、大阪ステーションシティシネマにて。
ちなみに、前述のアメリカ作品『人生はビギナーズ』と
デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ作品の本作、
どちらも字幕は松浦美奈さん。
さて、デンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアー監督の最新作。
ぺらんとした紙に手書きされたかのようなタイトル文字が映し出されたときは、
本作も「ドグマ95」の誓いに則って撮られていると思いましたが、
CG使いまくり、撮影方法、照明、効果音、すべてにおいて、
みごとに「ドグマ95」の誓いを破っています。
この派手さはいったいどうしたんだと、しばし目が点になりました。
本作では惑星の名前となっている「メランコリア」は、
メランコリー、すなわち鬱病を示しています。
監督本人が長らく鬱病に苦しみ、本作の着想も療養中に得たそうです。
姉妹を主人公とする2部構成。
第1部はキルスティン・ダンスト演じる妹、
第2部はシャルロット・ゲンズブール演じる姉を中心に。
第1部、ジャスティン。
優しくてシャイなイケメン、マイケルとの結婚を決めた彼女は、
姉夫婦が経営するクラブハウスで盛大な披露宴をおこなうことに。
新郎新婦の会場への到着が2時間遅れて姉夫婦はイライラ。
しかし、ジャスティン本人は意に介さず、
急がせる姉夫婦を尻目に、まずは愛馬に挨拶をと厩舎へ向かう始末。
宴が始まるも、こうしたお披露目を好まない母が嫌みを言い通し、
出席者の間に気まずい空気が流れる。
父や姉夫婦が取りなすが、次第にジャスティンも落ち着かなくなる。
会場から抜け出すと、カートでゴルフコースへ。
奇天烈な振る舞いのあと、寝込んでいたかと思うと今度は入浴。
新郎のマイケルさえもジャスティンを理解できずに去ってしまう。
第2部、クレア。
彼女は、鬱病が進行したジャスティンを自分のもとへと呼び寄せる。
夫のジョンはいい顔をしないが、クレアは妹を決して見放さない。
いま、クレアが恐れているのは妹の奇行ではなく、
数週間後に地球のすぐそばを通過すると言われている惑星メランコリア。
科学オタクのジョンは衝突などしないと言い張るが、クレアは不安でたまらない。
ある日、夜中にジャスティンが外に出るのを見かけて跡をつけると、
服を脱いでメランコリアの光を浴びるジャスティンの姿が。
以来、衝突の危機に不安を募らせるクレアと対照的に、
達観したかのようなジャスティンは生気を取り戻してゆく。
冒頭、ワグナーの曲に乗せた世界の終末をあらわす映像は、
人類創世記を見せてくれた『ツリー・オブ・ライフ』(2011)の映像とダブります。
やはり万人受けはしないでしょうけれど、私には本作のほうがちとわかりやすい。
「世界が終わるかもしれないという憂鬱」が地球全体を覆うとき、
鬱病であるジャスティンがもっとも冷静であるところが興味深いです。
「世界が終わる。その衝撃の瞬間をあなたは目撃する―。」という引き文句にふさわしい、圧巻のラスト。
しかし、「へ?これで終わり?」と呆然とする人も多いでしょっ。
「これ以上のハッピーエンドはない」と監督が述べたとのこと。
さすが、鬼才。
キルスティン・ダンストのオールヌードも話題になっています。
どんな作品が女優に脱ぐ気を起こさせるのか。彼女はこれで来ましたかとニヤリ。
『24 TWENTY FOUR』にハマっていた方、
ジョン役で登場する、こんなジャック・バウアーはどうですか。
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:キルスティン・ダンスト,シャルロット・ゲンズブール,アレキサンダー・スカルスガルド,
シャーロット・ランプリング,ウド・キア,キーファー・サザーランド他
4本ハシゴの2本目、大阪ステーションシティシネマにて。
ちなみに、前述のアメリカ作品『人生はビギナーズ』と
デンマーク/スウェーデン/フランス/ドイツ作品の本作、
どちらも字幕は松浦美奈さん。
さて、デンマークの鬼才、ラース・フォン・トリアー監督の最新作。
ぺらんとした紙に手書きされたかのようなタイトル文字が映し出されたときは、
本作も「ドグマ95」の誓いに則って撮られていると思いましたが、
CG使いまくり、撮影方法、照明、効果音、すべてにおいて、
みごとに「ドグマ95」の誓いを破っています。
この派手さはいったいどうしたんだと、しばし目が点になりました。
本作では惑星の名前となっている「メランコリア」は、
メランコリー、すなわち鬱病を示しています。
監督本人が長らく鬱病に苦しみ、本作の着想も療養中に得たそうです。
姉妹を主人公とする2部構成。
第1部はキルスティン・ダンスト演じる妹、
第2部はシャルロット・ゲンズブール演じる姉を中心に。
第1部、ジャスティン。
優しくてシャイなイケメン、マイケルとの結婚を決めた彼女は、
姉夫婦が経営するクラブハウスで盛大な披露宴をおこなうことに。
新郎新婦の会場への到着が2時間遅れて姉夫婦はイライラ。
しかし、ジャスティン本人は意に介さず、
急がせる姉夫婦を尻目に、まずは愛馬に挨拶をと厩舎へ向かう始末。
宴が始まるも、こうしたお披露目を好まない母が嫌みを言い通し、
出席者の間に気まずい空気が流れる。
父や姉夫婦が取りなすが、次第にジャスティンも落ち着かなくなる。
会場から抜け出すと、カートでゴルフコースへ。
奇天烈な振る舞いのあと、寝込んでいたかと思うと今度は入浴。
新郎のマイケルさえもジャスティンを理解できずに去ってしまう。
第2部、クレア。
彼女は、鬱病が進行したジャスティンを自分のもとへと呼び寄せる。
夫のジョンはいい顔をしないが、クレアは妹を決して見放さない。
いま、クレアが恐れているのは妹の奇行ではなく、
数週間後に地球のすぐそばを通過すると言われている惑星メランコリア。
科学オタクのジョンは衝突などしないと言い張るが、クレアは不安でたまらない。
ある日、夜中にジャスティンが外に出るのを見かけて跡をつけると、
服を脱いでメランコリアの光を浴びるジャスティンの姿が。
以来、衝突の危機に不安を募らせるクレアと対照的に、
達観したかのようなジャスティンは生気を取り戻してゆく。
冒頭、ワグナーの曲に乗せた世界の終末をあらわす映像は、
人類創世記を見せてくれた『ツリー・オブ・ライフ』(2011)の映像とダブります。
やはり万人受けはしないでしょうけれど、私には本作のほうがちとわかりやすい。
「世界が終わるかもしれないという憂鬱」が地球全体を覆うとき、
鬱病であるジャスティンがもっとも冷静であるところが興味深いです。
「世界が終わる。その衝撃の瞬間をあなたは目撃する―。」という引き文句にふさわしい、圧巻のラスト。
しかし、「へ?これで終わり?」と呆然とする人も多いでしょっ。
「これ以上のハッピーエンドはない」と監督が述べたとのこと。
さすが、鬼才。
キルスティン・ダンストのオールヌードも話題になっています。
どんな作品が女優に脱ぐ気を起こさせるのか。彼女はこれで来ましたかとニヤリ。
『24 TWENTY FOUR』にハマっていた方、
ジョン役で登場する、こんなジャック・バウアーはどうですか。