夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『くろねこルーシー』

2012年10月12日 | 映画(か行)
『くろねこルーシー』
監督:亀井亨
出演:塚地武雅,安めぐみ,大政絢,濱田マリ,峯村リエ,つみきみほ,
   直江喜一,山本耕史,京野ことみ,佐戸井けん太,生瀬勝久他

前述の『ツナグ』と同日に梅田ブルク7にて。

黒猫をメインキャストに据えた初の実写ドラマとの触れ込みですが、
TV版のほうは存在すら知らず、未見です。猫大好きなのに、不覚だぁ。
山本耕史演じるTV版の主人公、鴨志田陽は特別出演。
その父親である鴨志田賢がこの映画版の主人公です。

脱サラして占い師となった鴨志田賢。
ボウリング場が入るビルの一角に占いコーナーを持つが、
これといって特色もなく、閑古鳥が鳴いている。
テナント料を払えば常に赤字の状態で、とても家族を養えない。
妻の幸子からは別居を言い渡され、息子の陽も賢とは話そうとしない。

賢が何よりも苦手としているのは黒猫。
これまでの自分の人生の節目、しかも悪いほうへの転換期に、
賢の前をなぜか必ず黒猫が横切ってきた。
黒猫が目の前を横切ればまたしても災いが降りかかるのではないか。
そう思うと怖くてたまらず、黒猫を見ると避けている。

なのに近頃よく見かける大きな黒猫。
飼い主らしき男の呼び声から、“ルーシー”という名前だとわかる。
ある日、賢の住むアパートの前から鳴き声が。
どうやらルーシーが産んだらしい子猫2匹。当のルーシーはいない。
このままでは子猫たちはカラスに狙われてしまうと、仕方なく飼うことに。

“ルー”と“シー”と名付けた子猫2匹を連れて、占いコーナーへ出勤した賢。
ところがこれが思いがけず話題となり、「くろねこ占い」は大人気に。

猫が悪く描かれているのでなければ、
猫が登場する作品は何でも観たいですが、そんななかでもこれは格別。
黒猫好きでなくとも可愛いです。

渋々飼いはじめた猫なのに、耳もとやおなかの上を駆けずりまわられ、
「もおっ、寝かせてくれよぉ」とぼやく賢に大笑い。
猫を飼ったことのある人なら必ず経験があるでしょう。

行方不明だった親猫ルーシーがいつのまにか帰ってきて、
猫の家族とともに過ごすうち、賢は誰かを大切に思う気持ちに至ります。

隣のブースの奇天烈な衣裳を着た占い師役、濱田マリが可笑しくて、
彼女の「キャラ立ってなんぼのもんよ」に笑います。
また、『3年B組金八先生』の加藤優役、あの「腐ったミカン」の直江喜一が、
ビルを経営する会社の部長役で出演していて、
ずっとミカンを食べながらしゃべっているところもナイスギャグ。
あまりの見事なハゲっぷりに、最初は彼だと気づきませんでしたけれども。

これもまたちょっぴり幸せなオチがあって、ほっこりニッコリ。
弱いんだなぁ、こういうオチに。

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