夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ブレーキ』

2012年10月01日 | 映画(は行)
『ブレーキ』(原題:Brake)
監督:ゲイブ・トーレス
出演:スティーヴン・ドーフ,カイラー・リー,JR・ボーン,トム・ベレンジャー他

今年のアメリカ作品。9月初めにレンタル開始になりました。
夏の盛りにシアターセブンで上映していて、観に行きそびれたヤツです。

一応出演者を挙げてみましたが、最後の5分辺りまで、
顔が映るのはスティーヴン・ドーフだけ。
『[リミット]』(2010)とはその点も含めてあらゆる点で似ています。
たった一人の登場人物でここまで面白い作品が撮れるのも一緒。
しかし、こちらのオチにはちがう意味で唖然。

あまりに唖然としたので全部バラしてしまいたい。
そんなわけで、完全ネタバレですので、
観るかもしれないと言う人は、ここから先は絶対に読まないでください。

暗闇で目覚めた男、シークレットサービスのジェレミー。
目を凝らしてみると、自分は棺桶型の透明な箱の中に監禁されている。
どうやら車のトランクに収められているらしい。

体の周囲を手で探ると、無線機が1台。
周波数を合わせると、ヘンリーと名乗る男の声が。
彼は別の車のトランクの中でジェレミーと同じ状況にあるらしい。

箱に取り付けられた電話は見えるが、ジェレミーに操作することはできない。
電話は勝手にジェレミーの妻にかけられ、彼女も同じく拉致されたことがわかる。

車の運転手からくすねた携帯電話で上司に電話をかけると、
ジェレミーと同じ目に遭っている人間がほかに何人もいて、
順番に爆破テロを起こしていると言う。
犯人らの要求は、大統領の極秘の避難場所を教えろということ。
しかし、どんな目に遭わされようとも口を割らないジェレミー。

さて、ここからが唖然呆然の第一弾。
箱の中に液体が流されて、液状爆弾らしいので、それがもうじき満杯に。
一貫の終わりだぁと思いきや、トランクがパカッとオープン。
上司に妻に、声しか知らないヘンリーやらオペレーターやらが勢揃い。
狐につままれたような顔をするジェレミーに、「おめでとう!」。
これは昇進試験だったそうで、極秘事項を決して漏らさなかったジェレミーは見事パス。
救急車に乗せられるんですけれども。

そんな試験ありかよ!というツッコミは入れたくなるけれど、
さすがアメリカ、テロに対抗するという意気込みの表れよね!と解釈。
ここまではまぁよしとしましょう。

ところがこれで終わらない。残り数分で唖然呆然の第二弾。
ジェレミーは救急車に同乗した妻と会話するうち、
大統領の避難場所を示唆することをポロリと言ってしまいます。そこで妻豹変。
上司も妻もみんなグルで、やっぱり犯人なのでした。
あっけなく救急車の寝台上で息を止められるジェレミー。

いろんな機転を利かせて自分の居場所を伝えようとするその点は、
めちゃくちゃおもしろかったのに。
最後の最後でこう来るとは、いやもう、ホントに開いた口がふさがらん。

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