夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ある夜のできごと』

2012年10月09日 | 映画(あ行)
『ある夜のできごと』
監督:鈴木聖史
出演:秦秀明,松尾敏伸,内山信二,高部あい,田村愛,中山絵梨奈他

TSUTAYA DISCASでちょっと気になってレンタル。
これが長編デビューとなる監督の2010年の作品で、8月末にレンタル開始。

出演者はそれなりにファンも多い若手俳優らしいですが、
名前を聞いてスッと顔が思い浮かぶのは内山くんぐらい。
『森崎書店の日々』(2010)に出ていた松尾敏伸くんとやらも、
稲垣吾郎ちゃんとGACKTを意識したような印象で、
かなり引き気味で観はじめました。

カッちゃんは都内で雑貨店“BRAND NEW ROCKT”を経営する32歳の男。
ある日、故郷の山梨から知人の訃報が届き、慣れない喪服を着て通夜に赴く。

通夜からの帰り道、中学の同窓生だったヤスタカとケンさんに出会う。
彼らは社会に出るまでは、マユミやナオという女子とともに、
5人で毎週のように集まっては酒を飲んでいた仲。
それがいつしか疎遠になり、久々の再会となったわけだが、
なんとなく漂う距離感を振り払えず、話も盛り上がらない。

一方、3人がかつてかよっていた東中学校では、
校庭の木の根元に埋められたタイムカプセルを男子生徒らが発見。
たまたまそこを通りかかった女子生徒ユカは、
タイムカプセルに入っていた写真の主が気になって仕方がない。
写真を持ち歩くうち、葬祭会館の場所を聞いてきたオジサンこそが、
カッちゃんと同一人物であることに気づき……。

学生時代の居酒屋でのくだらん話に、こんな時期もあったなぁと思いつつ、
松尾くん演じるヤスタカのエラそうな態度が鼻につき、
主人公カッちゃんの煮え切らん様子にもイライラ。
常時ハイテンションのマユミとブリブリのナオちゃんもしんどく、
別に内山くんも見とうないし。

……てな状態だったのですが、
ユカたち女子生徒が早朝の中学校で彼らに会うシーンはイイ。

雑貨店の経営が実は思わしくないカッちゃん、
マユミと結婚したものの離婚を考えているヤスタカ、
医学部入学のために今も受験勉強をするケンさん。
昔の仲間だからこそ言いたくても言えない思いをそれぞれに持っていて、
それをぶつけあった後に学校に忍び込んで屋上で飲むビール。
夜明けを見ながらなら、確かにコーヒーのほうがよかったでしょうけれど。

過去は不意にやってくる。
それが明日に向かって歩き出す力になることだってある。
ちょっと幸せなオチ付きです。

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