夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』

2012年11月15日 | 映画(さ行)
『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』(原題:Cirque du Soleil: Worlds Away)
監督:アンドリュー・アダムソン
出演:シルク・ドゥ・ソレイユ,エリカ・リンツ,イゴール・ザリポフ

7年前にオハイオで初めて観て、度肝を抜かれたシルク・ドゥ・ソレイユ
そのときの演目は“ヴァレカイ”でした。
なんでもっと早く観に行かなかったんだろうと激しく後悔。
帰国後すぐに、日本で公演中だった“アレグリア”へ。

けれども、ファンタジー系よりマッスル系が好きな私は、
マッスル系が少なめの“アレグリア”にはイマイチ感動できず、
“ヴァレカイ”のほうが断然好きだったなぁと思っていました。

昨年、中之島ビッグトップにやってきた“クーザ”。
とっとと一人でチケットをゲットして、当日は徒歩圏内のお店でひとりランチ、
ほぼワイン1本を空けてほどよく(?)酔った状態で会場へ。
希望に叶うどころか夢見た以上のマッスル系にシビレました。

昔からサーカスと言えばほにゃらら大サーカス。
80歳を過ぎた両親は、もちろんシルク・ドゥ・ソレイユなんて知りません。
「死ぬ前に絶対いっぺん観といたほうがいいよ」とチケットを贈ったら、
その晩、「めちゃくちゃ良かった」と放心したような声で電話がありました。

そんなシルク・ドゥ・ソレイユの映画なので、
観に行っておこうかと思って、帰り道に近所のシネコンへ。
ドキュメンタリーではなく、ストーリー仕立てです。

ある夜、サーカスの会場を訪れた女性ミアは、
空中ブランコショーの芸人、エアリアリストのチラシを受け取る。
興行中のテント内に足を踏み入れ、数々の出し物に息を呑む。

やがてエアリアリストが現れるが、客席のミアと目が合った瞬間、
彼はブランコに飛び移ることに失敗、落下する。
すると地面が割れて砂の海のごとく、エアリアリストは吸い込まれる。
とっさに彼の後を追ったミアも吸い込まれてしまう。

目が覚めるとそこは異世界。
エアリアリストのチラシを片手に、ミアは彼を探しつづけるのだが……。

美しいことは認めますが、残念ながらかなり退屈でした。
さまざまな演目中の出し物が取り入れられているけれども、
ナマで観たときのハラハラドキドキ感がまるでなし。
“クーザ”でシビレまくった大車輪が、こんなにも高揚感に欠けるなんて。

過去に実物を観たことのある人は「こんなもんじゃないよ」と思うでしょうし、
実物を観たことがない人は「こんな程度か」と思うでしょう。
結局、どちらの客も引っ張れないのではないかと。
もうホント、こんなもんじゃないんですから、どうかナマで観てください。

ひそかにワロたのはシンクロナイズドスイミング。
うおっ、「佐清(スケキヨ)」の乱舞や!

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