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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』

2016年10月24日 | 映画(た行)
『TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)』
監督:遠藤尚太郎

シネ・リーブル梅田で3本ハシゴの2本目。
前述の『クハナ!』の直後に。

築地市場の移転に合わせて公開時期を決めたであろうに、
まさかの盛り土問題などでこの先どうなるのか未知の築地市場。
予告編を観たときにはもうじき移転だという感慨もあったのに、
こんなドタバタのせいでちょっとシラけてしまったような。
映画の集客にも影響が出ていないかなぁと心配です。

かねてからの憧れの地ではありますが、私は行ったことがありません。

もとは日本橋魚河岸で食品流通を担ってきた市場群。
それが1923(大正12)年9月に起きた関東大震災により壊滅してしまいました。
その年末、旧外国人居留地を借り受けて臨時の東京市設魚市場をスタート。
これが築地市場の始まりなのだそうです。
本作は、そんな築地市場の舞台裏に迫るドキュメンタリーです。

漁師が釣ってきた魚をそのまま並べて売っているのではありません。
命がけで獲ってきた魚を並べるからには、売るのも手抜きなし。
良い魚を見極め、適正な価格で適切な客に売る。
築地市場で働く、魚の扱い方を熟知した職人たちの話に引き込まれます。
自らの仕事にプライドを持ち、高いプロ意識はゆらぎません。

彼らと信頼関係を築く一流の料理人とのやりとりが面白いし、
築地市場に魅せられたハーバード大学の教授の着眼点にもニヤリ。
毎日掲示される落とし物一覧。
落とした財布にお金が入ったままが出てくる国なんてと、教授は感心。

せりのシーンなども含め、築地市場を見学したような気分になれます。
仲買人のこんな言葉が印象に残りました。
「元気な人は、ちゃんと食べてる。ちゃんとしたものを、ちゃんとした気持ちで」。

移転の良い解決策が早くみつかるようにと願ってやみません。

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