『金メダル男』
監督:内村光良
出演:内村光良,知念侑李,木村多江,ムロツヨシ,土屋太鳳,
平泉成,宮崎美子,笑福亭鶴瓶,高嶋政宏,温水洋一他
ダンナ国内出張につき、数日間は終業後に映画三昧。
しかも上手い具合にTOHOシネマズのシネマイレージキャンペーンと重なり、
1週間ずっと1,100円で映画が観られます。
伊丹でいい作品がかかっていれば、行き来の負担も少なくて楽なのですが、
こういうときに限って伊丹ではハシゴが叶わず、
西宮まで行かなければ終業後に2本観るのは無理。
まずは月曜日、無謀を承知で西宮で18:00上映開始の本作を予約。
幸い道はわりと空いていましたが、予告編には到底まにあわず、
本編開始後1分ほど経過したとおぼしきときにすべり込み。
映画は何がなんでも最初から観たいほうですが、
特に観たかった作品ではないので悔しさもあまりなく。
『ピーナッツ』(2005)、『ボクたちの交換日記』(2013)につづき、
これが監督3作目となるウッチャンこと内村光良。
5年前に上演した自身作・主演の一人舞台『東京オリンピック生まれの男』を原案に、
監督・脚本・主演を務めたオリジナル作品です。
1964(昭和39)年、東京オリンピックの年に長野県塩尻市に生まれた秋田泉一(大西利空)。
小学校のとき、運動会の徒競走で一等賞に輝いたのをきっかけに、
あらゆるジャンルで一等賞を獲ることが彼の生き甲斐となる。
水泳、剣道、卓球、クイズ、工作、習字、絵画、釣り、火起こしにいたるまで、
どんな大会でも一等賞を獲り、“塩尻の金メダル男”と呼ばれるように。
ところが中学校に入ると、神童として注目されたのは束の間。
対戦相手の女子が気になりはじめるとどれもこれも惨敗。凡人と化す。
高校に入学した泉一(知念侑李)は、金メダル男の復活を誓うが空回り。
同級生の竹岡啓二(ささの友間)からバスケ部に誘われ、
仲間がいる喜びをはじめて味わうが、やがてバスケ部のお荷物となり退部。
チームプレイは自分には不向きだと、ひとりで表現部を発足。
一時はもてはやされる存在になったものの、それも下火に。
高校を卒業し、一念発起して上京した泉一。
ある劇団の看板俳優になるも、座長の村田俊太郎(ムロツヨシ)が突然トンズラ。
いくら月日が経とうとも一等賞の夢に取り憑かれたままの泉一(内村光良)は、
単独で海に出ると世界一周を目指すのだが……。
そもそもウッチャンナンチャンの芸を見ても私はさほど笑えません。
本作もやたらゲラゲラ笑っているおばちゃん二人連れはいたけれど、
どこがそんなに面白いのかといった感じ。
ただ、これだけ交友関係の広い人だから、カメオ的に出演している顔ぶれが豪華。
その出方がところどころものすごく可笑しい。
「将来何になりたいの」と泉一に尋ねる小学校教師に大泉洋。
表現部の発足をいとも簡単に許可する校長先生に竹中直人。
泉一に精神科に行くことを勧める教師に田中直樹。
泉一が描いた絵をとんでもない形でコンクールに応募する教師に長澤まさみ。
カメオ出演陣にたまに笑わされながら後半へ突入。
相変わらずイマイチ笑えないなぁと思っていましたが、
仕事で泉一と行動を共にするようになる亀谷頼子役の木村多江が登場してから激変。
木村多江が面白すぎる。この人、やっぱりいい女優さんです。
インストゥルメンタルで流れる曲も同年代ならば楽しい。
沢田研二、クリスタル・キング、山口百恵、爆風スランプ、ミスチルと、
時代の変化に合わせて流れる曲も変わってゆきます。
ひとつのことをきわめるのがいいか、
いろんなことで一等賞を目指すのがいいか。
人の生き方はそれぞれだけど、どっちもあっていい。