『コロンバス』(原題:Columbus)
監督:コゴナダ
出演:ジョン・チョー,ヘイリー・ルー・リチャードソン,パーカー・ポージー,
ミシェル・フォーブス,ロリー・カルキン他
シネ・リーブル梅田にて、前述の『恋恋豆花』の次に。
韓国出身のコゴナダ監督は、博士号論文のテーマが小津安二郎だったほどの小津マニア。
コゴナダという芸名(と呼んでいいのでしょうか)も、
小津作品で多くの脚本を手がけた野田高悟に由来しているそうです。
そんな監督が、アメリカ・インディアナ州コロンバスを舞台に撮った作品。
コロンバスはモダニズム建築の街として知られているそうで。
なるほど、目を惹かれる建築物ばかり。
モダニズム建築の宝庫・コロンバスに韓国からやってきた青年ジン。
コロンバスに暮らす高名な建築学者である父親が倒れたという報せを受けたから。
しかしジンは父親との間に確執を抱えており、とにかく早くここを立ち去りたい。
そんなふうに考えていた折、図書館員ケイシーと出会う。
建築物が好きでたまらないケイシーは、本当はこの地を出てもっと勉強したい。
だが、彼女には看病しなければならない母親がいる。
とことん男運の悪い母親は、心の病に罹って薬に手を出したことがあるから。
ケイシーの案内により、コロンバスの街を巡るジンだったが……。
すっごく期待して観に行ったのですが、ごめんなさい、ところどころ寝ました。
つまらなかったわけじゃないんです。
ゆるゆると話が進むわ、建築物が美しすぎるわで、心地良すぎて。
寝てしまったのは、小津作品をあまり観ていないせいもあるかもしれません。
きっとそこそこ以上に小津作品を観ている人は、
小津へのオマージュもしっかりと感じることができるのでしょう。
入り込めなかったもうひとつの理由は、こうして書くのも憚られますが、
ジン役のジョン・チョーがタイプではない(笑)。
ケイシー役のヘイリー・ルー・リチャードソンはめっちゃキュートで○。
と言っていて思い出した、いちばん好きだったシーン。
ケイシーが街を離れる日、図書館の外の階段に座って同僚男子と話をする。
それまではタバコを吸いながらふたりはよく話していた模様ですが、
ケイシーが彼にタバコを勧めると、「白状してもいいかな。実はタバコは吸わないんだ」。
ちょっと驚くケイシーに、「君と話したくて吸ってた」。
これはとっても切なくていいシーンでした。
同僚男子役がマコーレー・カルキン(『ホーム・アローン』の子役)によく似ていると思ったら、
その弟のロリー・カルキンですって。そっくり~!