『少林寺』
監督:チャン・シン・イェン
出演:リー・リンチェイ,ユエ・ハイ,ユュー・チェンフィ,フー・チェンチャン,ティン・ナン,
ワン・クァン・チュアン,イェン・ディ・ホア,ジャン・ジェン・ウェン,チー・シュンホァ他
大阪市内まで映画を観に行くのは超しんどいと感じる今日この頃ですが、
前日中崎町の有人駐車場のおじさんに顔を覚えてもらっていたのに気を良くして、この日も。
だけどこの日は駐車場からわりと近いテアトル梅田ではなく、遥か遠くシネ・リーブル梅田まで。
「遥か遠く」は大げさか。でもたっぷり15分は歩かねばなりません。
日頃あまり歩かないから、こういうときぐらい歩かなあかんと自分に言い聞かせて。
いろいろと観たい映画はあるけれど、現在の心境として凹むやつは観たくない。
ダンナと弟から「わかってないなぁ」と言われたことを思い出し、
4Kリマスター版公開中のジェット・リーの映画デビュー作を観ることに。
おいっ、この話の展開ならブルース・リーを観ることにするんとちゃうんかいっ。(^^;
1982年の中国/香港作品です。
公開から40年経つというのに、日本の興行成績においていまだにアジア映画としては歴代1位。
実は私はDVDですら観たことがなく、これが初めての鑑賞。
中国、隋朝の末期。鄭の将軍・王世充の暴政に民は苦しめられていた。
脚に楔をつけられて重労働を強いられていた民のうちのひとり、神腿張と呼ばれる武術家は、
仲間が虐げられそうになったのを見て咄嗟に王将軍たちに飛びかかる。
神腿張の息子・小虎も一緒に応戦しようとするが、父親から逃げろと言われる。
王将軍によって自分の父親が殺された無念を胸に、命からがら逃げた小虎は、
たどり着いた少林寺の前で力尽きて倒れる。
彼を見つけた若い僧侶たちと師父が、介抱する許可を上に求めると、
厄介事を寺に持ち込まれたくない和尚は小虎の受け入れを断固として反対するが、
管長は仏の御心で受け入れるべきと言う。
こうして寺の世話になり、やがて僧侶となる道を選ぶ。
しかし父の仇を討ちたいがゆえのこと。殺生は僧侶には許されない。
迷っていたある日、小虎は王将軍に追われていた李世民将軍を助ける。
てな話ですよね。李世民は後の唐の太宗。
少林寺の僧侶たちが李将軍を助け、協力して暴君王将軍と戦い、見事勝利を収めるという。
当時のジェット・リーは本名のリー・リンチェイを名乗っていました。
本作の公開時はまだ20歳にもなっていませんでしたが、
中国武術大会で5年連続総合チャンピオンという、後にも先にもない記録を打ち立てて本作でデビュー。
ほかの出演者も武術の達人でスタント無しなんですと。凄いです。
師父の娘が可愛がっていた犬をうっかり殺してしまい、こっそり埋める段になって、
もったいないから食っちまおうと丸焼きにするシーンなどは、マジかと目が点に。
しかもそこへ師父や師弟たちもやってきて、一緒に食べちゃうんですから。
娘が小虎のことを怒ると、師父も「私も食べたよ〜」と笑って言う。
殺生は禁止と言いながら、悪漢は殺してオッケー♪とバッサバッサ殺しまくり。
これ、本物のお坊さんたちからクレームが出なかったんでしょうか。楽しいけど。
ジャッキー・チェンは引退宣言をしつつも健在ですが、
ジェット・リーは病を抱えて今は簡単な運動もできない状態なのだそうです。
この姿が今は見られないからこそ、今この映画を観られてよかった。