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『サムジンカンパニー1995』

2021年07月15日 | 映画(さ行)
『サムジンカンパニー1995』(英題:Samjin Company English Class)
監督:イ・ジョンピル
出演:コ・アソン,イ・ソム,パク・ヘス,チョ・ヒョンチョル,キム・ジョンス,
   キム・ウォネ,ペ・ヘソン,デヴィッド・マクイニス,ペク・ヒョンジン他
 
シネマート心斎橋にて3本ハシゴの2本目。
 
タイトルからサムスン電子がモデルになっているのだろうと思っていましたが、
斗山電子という会社で1991年に起きた事件をモチーフにしているそうです。
また、鑑賞前、3カ月の勉強でTOEIC600点を目指すOLの話だとも思っていました。
全然ちがいました。(^^;
 
サムジン電子で働くOL、イ・ジャヨン、チョン・ユナ、シム・ボラム。
誰もが羨む大会社に勤めているものの、高卒女子に与えられる仕事は雑用のみ。
上司はもちろんのこと、同僚や後輩のコーヒーの好みを覚えて早く淹れられるように競ったり、
書類を探す後輩男子にサッと差し出したり付き添ったり、それだけ。
 
英語堪能でグローバル化を目指す社長の意向で、
高卒であってもTOEIC600点以上を獲得した者は昇進できることになるが、
たった3カ月で600点なんて絶対無理。
それでも誰もが英会話教室に通い、今やちょっとした英語ブーム。
 
ある日、後輩男子の出張に同行したジャヨンは、
自社工場近くの川で大量の魚が死んでいるのを見つける。
廃水が流れ出る状況も目撃し、課長に報告するよう後輩男子に勧める。
課長はさらに部長に報告、検査をおこなう。
 
検査の結果、廃水には微量のフェノールが含まれていたが、
人体には影響のない程度らしい。
その結果を携えて、後輩男子と共にハヨンは住民に報告と謝罪に行く。
ところがその検査結果が改ざんされていたことを偶然知ってしまい……。
 
課長が怪しいと思っていました(笑)。
でも「課長はキツイけど仕事はちゃんとする」というジャヨンの目は確か。
課長を頼ることができるようになるまでは時間を要しますが、
それまでの彼女たちの奮闘ぶりが凄い。
 
ユナとボラムも面白い。
特にボラムは天才的な数学の力を持っているのに、
会社でやらされている仕事といえば、接待費の辻褄を合わせること。
ジャヨンが見た廃水の状況をザッと聞いただけで
会社が偽りの検査結果を提出していることを見抜きます。
 
新聞記者に話を持ち込んでも裏切られる。
会社では干されてどうにもならないと思ったら、同僚女子が一致団結。
スッキリ爽快な最後が待っています。
 
実際はどういう展開だったのか、
「斗山電子フェノール水道水汚染問題」として論文も書かれているようです。
こんな事件をモチーフにこんな話を思いつくなんて、アッパレ。

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