夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『“アイデンティティー”』

2004年03月09日 | 映画(あ行)
『“アイデンティティー”』(原題:Identity)
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ジョン・キューザック,レイ・リオッタ,アマンダ・ピート,ジョン・ホークス,
   クレア・デュバル,ジョン・マッギンリー,レベッカ・デモーネイ他

ロードショー中に観そびれて後悔していたこの作品。
ジョン・キューザック大好きなもんで、ハズレでもええわとDVDを購入。
全米では公開と同時にかなり話題となりました。
なぜかタイトルに“ ”が付いてるんです。

精神科医がくり返しテープを聞いている。
アパートの住人6人を惨殺した死刑囚と、医師とのやりとりを録音したそのテープ。
最近になってこの死刑囚の日記が見つかり、
そこには刑の執行を中止できるかもしれない内容が書かれていたため、
死刑執行を明日に控えたこの夜、
再審理がおこなわれることになっていた。

場面は替わって豪雨の夜。
路肩に止まっていた1台の車。
夫ジョージはパンク修理のために車のそばにかがみ、
妻アリスは夫に傘を差しかけながら、
車内にいる幼い息子ティミーに向かって微笑んでいる。

しかし、そこへ通りかかった車がアリスをはねてしまう。
加害者エドは、落ち目の女優カロラインのお抱え運転手。
エドはジョージら親子とカロラインを近くのモーテルへ運び込む。
救急車を呼ぼうとするが、凄まじい雨のために電話回線が遮断。

仕方なく、エドはみずから病院へ向かう。
途中、車が故障して途方に暮れていた娼婦パリスと出会う。
2人で病院を目指すが、洪水でどこへも進めない。
モーテルへと戻ってみると、新婚夫婦ルーとジーニーや、
囚人移送中の刑事ロードも居場所を求めてやってきたところだった。

こうして閉ざされたモーテルに集まったのは
管理人ラリーと囚人を含めて11人。
アリスに応急処置をほどこしたあとは、天候の回復を待つしかない彼ら。
やがてひとつめの殺人事件が起こり、
そしてひとり、またひとりと消えてゆく……。

衝撃的などんでん返しが話題になりました。
中盤、「なんや、これ、私でもわかる程度のどんでん返しやん」
と思ったら甘かった。
ひょ、ひょえ~っと震えました。

すんげぇ後味の悪さにもかかわらず、
やっぱりおもしろいと思ったのは90分だからかも。
あっというまに話にのみ込まれ、ぎょえ~というまに終わってる。

しかし、DVD買ってしもたけど、2回観るのはツライなぁ。
ゴ、ゴワイ~。

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アカデミー賞、受賞したのはこんな人〈主演女優編〉

2004年03月04日 | 映画(番外編:映画とこの人)
こちらは初ノミネート、初受賞となった『モンスター』のシャーリーズ・セロン。
LUXのCMなどにも出演していますね。
この人も役作りのためにめちゃめちゃ太り、レズビアンの連続殺人鬼を演じて根性の受賞。
眉毛がないと怖いのよ、ホンマ。

ファッション・モデルあがりの人は裸になることにあまり抵抗がないと言いますが(ホント?)、
この人もモデルあがり。脱ぎまくってます。

『ディアボロス 悪魔の扉』(1997)では
アル・パチーノに洗脳されて「仕事」にハマってゆく夫の傍らで徐々に正気を失う美貌の妻役。
無数の切り傷を負った素っ裸姿でキアヌ・リーヴスの前にあらわれます。

『サイダーハウス・ルール』(1999)は
リンゴ園の収穫人の宿舎サイダーハウスを舞台にした物語。
この宿舎で暮らす青年と恋に落ちる役。
主演は『シービスケット』(2003)のトビー・マグワイア。
彼とのラブシーンでセロンはやっぱり脱いでます。

今回、『パイレーツ・オブ・カリビアン』で主演男優賞にノミネートされていた
ジョニー・デップの妻を演じたのは『ノイズ』(1999)。
宇宙から帰還した飛行士である夫の異変に気づいた彼女は
これまた恐怖におののいて、おかしくなってゆきます。

『裏切り者』(2000)でも悲しい運命の娘。
故リバー・フェニックスの弟で、
兄とはちがった路線で花を咲かせているホアキン・フェニックスの恋人役。
彼女は過って殺されてしまいます。
ここでも、脱ぐ、脱ぐ。

ほかにも天才ゴルファーをマット・デイモンが演じた
『バガーヴァンスの伝説』(2000)や、ロバート・デ・ニーロと共演した『ダイバー』(2000)など、
大物や若手人気上昇中の俳優と共演していること多数。

私は『ミニミニ大作戦』(2003)の格好いい彼女が好きです。
やっと添え物的な役から主演女優になれたという感じがします。

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アカデミー賞、受賞したのはこんな人〈助演女優編〉

2004年03月04日 | 映画(番外編:映画とこの人)
さて、助演女優賞は『コールド・マウンテン』のレネー・ゼルウィガーが受賞。
ショーン・ペンはオスカーなんて興味ないだろうと思いましたが、
ゼルウィガーは「悲願」だったでしょう。なんとなく。

授賞式当日、ムービープラス・チャンネルで
『アカデミー賞授賞式直前LIVE』を放送していました。
クリス・ペプラーとともにナビゲーターを担当していたさとう珠緒が
「レネー・ゼルウィガーさんはコミカルな役が多かったですものね」とコメントしてましたが、
コミカルな役はそんなに多くないっつうのよ。

トム・クルーズと恋に落ちる子持ちの純粋な母親役を演じた
『ザ・エージェント』(1996)でブレイク。
冒険作家のロバート・E・ハワードの伝記映画『草の上の月』(1996)では、
ロバートと親しくなる教師を彼女が演じています。
『ライアー』(1997)では殺される謎の娼婦役。
この映画の主演は『海の上のピアニスト』(1999)の1900役で有名なティム・ロスでした。

末期癌の母親と娘の関係を取りあげた『母の眠り』(1998)。
ゼルウィガーはニューヨークでジャーナリストとして働く娘の役。
母の看病のために帰郷するものの、
平凡な専業主婦として一生を終えようとしている母に
彼女は敬意を払えない。
死を前にした母と娘の心に触れる、いささか優等生的作品ですが、
母親演じるメリル・ストリープとともに演技の見応えはあります。

コメディエンヌとしての才能を発揮したのは『ベティ・サイズモア』(2000)。
暴力亭主が殺されるのを目の前で見てしまったベティは、
ショックのあまり、アタマが変に。
昼メロの人気俳優が自分に惚れていると本気で思い込んでしまい、
その俳優を追って旅に出る。
かなりブラックなコメディです。

そして大ヒットした『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)。
このとき、役作りのために太りに太ったカラダを、
『シカゴ』(2002)のときにはあんなに美しい体型に戻してしまうなんて、
役者魂ってやっぱりスゴイのでした。

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アカデミー賞、受賞したのはこんな人〈主演男優編〉

2004年03月03日 | 映画(番外編:映画とこの人)
ティム・ロビンスの監督作『デッドマン・ウォーキング』(1995)で
死刑囚を演じたのがショーン・ペン。
彼は今回、ロビンスと同じく『ミスティック・リバー』
主演男優賞を受賞しました。
『初体験リッジモンド・ハイ』(1982)で一躍有名に。
これは『ザ・エージェント』(1996)や『バニラ・スカイ』(2001)の監督、
キャメロン・クロウが脚本を書いた伝説の青春コメディです。

愛想なさそうだし、マドンナと別れたのはペンの暴れ癖のせいだという噂で、
行儀の悪いイメージは拭えません。
しかし、自分の意見はキチッと持っている印象があり、
礼を尽くすべき人にはしっかりと尽くす人ではと勝手に思っています。
スピーチでスタンディング・オベーションを受けたのを見て、
彼が俳優として、人間として、みんなに愛されてるんやなと
心から嬉しく思いました。

『シン・レッド・ライン』(1998)では監督への敬意から
「ノーギャラでもいいから出してくれ!」と直訴したそうな。
『ギター弾きの恋』(1999)や『I am Sam アイ・アム・サム』(2001)などなど、
この人も何でもこなせる役者さんですね。

……って、役者なら何でもできるのが当然なのでしょうが、
どんな役を演じてても、なぜか同じに見えてしまう人っていませんか。
演技の上手下手ではなくて、顔の造りってあるのかなぁ。
たとえば、決して嫌いなわけではないですが、
ハリソン・フォードやケヴィン・スペイシー、常磐貴子が私にとってはそうかも。

ショーン・ペンはマドンナと離婚したあと、
ロビン・ライトという女優さんと結婚しました。
マドンナのようなセクシーなイメージではなく、清純派に見えますが、
ところがどっこい、『フォレスト・ガンプ/一期一会』 (1994)では汚れ役。
『モル・フランダース』(1996)では娼婦役を気丈に演じ、
『ホワイト・オランダー』(2002)でもちょっと意地悪な養母役。

やっぱりショーン・ペンの奥さんになろうと思ったら、
このぐらい根性のある人でなければあかんのやろか。
この夫婦は『シーズ・ソー・ラヴリー』(1997)で共演しています。
甘いタイトルとは裏腹に、刑務所帰りのアル中男をペン、
彼から逃げようにも逃げられない妻をライトが演じています。

ついでに、ショーン・ペンの弟はクリス・ペン。
『レザボア・ドッグス』(1991)は印象に残っていますが、
兄がこれほど偉大ではツラかろうと思います。

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アカデミー賞、受賞したのはこんな人〈助演男優編〉

2004年03月03日 | 映画(番外編:映画とこの人)
同じ日本人としては、もし渡辺謙が受賞したら素直に嬉しかったけれど、
ホントに受賞したら逆にものすごいビックリしてたかも。

で、結局、渡辺謙が逸した助演男優賞をゲットしたのは
『ミスティック・リバー』のティム・ロビンスでした。
駆け出しの頃の出演作、『トップ・ガン』(1986)ではどこに出てるのかを探すのもたいへん。
しかし、トム・クルーズとコンビを組む役で控えめに映っています。

『さよならゲーム』(1988)ではケヴィン・コスナーと共演。
この作品中でロビンスの教育係の女性を演じたスーザン・サランドンと
公私ともにパートナーとなりました。
映画と同じくサランドンが「あげまん」だったのか、
ロビンスはその後、男前というわけでもないのに主演が目白押し。

彼の代表作はやはり『ショーシャンクの空に』(1994)。
シリアスな役はもちろんのこと、
メグ・ライアンと共演した『星に想いを』(1994)、『未来は今』(1994)、
『ナッシング・トゥ・ルーズ』(1997)などコミカルなものや、
『隣人は静かに笑う』(1998)のような恐ろしいテロリスト役、
イカレた大企業の社長を演じた『サベイランス 監視』(2000)など、
表情豊かにどんな役でもこなす素晴らしい役者さんです。

監督作としては『デッドマン・ウォーキング』(1995)が有名ですが、
あまり評判がよくなかった『クレイドル・ウィル・ロック』(1999)も私は好きでした。
政治や金持ちを批判するミュージカルが圧力を受けて上演中止に。
なんとか上演しようと奮闘する劇団員の物語です。
この監督作2本にはいずれもサランドンが出演しています。

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