夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『デブラ・ウィンガーを探して』

2004年03月15日 | 映画(た行)
『デブラ・ウィンガーを探して』(原題:Searching for Debra Winger)
監督:ロザンナ・アークエット
出演:ロビン・ライト・ペン,ダイアン・レイン,ジェーン・フォンダ,
   ホリー・ハンター,メグ・ライアン,シャロン・ストーン,
   パトリシア・アークエット,ウーピー・ゴールドバーグ,
   エマニュエル・ベアール,ローラ・ダーン,マーサ・プリンプトン他

『愛と青春の旅立ち』(1982)のヒロイン、デブラ・ウィンガーは
順調にキャリアを伸ばしていたにもかかわらず、
ある日突然引退してしまった。
理由はいったい何だったのか。

女優ロザンナ・アークエットの心に浮かんだ、
こんな疑問から生まれたドキュメンタリー。
1959年生まれの彼女は40代に入ったいま、
女優として、母親としての自分を見つめなおすべく、
仕事と家庭の両立は可能なのかどうか、女優仲間にマイクを向ける。
その数、実に34名。

試みとして非常におもしろいと思いました。
まさに本音トーク。

まず、母親としての彼女たちの思い。
家庭円満と言われている人、離婚した人、さまざまです。

「母親は与えられるものも多いけど、奪われるものも多いの」。
「私にとっては子どもが最優先。それは絶対。
 でも、仕事のオファーが来て、断ったあと、その映画がヒットしたりすると
 さびしく思うことがある。後悔ではないんだけど」。
「子育てが犠牲じゃないなんて嘘。無責任な物言いだわ」。

そして、女優としての思い。

「性格俳優なんて言われる人は男ばっかり。
 女は若くて綺麗じゃないと使ってもらえない」。

男の40代といえばアブラが乗っていい頃合いとされるのに、
女の40代といえばシワやシミが目立ちはじめて下り坂。
40代の女性は普通の40代の女性を描いた映画だって観たいはずなのに、
世間でもてはやされるのは新進女優の映画ばっかり。

こうして女優は誰しもが整形に走るようです。
そんななか、フランシス・マクドーマンドの言葉が痛快。
「私は絶対整形しないとホリー・ハンターと決めたの。
 なぜなら私はいま44歳。10年後には54歳。
 みんなが整形したら、10年後に54歳相応に見える人はいなくなる。
 そしたらその役は全部私にまわってくる」。

ホリー・ハンターがこう話していました。
「映画を通じて、女性を見る目を
 こちら側から育てられたらいいなと思います」。

同世代の女性なら共感できることがいっぱいあるはず。
没頭して聞き入ってしまったインタビュー満載なのであります。

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