夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』

2010年07月13日 | 映画(あ行)
『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』
監督:本広克行
出演:織田裕二,深津絵里,ユースケ・サンタマリア,伊藤淳史,
   内田有紀,小栗旬,小泉今日子,柳葉敏郎他

観てきました。
『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)と同じく、ひとりで。

要らんやろと思いつつ、一応、あらすじを書いておきます。
湾岸署は、高度なセキュリティシステムを導入した新湾岸署へお引っ越し。
引っ越しを仕切る強行犯係長の青島は大張り切り。
ところが、引っ越し作業中に湾岸署管内で不可解な事件がいくつか発生。
銀行強盗やバスジャックなどをやらかしておきながら、
どの犯人も、何も盗まずに立ち去っており、目的がわからない。
そんなこんなの中、湾岸署から青島らの拳銃3丁が盗まれ、
やがてその拳銃を使った殺人事件が起こるのだが……。

ネットの口コミを読んでみたら、酷評の多いこと。
で、期待はせずに観に行ったのですが……私はやっぱり憎めない。(^^;
オープニングの曲を聴いただけで心が躍ってしまいます。

これ、『踊る大捜査線』をまったく観たことのない人が観たら、
何がおもしろいのかさっぱりわからず、
腹立たしさすらおぼえる141分間(長っ!)でしょうね。

だもんで、酷評している人は、
過去の『踊る~』シリーズを未見の人ばかりだろうと思っていたら、
どうやらマニアのほうが怒り心頭のような。
私はマニアの域にはほど遠い、適当なファンだったから、
楽しめたのかもしれませんけど。

過去のゲスト出演者まで続々と顔を出し、
たいしたストーリーとも言えないし、
儲かりゃ良しという姿勢を非難されても仕方ないでしょう。

ツッコミどころも満載。
なんぼ閉じ込められた署員を助け出したい一心だと言っても、
その杭で鋼鉄の壁をぶち破るのはムリやろ。

けれど、どんなシーンも、
その顔ぶれとやりとりを見ているだけで、懐かしく、楽しい。

これは不要だと思ったのは、「死ねばよかったのに」という台詞。
笑って言われても、おもしろくはありません。
逆に、なくて救われたと思ったのは、
「異常者は射殺してしまえばいい」という台詞に対する返答。
もし、これに何か答えていたら、偽善めいて聞こえたと思います。

エンディングはやはり“Love Somebody”で。
劇場には終始笑いが絶えませんでした。お決まりの涙も。

余談ですが、これにも松重豊が出ていてニンマリ。
いつかこの日記で特集したい役者さん。

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『オーケストラ!』

2010年07月08日 | 映画(あ行)
『オーケストラ!』(原題:Le Concert)
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
出演:アレクセイ・グシュコフ,メラニー・ロラン,フランソワ・ベルレアン,
   ミュウ=ミュウ,ドミトリー・ナザロフ,ヴァレリー・バリノフ他

ロシア語とフランス語が飛び交う、フランスの作品です。
前述の『ソフトボーイ』とハシゴしたら、
あちらは少ない観客ながら、釣られて大笑い、
こちらはかなりの入りの観客で、やはり釣られてボロ泣き。
けれど、ユーモラスなシーンもたっぷりです。

ロシアのボリショイ交響楽団に、劇場清掃員として勤務するアンドレイ。
30年前、彼はこの楽団の天才指揮者として崇められていた。
しかし、当時、共産主義のブレジネフ政権下でユダヤ人排斥政策が敷かれ、
ユダヤ系の楽団員を守ろうとしたアンドレイは解雇された。
それでも音楽から離れることはできず、こうして楽団に留まっている。

ある日、楽団の支配人の部屋を清掃中、
パリの名門劇場・シャトレ座から1通のFAXが届く。
何気なく読んでみると、楽団への出演依頼。
アンドレイはとっさにその紙をポケットに突っ込むと、
同じ楽団の仲間だったサーシャのもとへと急ぐ。

支配人も現在の楽団員もこのFAXのことはまだ知らない。
かつての仲間を集めて、俺たちで演奏しようじゃないか。
あまりに大胆な計画にサーシャは呆れるが、
なんだかんだでつきあうはめに。

まずはシャトレ座との有能な交渉役が必要だと、
当時の支配人で共産主義者、楽団員たちを解雇した張本人のイヴァンに面会。
最初はけんか腰だったイヴァンも、話を聞き終えると目を輝かせる。

楽団員55名を集めて、パリへ行こう。
サーシャの現職が救急車の運転手であるのをいいことに、
アンドレイとサーシャは救急車に乗って
かつての仲間を探し始めるのだが……。

『ソフトボーイ』同様、メンバーを集める過程が最高に楽しい。
タクシーの運転手だったり、ポルノ映画の効果音担当者だったり、
さまざまな職場を訪れて、口説くアンドレイたち。
なんとか揃った仲間たちは、パリに行ったら好き放題で、しっちゃかめっちゃか。
空港内で堂々と偽造ビザが作られているのもスゴイ。

ソリストとしてアンドレイが指名するのは、美貌の若手ヴァイオリニスト。
なぜ彼女にアンドレイがこだわるのか、
それが明らかにされるくだりは切なさいっぱい。

見せ場はもちろん最後に。
チャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲』、圧巻です。
音楽って、やっぱり素晴らしい。

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『ソフトボーイ』

2010年07月04日 | 映画(さ行)
『ソフトボーイ』
監督:豊島圭介
出演:永山絢斗,賀来賢人,波瑠,大倉孝二,加治将樹,
   いしのようこ,はなわ,山口紗弥加他

『おっぱいバレー』(2008)のような、
実際にあったエピソードが基になっているそうです。
主演の永山くん、私は知らなかったので、
えらく瑛太に似ている子だなと思っていたら、実弟でした。

ソフトボールの話を観に来たはずなのに、
冒頭のシーンはなぜかフランス料理店の厨房。
続いて、オムレツを焼く青年の姿。
シネコンの劇場を間違えたのかと思いました。

佐賀県立牛津学園高校に通うオニツカ。もうじき3年生。
大衆中華料理店をひとりで切り盛りする母親を手伝いながら、
ひそかにフレンチのシェフになることを夢みている。

ある日、幼なじみのノグチが突然オニツカのもとへ駆け寄る。
授業中であるのもお構いなしにノグチが言うには、
「ソフトボールで全国大会ばいっ!」。

ノグチの説明によると、県内には男子ソフトボール部のある高校がゼロ。
だから、ソフトボール部を創設すれば、無条件に全国大会に出場できる。
高校野球の佐賀代表を見よ、あんなにモテモテではないか。
高校生最後の夏、俺たちもソフトボールで佐賀の星となるのだ!

お調子者のノグチに騙された教頭は、体育教師の澤山に顧問を命じる。
澤山はノグチの不純な動機を見破り、
もしも新入生の入学式翌日までに9名揃えられなければ即廃部だと言い渡す。

9名なんてチョロいものと思いきや、
牛津高校は女子400名に対して男子30名のハーレム状態で……。

とにかく9名揃えるまでの数十分間が傑作。
ヤンキー、デブ、ガリ勉、黒人留学生などなど、
数少ない男子生徒をあの手この手でノグチが勧誘。
バットよりも包丁を握りたいオニツカが
なんだかんだでノグチのペースに巻き込まれ、
ほかのメンバーもいつのまにかその気にさせられてしまいます。

こんなにすぐにソフトボールが上手くなるもんかと、
ソフトボールに対してかなり失礼でしょと思っていたら、
最後はやはりそう甘くはありませんでした。
そのモチベーションが下がったところでのノグチの笑顔と、
1点を懸命に取りに行くナインの姿に不覚にも涙。

劇場で後ろの席にいたオッサン、笑いすぎ。
けれど、それに釣られてみんなが笑う。
こういうのって、DVD鑑賞では味わえない楽しさですね。

そう、「青春とは、思い込みなのだ」。
だけど、やってみらんとわからん。

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『アイアンマン2』

2010年07月01日 | 映画(あ行)
『アイアンマン2』(原題:Iron Man 2)
監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニー・Jr.,グウィネス・パルトロウ,ドン・チードル,
   スカーレット・ヨハンソン,サム・ロックウェル,ミッキー・ローク他

左右に振られるのが苦手です。
前後に一回転は平気ですが、横揺れが入るとオエーッ。
USJの『バック・トゥ・ザ・フーチャー』でも駄目だったので、
私には3Dは永遠に無理だと思っていました。

しかし、大好きなロバート・ダウニー・Jr.の『アイアンマン』。
これでなら、3Dデビューしたいと思ったのに、
「本作は3Dではありません。2D上映です」なのね。ガクッ。
IMAXシアターにて。

さて、アイアンマン3部作の2作目。
1作目を観ていなくてもわかる……なんてことはないので、
必ず1作目を観てからにしましょう。
今回もオープニング&エンディングはAC/DCで。

1作目のラストで、“アイアンマン”であることを自ら公表し、
世間を騒然とさせた男、トニー・スターク。

自身が開発した鋼鉄のパワードスーツに身を包み、
紛争地域を飛び回って悪を撃退する彼の行為は、国家問題に発展。
しかし、ヒーローとして大人気のトニーは、
パワードスーツの秘密を明かせと迫る政府を
まるでおちょくるかのような態度。

そんなトニーに長年の私怨を募らせている男がいた。
その男は、ロシア人のウィップラッシュ。
彼は、トニーが複製不可能だと断言するパワードスーツのバッタモン製作に成功。
モナコGPに出場したトニーの前に現れると、
圧倒的な破壊力を見せつけるのだが……。

軍需産業を肯定しているのか否定しているのか、
正直なところわかりません。
ただシンプルにアクションコメディとして観ています。

ロバート・ダウニー・Jr.は駄々っ子が本当によく似合う。
グウィネス・パルトロウのツンツンしたイメージが、
本シリーズの秘書役では逆に笑いをもたらして、好感度抜群。
初登場のスカーレット・ヨハンソンのアクションにしびれ、
何より嬉しいのはミッキー・ロークの悪役ぶり。
男泣きの『レスラー』(2008)の感動がまだ記憶に新しいので、
哀愁漂う彼の背中にはなんだか愛着が湧いてしまいます。
監督自身も運転手役で毎度登場。実に憎めない容姿。
シリアス路線が多い役者陣がコメディの素質を披露してくれるのも堪まらん。
どんなにいかつい役柄にも、めちゃ可愛げがあるんです。

誰が何と言おうと好きだなぁ、このシリーズ。
エンドロールの後もお見逃しなく。

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