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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2011年12月26日 | 映画(な行)
《な》
『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』(原題:Nanny McPhee)
イギリス/フランス/アメリカ作品。
クリスティアナ・ブランドの児童文学『マチルダばあや』シリーズの映画化第2弾。
イギリスの田舎に暮らすグリーン家。
戦争に行ったパパに代わり、大農場をママが一人で切り盛り。
そんなママの悩みの種は、可愛いけれど騒がしい子どもたち、ノーマン、メグシー、ビンセント。
ある日、ロンドンから親戚の従兄妹、シリルとセリアが疎開してくる。
気取った彼らとグリーン家の子どもたちが合うはずもなく、ママは頭を抱える。
そこへどこからともなく現れたのが、不気味な風貌のナニー(乳母)、マクフィー。
子どもたちの世話は自分に任せろというナニーによって、
いつしか子どもたちは思いやりや力を合わせることを学ぶ。
終始ニッコリ、たまにホロリ、大人が観ても楽しめるファンタジー。
マギー・ギレンホールは、『セクレタリー』(2002)の変態役が別人に見えるほどおおらかなママ役。

《に》
『苦い蜜 消えたレコード』
宮城県仙台市のビートルズ・バー“リボルバー”。
マスターの処女小説が推理小説新人賞の候補になり、発表当日、常連客が集う。
そこに一人の探偵が現れ、以前ここで起きた事件の真相を解明しにきたと言う。
それは、ビートルズ・ファン垂涎もののレア・アルバムの盗難事件で、
犯人と疑われて後に事故死した男性が彼の友人だったらしい。
本当に彼がアルバムを盗んだのか。聞き込みを開始する探偵。
田中健、池上季実子、高橋ひとみという顔ぶれに、ザ・タイガースの森本タローまでいて、
昔の映画かTVドラマかと思ったら、2010年に劇場公開作品。失礼しました。
全員滑舌良し、舞台のお芝居を観ているよう。

《ぬ》
『nude』
引退を発表したAV女優みひろの自伝を映画化。
芸能人になりたいと新潟から上京したひろみは、大学生の恋人と同棲中。
渋谷でスカウトされ、AV出演はしないという条件でヌードモデルになる。
芸名はみひろと決まり、仕事が軌道に乗ると、恋人や地元にバレてしまい、
誰もが冷たい態度を取るように。孤立するひろみ。
AV出演するに至った心情が描かれていないので、
結局流されてそうなっちゃったか~みたいな印象。
本作自体が友人たちへの言い訳に見えてしまうのが残念。
でも、AV女優って立派な肉体労働やん!と思うのでした。

《ね》
『NECK[ネック]』
おばけ製造装置“ネックマシーン”の研究開発に明け暮れる女子大学院生、杉奈。
彼女にぞっこんの友和が玉砕覚悟でコクったところ、
杉奈はニッコリ不気味に笑って、友和をネックマシーンの実験台とする。
四角い箱の中に入って首から上だけを出すこのマシーンは、
首から上で想像した恐ろしいことが、首から下に伝わっておばけを生み出すというもの。
箱に入った状態で、友和のホラー映画鑑賞が始まるが失敗に終わる。
あきらめきれない杉奈は、幼なじみのホラー作家とその担当編集者、友和とともに、
いかにもおばけが出そうな山奥の屋敷へと向かうのだが……。
相武紗季、溝端淳平、平岡祐太、栗山千明の共演。
めちゃくちゃバカバカしいホラーコメディ。でも好きだなぁ、このくだらなさ。

《の》
『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』(原題:Nowhere Boy)
2009年のイギリス/カナダ作品。
ビートルズ結成以前のジョン・レノンに焦点を当てた物語。
1950年代半ばのリバプール。
優しい伯父ジョージと厳格な伯母ミミに育てられたジョンは、
ジョージの急死をきっかけに、伯母の妹で実母のジュリアと再会。
ミミに内緒でジュリアと会うようになる。
奔放なジュリアの影響でロックンロールに夢中になるジョン。
いびつな家族の形ではあるけれど、伯父、伯母、母から愛されていたことはまちがいなし。
ミミ役のクリスティン・スコット・トーマスが圧巻。
愛情表現が下手な彼女の「愛してる」に涙。
撮影当時19歳だったジョン役の俳優は、23歳年上の本作の女性監督と結婚。スゴッ。

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今年観た映画50音順〈た行〉

2011年12月25日 | 映画(た行)
《た》
『食べて、祈って、恋をして』(原題:Eat Pray Love)
ニューヨークでジャーナリストと活躍するリズは、ある日、離婚を決意。
つきあい始めた年下男性とも長続きせず、ほとほと自分に嫌気が差す。
安定した生活を捨て、自分探しの旅へ出ることに。
まずはイタリア、そしてインド、それからインドネシア、バリ島へ。
ジュリア・ロバーツよりもハビエル・バルデム見たさで。
イタリアの旨そうな食事とあちこちの美しい景色を堪能。
サントラ収録曲、ニール・ヤングの『孤独の旅路』を聴いたら、
重松清の著書『せんせい。』を思い出しました。

《ち》
『小さな村の小さなダンサー』(原題:Mao's Last Dancer)
2009年のオーストラリア作品。
中国出身の著名なバレエダンサー、リー・ツンシンの自伝を映画化。
山東省の貧村に生まれた少年、リー・ツンシン。
1970年代、毛沢東夫人が始めた文化政策の一端で、
バレエの才能発掘が各地でおこなわれる。
リーの村にも視察団が訪れ、バレエなど見たこともないリーが選ばれる。
北京の舞踊学校では最初は落ちこぼれで、めそめそするリーだったが、
やがてバレエの素晴らしさに目覚め、練習に打ち込むようになる。
アメリカで認められたリーに帰国命令が出たさいは、
中国人官僚が冷徹なのに対し、米国人はリーのために走り回ります。
米国人目線の映画であることは否めませんが、
芸術が政治に振り回されるさまに胸が痛みました。
故郷に帰るに帰れなかったリーが親と再会するシーンは涙なくしては見られず。

《つ》
『TSUNAMI ツナミ』(英題:Tidal Wave)
2009年の韓国作品。
高さ100mの津波に襲われたリゾート地を舞台にした群像劇。
漁師のマンシクは、幼なじみのヨニに想いを寄せているが、
同じく漁師だったヨニの父親とともに出た漁のさいに荒天に遭い、
ヨニの父親を亡くしたことに責任を感じてヨニにプロポーズできない。
一方、マンシクの弟で海洋救助隊員を務めるヒョンシクは、
救助した女性ヒミからの誘いに困惑している。
その頃、地殻異常を察知した地質学者のキム博士は、
津波を警戒すべきと訴えるが……。
まるで昼メロのベタベタ作品ですが、パニック映画としてはそれなり。
東日本大震災前の公開でした。

《て》
『デザート・フラワー』(原題:Desert Flower)
2009年のドイツ/オーストリア/フランス作品。
ソマリアの貧しい遊牧民家庭に生まれたワリス・ディリーが
世界的トップモデルとなるまでのを綴った自伝を映画化。
一夫多妻の国で13歳にして結婚を強いられたワリスは逃走。
たった一人で都会の祖母のもとへとたどり着き、
その後、ロンドンの大使館でメイドとして働くが、やがてホームレスに。
ダンサー志望のブティック店員マリリンが見かねて同居させる。
ワリスがハンバーガーショップで清掃員を務めていたところ、
一流カメラマンに見いだされ、紆余曲折有りながらもトップモデルに。
サクセスストーリーだと思って観ていたら、それだけではありません。
女子割礼、すなわち女性器切除の現実を知らされて苦しくなりました。
カメラマン役に“ハリー・ポッター”シリーズのピーター・ペティグリュー、ティモシー・スポール。
『英国王のスピーチ』ではウィンストン・チャーチルを演じた人。

《と》
『豆富小僧』
原作は京極夏彦の『豆腐小僧双六道中ふりだし 本朝妖怪盛衰録』。
これも3Dアニメですが、酔いそうな気がしてDVDにて。
江戸時代。妖怪なのに人間を怖がらせることができない豆富小僧。
彼の父親で妖怪の総大将である見越し入道からは叱られてばかり。
そんな毎日がほとほと嫌になった豆富小僧は、母親探しの旅へ。
物知りの達磨先生とともに閉じ込められたお堂から出てみると、
なんとそこは200年後の日本だった。
日本制覇を目論むタヌキが人間を操っていて……。
映画を観たあと原作を読みましたが、まったく別物。
豆腐を持った気弱な妖怪小僧が主人公ということが同じなだけ。
映画では大泉洋の死神様が気に入りました。

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2011年12月24日 | 映画(さ行)
《さ》
『再会の食卓』(原題:團圓)
中国の作品。
上海の老婦人ユィアーは、戦時中だった40年前、夫のイェンションと生き別れる。
消息も不明なまま時が流れ、ユィアーは親身になってくれたシャンミンと再婚。
イェンションの間にすでにいた子どもと、
シャンミンとの間にできた子どもを分け隔てなく育て、
つましくも平穏な日々を送り、今は孫にも恵まれている。
そこへ突然、イェンションから手紙が届く。
台湾で生き延びていたイェンションは、中国に戻ってきていると言う。
イェンションの来訪を歓待しようとするシャンミンと、戸惑うユィアーと子どもたち。
シャンミンの人のよさが最初は理解できません。けれど次第に、これもありなのかなと。
食卓を囲むシーンに和みます。

《し》
『死にゆく妻との旅路』
1年数カ月にわたって癌患者の妻と各地を放浪。
その妻が旅路の途中で死亡したことから、
1999年暮れに保護責任者遺棄致死で逮捕された清水久典による同名手記の映画化。
石川県七尾市で小さな縫製工場を営む久典の人生は、バブル崩壊を機に暗転。
久典が保証人となっていた知人は行方をくらまし、借金総額4,000万円に。
どうにも行かなくなった頃に11歳年下の妻ひとみが大腸癌の手術を受けて退院。
ふたりはワゴン車で宛所のない旅に出る。
三浦友和と石田ゆり子の共演。暗くて、重くて、でも、淡々と。
最後に妻の死を受け入れる夫のシーンは、三浦友和の演技が静かながら素晴らしい。

《す》
『SUPER 8/スーパーエイト』(原題:Super 8)
1979年の夏、オハイオ州。
大好きだった母親を亡くし、保安官の父親と二人暮らしの少年ジョー。
寂しさをまぎらわすように、友人たちと8ミリ映画撮影にいそしむ。
細かな作業が得意な彼は、撮影用の模型製作もお手の物。
ある夜中、家族の目を出し抜いて撮影に集まった彼らは、列車の大事故を目撃。
以来、町では不可解な現象が起こり始める。
やがて、事故には軍が関与していることをジョーの父親は突き止める。
軍がひた隠しにしようとしているものは何なのか。
それが偶然ジョーたちの撮影したカメラに映っていることがわかり……。
自分たちで映画をつくる映画と言えば、これとかこれとか。
どれも憎めず、世間の評価がどうであろうと私は好き。心が躍りました。

《せ》
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』(原題:Battle: Los Angeles)
海兵隊の2等軍曹ナンツは、入隊して20年経った今が潮時と考え、退役願を出す。
ところがその直後、世界各地に突然、大量の隕石が降ってくる。
当初は流星群の落下かと思われたが、世界20の大都市に何者かが意図的に隕石を落としたこと、
しかもその何者かの正体がエイリアンで、地球を侵略しようとしていることがわかる。
陸海空軍総出で地球を守るために動きだし、ナンツも任命を受ける。
ナンツは若手の海兵隊員を従え、ロサンゼルス西警察署へ向かう。
ここに逃げ込んだまま取り残された民間人5名を救出するのだ。
めっちゃシンプルで無駄のない娯楽作。シンプルとはいうものの、
過去に部下を死なせたことのあるナンツとそれが許せないでいる隊員のやりとりや、
エイリアンと対決した末に死亡してしまった民間人の男性と息子のシーンには、涙腺がゆるり。
ミシェル・ロドリゲスは、女ボクサーを演じて話題になったデビュー作『ガールファイト』(2000)の後、
すっかり肉体派で、本作でも女も男もほれぼれする空軍の兵士役。

《そ》
『その街のこども 劇場版』
2010年1月にNHKで放映された同名TVドラマの劇場版。
小学生の頃に神戸で震災を体験した勇治は、今は東京暮らしのサラリーマン。
1月16日、広島へ出張に向かう途中、衝動的に新神戸で新幹線を降りる。
彼に三宮から御影までどれぐらいかかるかと尋ねてきたのが、
中学生の頃に神戸に住んでいた女性、美夏。
彼女は御影の祖母宅へ行き、明朝までに三宮に戻って来て、
“追悼のつどい”に参加するつもりだと言う。往復徒歩で。
それになんとなくつきあわされてしまう勇治。
イマイチだったと言ってはいけない雰囲気があります。
ただ、サトエリの不自然な関西弁が気になって没頭できず。

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今年観た映画50音順〈か行〉

2011年12月23日 | 映画(か行)
《か》
『怪盗グルーの月泥棒』(原題:Despicable Me)
3Dで公開されたアニメですが、ゲロ酔いしそうな私はレンタルにて。
心を鷲掴みにされて即座にDVDを購入した作品。
自称世紀の大泥棒グルーの生き甲斐は、世界中があっと驚くものを盗むこと。
天然ボケのバナナたちによる怪盗軍団“ミニオン”を従え、案を練る日々。
月を盗めば話題になるにちがいないと思いつく。
宿敵ベクターの目を欺くため、養護施設から幼い3人姉妹を養女として迎え入れるのだが……。
泥棒に子どもを利用するなんてとヒドイやっちゃと思いきや、
グルーの声役が『ラブ・アゲイン』のスティーヴ・カレルですからね、
とびっきりユーモラスで心ぬくぬくの物語。参りました。

《き》
『キャタピラー』
本作で主演の寺島しのぶはベルリン国際映画祭最優秀女優賞を獲得。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)の若松孝二監督の作品。
出征していた久蔵が戦地から戻ってくるが、その姿はまるで芋虫(キャタピラー)。
四肢を失い、顔が焼けただれた久蔵を見て、妻のシゲ子は絶句。
しかし、村民は久蔵を英雄として扱い、「軍神さん」と奉る。
口もきけない「軍神さん」が露わにするのは食欲と性欲のみ。
その世話をたった一人でしなければならないシゲ子。
これも反戦映画と言えるでしょう。あんな絡みのシーンはご勘弁。

《く》
『クロエ』(原題:Chloe)
2009年のアメリカ/カナダ/フランス作品。
フランスの作品『恍惚』(2003)のリメイク。
産婦人科医のキャサリンは、大学教授の夫デビッドの浮気を疑う。
好みの女から誘われたら夫はどんな態度に出るのか。
それを知りたいと思うキャサリンは、偶然出会った若い美貌の娼婦クロエに、
夫を誘惑してみてほしいと頼む。
『恍惚』では見事に騙された展開も、このリメイクでは見え見え。
クロエの話はすべてクロエを通してしか見せられていないことにすぐ気づいてしまいます。
あれ?これってすべて作り話?と疑念がよぎるのは時間の問題。
アトム・エゴヤン監督の作品だったので期待大でしたが、萎えそうなエロ。
しかもラストに悲惨なオチを用意したために、
『危険な情事』(1987)のようなちょっとしたホラー張りのサスペンスに。

《け》
『GAMER』(原題:Gamer)
2009年のアメリカ作品。
役者であり弁護士でもある異色の男前俳優、ジェラルド・バトラー主演。
近未来、“スレイヤーズ”と呼ばれるオンラインゲームが大人気。
キャラクターは生身の人間で、全員が死刑囚。
彼らはナノ細胞を脳の運動皮質に埋め込まれ、プレイヤーが見る画面の中で、
実際にサバイバルゲームを繰り広げる。生き残れば釈放。
無実の罪で投獄されたケーブルは、天才プレイヤーの少年に操作されながら、
妻と娘に再会して冤罪を晴らすために戦闘を続ける。
『バトルランナー』(1987)の過激版。なのに印象薄し。

《こ》
『恋とニュースのつくり方』(原題:Morning Glory)
原題は“Morning Glory”、この邦題は王道
失業したばかりのTVプロデューサー、ベッキーは、
ニューヨークのローカルTV局に採用されるが、
任されたのはいつ打ち切られても不思議ではない早朝の情報番組。
視聴率を上げるため、ベッキーは伝説の報道キャスター、マイクに依頼。
マイクがなんとか承諾してくれて喜んだのも束の間、
プライドの高いマイクは、パートナーを務めるお局キャスター、コリーンと、
徹底的にそりが合わず、衝突を繰り返す。
このままでは番組打ち切りだと上司から宣告されて……。
マイクにハリソン・フォード、コリーンにダイアン・キートンという大御所、
ベッキーには『きみに読む物語』(2004)や『きみがぼくを見つけた日』(2009)のレイチェル・マクアダムス。
元気がもらえる作品として太鼓判。

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今年観た映画50音順〈あ行〉

2011年12月22日 | 映画(あ行)
恒例におつきあいください。
良くも悪くも思いついた順に、五十音順に1本ずつ。
今年封切orレンタル開始で、なおかつ、書いていない作品を。
製作年が2009年以前の作品についてはそれを明記しています。
これらは基本的に去年もしくは今年公開され、今年DVD化された作品です。
ネタバレ御免。

《あ》
『アメイジング・グレイス』(原題:Amazing Grace)
2006年のイギリス作品。
誰もが知っている賛美歌“アメイジング・グレイス”にまつわる実話を映画化。
18世紀後半のイギリス。若き政治家ウィリアム・ウィルバーフォースは、
自国の収入の大半が奴隷貿易から得られたものであることに心を痛めている。
このまま政治家でいるべきか聖職者の道を歩むべきか悩んでいたとき、
政治家でいるようにと諭したのが、かつての奴隷船の船長で、
そののちに牧師となったジョン・ニュートン。
彼がその罪を悔いてしたためたのが“アメイジング・グレイス”の詞。
非常に見応えのある気高き作品。

《い》
『今、このままがいい』(英題:Sisters on the Road)
2008年の韓国作品。
異父姉妹のミョンジュとミョンウン。
姉のミョンジュは済州島の実家で母の魚屋を継いでいる。
妹のミョンウンはソウルの大企業に勤めるキャリアウーマン。
母親急死の知らせを受け、故郷に戻るミョンウン。
これをきっかけに、姉妹はミョンウンの父親を探す旅に出ることになり……。
外見も中身も正反対のふたりの間に、昔からなんとなくあった距離。
喧嘩しながらのほほんと進むストーリーかと思いきや、
泣かされること必至の秘密が明らかに。

《う》
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』
同名ライトノベルの映画化。
幼い姉弟の失踪と、連続通り魔殺人事件に揺れる町。
まーちゃんは一人暮らしのキュートな高校2年生。
しかし、幼少の頃に遭った事件のトラウマから、人と一切つきあおうとしない。
そんなまーちゃんが唯一心を開く相手が、幼なじみのみーくん。
ある日、みーくんがまーちゃんの部屋を訪ねると、
そこには行方不明のはずの小学生姉弟が。まーちゃんが拉致監禁しているなんて。
まーちゃんを守りつつ姉弟をなんとかしなければと奮闘するみーくん。
登場人物が時折カメラ目線で鑑賞者に「嘘だけど」と言い放つ異色の構成。
ポップな映像と裏腹にかなり残虐な物語。
みーくん役は、『アントキノイノチ』で自殺した生徒を演じた染谷将太。印象のちがいにびっくり。

《え》
『エクスペリメント』(原題:The Experiment)
『es[エス]』(2001)のハリウッド・リメイク。
職を失ったばかりのトラヴィスは、日当1,000ドルに惹かれて、
ある大学でおこなわれる実験の被験者に応募する。
被験者24名が刑務所と同じ環境下で看守役と囚人役に分かれ、
14日間を過ごすこの実験は、わずか6日間で中止になった実在の心理実験。
置かれる立場が人間の本質をむきだしにする恐怖。めちゃくちゃ怖い。
『インシテミル 7日間のデスゲーム』(2010)よりずーっとおもしろい。

《お》
『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』(原題:Hot Tub Time Machine)
アメリカ作品。未公開。
原題は“Hot Tub Time Machine”。
『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』(2006)をパクった邦題から、
当然B級、もしかしたらC級かと不安になりつつ。
学生時代からの悪友で、ツキに見放されているアダムとルーとニックは、
気晴らしにスキーを計画。アダムの甥でオタクのジェイコブもなぜか同行。
学生当時は華やかだったスキーリゾートへ向かうが、
昔の名残は何処へ、閑散とした様子に気晴らしどころか撃沈。
露天のジェットバスに入ると、いきなり24年前にタイムスリップ。
当時をやり直して、その後の人生を変えようと試みる。
下ネタと懐メロ満載。1980年代に学生だった方々に。

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