めいすいの写真日記

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METオペラ ベルク作曲「ヴォツェック」

2021-08-16 | オペラ・バレエ

                                         WOWOW 8/14

 妻に裏切られ、上官に虐げられる兵士の悲哀!人生の不条理をえぐり、深い感動を与える20世紀の傑作オペラ

【作曲】アルバン・ベルク
【演出】ウィリアム・ケントリッジ
【管弦楽】ヤニック・ネゼ=セガン指揮:メトロポリタン管弦楽団
【出演】
 ヴォツェック・・・ペーター・マッテイ
 マリー・・・エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー、
 鼓手長・・・クリストファー・ヴェントリス
 医者・・・クリスチャン・ヴァン・ホーン
 上映時間:1時間54分
 MET上演日:2020年1月11日
 言語:ドイツ語

【あらすじ】
19世紀初めのドイツ。貧乏兵士のヴォツェックは戦地では上官に虐げられながらもじっと耐え、
戻ってからは、愛人のマリーと子供を養うため、医師の人体実験の被験者になっている

 貧乏暮らしに疲れたマリーは、鼓手長の誘いに乗り、ヴォツェックを裏切る

 彼女の浮気に気づいたヴォツェックは、酒場で踊るマリーと鼓手長を目撃し、マリーへの殺意を抱く。

 貧困にあえぎながら妻と子を養う男に忍び寄る人生の魔の手、果たしてその結末とは・・・。

 【音楽】
   アルバン・ベルクは、魔性の女を描いた名作オペラ「ルル」を作曲し
20世紀の音楽界に重要な地位を占める新ウィーン学派の一角にある。
 第一次世界大戦に参加し、上官の不当なパワハラなど自身の軍隊での体験が「ヴォツェック」に反映
されていると言われている。
 このオペラでは、精緻で透明な音楽で現代社会の歪みを描き出した。

【演出】
 現代を代表する美術アーティストのウィリアム・ケントリッジ。METのデビュー作「鼻」、
そして「ルル」を演出、ドローイング・アニメを駆使し、オペラに新風を吹き込んだ。
 3作目の「ヴォツェック」でも現代に通じる混沌とした世界をドローイングを多用して描いている。
どこまでが装置でどこまでが映像なのかと区別が出来ぬほどの混然とし、刻々と変化する舞台づくり
は見事である。

一方、マリーの息子が難病を患っているという解釈で、異形の人形で表現されていることには無情を感じざるを得ない。

(了)