子どもたちにも読めるように書いた「ねはんえ」。
大きな文字に思わず引っ返してUターン。
呼び鈴を押して突然の取材をお願いした王寺町本町の岩松寺(がんしょうじ)。どうぞのお言葉に・・・ありがたいご縁をいただく。
掲示板に書いてあった「ねはん会」に“だんごまき”もある。
本堂でされるのだろう。
会式が始まる時間は午後6時半だ。
お願いにあがった時間は、それより3時間前の午後3時半。
時間を潰すにはどこかで一休憩するしかない。
近くのスーパーなどあれこれ廻って再びやってきた岩松寺。
その道先にある神社。
ここ国道18号線を走る度に気にかけていた神社である。
細い道を軽バンで行く。
角を曲がったところにあった神社は片岡神社。
どなたもおられなかった神社に独り参拝する。
時間調整をした後に車を移動。
挨拶させていただいいたK住職の許可をもらって駐車した寺の駐車場。
実際は、K家の駐車場。
参拝者用の駐車場はない。
国道168号線沿いにある達磨寺が有名であるが、ここ岩松寺は道路隔てた達磨寺の向かい側。
融通念仏宗派のお寺さん。
最近になって本堂を改築した、という。
その本堂にあがらせてもらった。
平成26年11月に竣工された本堂は観音堂。
内陣の真上の天井を見てください、と云われたそこに数々の彩色画がある。
子どもたちにも描いてもらった天井絵。
その枚数は数えきれないほどに多い。
お供えは涅槃会に相応しい団子である。
昨年までは50kg。
今年はやや少なくなったが、それでも40kgの餅粉で作ったという涅槃の団子。
前日に作った団子であるが、ここら辺りでは珍しい、という。
これまでの涅槃の団子作りは、檀家のお家で作っていた。
何軒かの人たちそれぞれで団子搗きをして丸めていた。
たぶんに廻り当番の檀家家でしていたと思われる団子搗き。
作った団子は、お寺さんに寄進奉納する。
その形式であったが、現在はお寺で作るように切り替えたそうだ。
新しく表装しなおした涅槃図の前に供えた涅槃の団子。
その右側に見られる御供。
仏具の御供は立て御膳。
生蓮根に紅白1本ずつ棒寒天。
もう一つはブロッコリーだ。
時間ともなれば檀家さんたちがやってきた。
今夜の涅槃会に手を合わす檀家さん。
母親に連れられてきた子供たちも手を合わせていた。
美しく輝く脇仏にも涅槃の団子を供えた。
ローソクを灯してそろそろ始めようかとする岩松寺のねはん会である。
檀家の男性は7人、女性は8人。
母親、父親と連れだってやってきた王寺小学校の生徒たちに子供らも座った。
男の子、女の子は半々くらい。
昔は、集まって参列された人たちで本堂いっぱいに広がったそうだ。
その数、100人にも・・。
そして始まった涅槃の法会。
導師のご住職が香を焚く。
キンを打って鳴らす。
そして礼拝されて内陣に着座。
融通念仏勤行を声明されて・・「願わくば・・・」。
~・・「ゆうずうねんぶつ なんあみだぶ、なむあみだぶ・・」。
二つ並べた伏し鉦は2丁の撞木(しゅもく)。
ご住職の息子さんが打っていた。
~・・本日、涅槃、先祖代々、過去帳詠み~なむぁだぶ、なむあみだぶ~・・・。
水難、交通事故~なむあみだぶつ~・・を経て先祖回向。
~・・追善菩提のためになむあみだぶつ。
そして献上された人たちの名を詠みあげる。
涅槃団子を作った人たちにもなむあみだぶ~。
本日、身体堅固になむあみだぶ、三界万霊、平等利益になむあみだぶ~・・・願似此功徳~・・。
ただ、法会の間の焼香はなかったようだ。
法会が終わった本堂。
いつの間にか、溢れるほどの参拝者でいっぱいになっていた。
午後7時過ぎからはじまったご住職の法話。
「そもそも涅槃っていったい何でしょうか。それはお釈迦さんが亡くなられたとき。それを入滅といいます。お釈迦さんが亡くなるとわかったのか、沙羅双樹は黄色い色になりました。52種の動物が、お釈迦さんの周りに集まってきました。一番はじめに牛。そして、鼠。牛の背中に乗ってきた鼠。そのとき、です。背中に乗っていた鼠がピョン、と降りました。そういうわけで鼠が一番。干支十二支の謂れです。また、涅槃図には猫も描かれた図もあるようです」と、子どもたちにもわかりやすくお話してくださる。
法話の次は涅槃の団子撒き。
先に回向されて団子を撒く。
奈良県内で涅槃の団子撒きをするお寺は少ない。
岩松寺は、これまで通りに団子撒きをする。
K住職は63歳。
子どものころのお寺は、ここで紙芝居をしていたそうだ。
紙芝居だけでなく幻灯機もしていた、という。
今の時代では見ることもない幻灯機。
懐かしい道具で投射していた映画を見ていたころを思い出す。
ゲーム時代になって参拝者も減ったが、今では復活。
大勢が参拝してくれる今日に感謝する、と話される。
団子撒きは、畳床の上をコロコロ転がす。
奇麗な畳床だから、子どもたちにも安心できる場。
優しく転がしたら子供たちが群がるように団子取りに興じる。
実は、3月の春の彼岸会のときも涅槃会と同様に法会をしていた。
団子撒きをまとめてすることで負担を軽減。
団子搗きもお寺でするようにしたのは檀家の負担軽減でもある。
ご近所の奥さんたちも集まって作ってくれた団子。
前夜の11時までかけて作った大量の団子。
今夜は、30人もの人たちが集まって賑やか。
今夜に撒いて笑顔になる子供にあげたい、と云っていたご住職。
団子を撒く人たちは檀家総代や寺世話の人たち。
子どもも大人もみな笑顔が溢れていた。
涅槃会を終えた翌月の4月8日は午後3時より「花まつり」をされる。
子どもたち、一人ずつが花を持ってきて花御堂に添える。
今年は、お寺の年季が入ってやくなく4月7日になるが、翌年は正に戻って8日。
涅槃会に続いてご承諾いただいた。
ありがたいご縁である。
また、融通念仏特有のご回在もある。
昔は10月4日だったが、今は2日。
2日の前倒しは、おそらく山行きのある年ではないだろうか。
(H30. 3.15 SB932SH撮影)
(H30. 3.15 EOS40D撮影)
大きな文字に思わず引っ返してUターン。
呼び鈴を押して突然の取材をお願いした王寺町本町の岩松寺(がんしょうじ)。どうぞのお言葉に・・・ありがたいご縁をいただく。
掲示板に書いてあった「ねはん会」に“だんごまき”もある。
本堂でされるのだろう。
会式が始まる時間は午後6時半だ。
お願いにあがった時間は、それより3時間前の午後3時半。
時間を潰すにはどこかで一休憩するしかない。
近くのスーパーなどあれこれ廻って再びやってきた岩松寺。
その道先にある神社。
ここ国道18号線を走る度に気にかけていた神社である。
細い道を軽バンで行く。
角を曲がったところにあった神社は片岡神社。
どなたもおられなかった神社に独り参拝する。
時間調整をした後に車を移動。
挨拶させていただいいたK住職の許可をもらって駐車した寺の駐車場。
実際は、K家の駐車場。
参拝者用の駐車場はない。
国道168号線沿いにある達磨寺が有名であるが、ここ岩松寺は道路隔てた達磨寺の向かい側。
融通念仏宗派のお寺さん。
最近になって本堂を改築した、という。
その本堂にあがらせてもらった。
平成26年11月に竣工された本堂は観音堂。
内陣の真上の天井を見てください、と云われたそこに数々の彩色画がある。
子どもたちにも描いてもらった天井絵。
その枚数は数えきれないほどに多い。
お供えは涅槃会に相応しい団子である。
昨年までは50kg。
今年はやや少なくなったが、それでも40kgの餅粉で作ったという涅槃の団子。
前日に作った団子であるが、ここら辺りでは珍しい、という。
これまでの涅槃の団子作りは、檀家のお家で作っていた。
何軒かの人たちそれぞれで団子搗きをして丸めていた。
たぶんに廻り当番の檀家家でしていたと思われる団子搗き。
作った団子は、お寺さんに寄進奉納する。
その形式であったが、現在はお寺で作るように切り替えたそうだ。
新しく表装しなおした涅槃図の前に供えた涅槃の団子。
その右側に見られる御供。
仏具の御供は立て御膳。
生蓮根に紅白1本ずつ棒寒天。
もう一つはブロッコリーだ。
時間ともなれば檀家さんたちがやってきた。
今夜の涅槃会に手を合わす檀家さん。
母親に連れられてきた子供たちも手を合わせていた。
美しく輝く脇仏にも涅槃の団子を供えた。
ローソクを灯してそろそろ始めようかとする岩松寺のねはん会である。
檀家の男性は7人、女性は8人。
母親、父親と連れだってやってきた王寺小学校の生徒たちに子供らも座った。
男の子、女の子は半々くらい。
昔は、集まって参列された人たちで本堂いっぱいに広がったそうだ。
その数、100人にも・・。
そして始まった涅槃の法会。
導師のご住職が香を焚く。
キンを打って鳴らす。
そして礼拝されて内陣に着座。
融通念仏勤行を声明されて・・「願わくば・・・」。
~・・「ゆうずうねんぶつ なんあみだぶ、なむあみだぶ・・」。
二つ並べた伏し鉦は2丁の撞木(しゅもく)。
ご住職の息子さんが打っていた。
~・・本日、涅槃、先祖代々、過去帳詠み~なむぁだぶ、なむあみだぶ~・・・。
水難、交通事故~なむあみだぶつ~・・を経て先祖回向。
~・・追善菩提のためになむあみだぶつ。
そして献上された人たちの名を詠みあげる。
涅槃団子を作った人たちにもなむあみだぶ~。
本日、身体堅固になむあみだぶ、三界万霊、平等利益になむあみだぶ~・・・願似此功徳~・・。
ただ、法会の間の焼香はなかったようだ。
法会が終わった本堂。
いつの間にか、溢れるほどの参拝者でいっぱいになっていた。
午後7時過ぎからはじまったご住職の法話。
「そもそも涅槃っていったい何でしょうか。それはお釈迦さんが亡くなられたとき。それを入滅といいます。お釈迦さんが亡くなるとわかったのか、沙羅双樹は黄色い色になりました。52種の動物が、お釈迦さんの周りに集まってきました。一番はじめに牛。そして、鼠。牛の背中に乗ってきた鼠。そのとき、です。背中に乗っていた鼠がピョン、と降りました。そういうわけで鼠が一番。干支十二支の謂れです。また、涅槃図には猫も描かれた図もあるようです」と、子どもたちにもわかりやすくお話してくださる。
法話の次は涅槃の団子撒き。
先に回向されて団子を撒く。
奈良県内で涅槃の団子撒きをするお寺は少ない。
岩松寺は、これまで通りに団子撒きをする。
K住職は63歳。
子どものころのお寺は、ここで紙芝居をしていたそうだ。
紙芝居だけでなく幻灯機もしていた、という。
今の時代では見ることもない幻灯機。
懐かしい道具で投射していた映画を見ていたころを思い出す。
ゲーム時代になって参拝者も減ったが、今では復活。
大勢が参拝してくれる今日に感謝する、と話される。
団子撒きは、畳床の上をコロコロ転がす。
奇麗な畳床だから、子どもたちにも安心できる場。
優しく転がしたら子供たちが群がるように団子取りに興じる。
実は、3月の春の彼岸会のときも涅槃会と同様に法会をしていた。
団子撒きをまとめてすることで負担を軽減。
団子搗きもお寺でするようにしたのは檀家の負担軽減でもある。
ご近所の奥さんたちも集まって作ってくれた団子。
前夜の11時までかけて作った大量の団子。
今夜は、30人もの人たちが集まって賑やか。
今夜に撒いて笑顔になる子供にあげたい、と云っていたご住職。
団子を撒く人たちは檀家総代や寺世話の人たち。
子どもも大人もみな笑顔が溢れていた。
涅槃会を終えた翌月の4月8日は午後3時より「花まつり」をされる。
子どもたち、一人ずつが花を持ってきて花御堂に添える。
今年は、お寺の年季が入ってやくなく4月7日になるが、翌年は正に戻って8日。
涅槃会に続いてご承諾いただいた。
ありがたいご縁である。
また、融通念仏特有のご回在もある。
昔は10月4日だったが、今は2日。
2日の前倒しは、おそらく山行きのある年ではないだろうか。
(H30. 3.15 SB932SH撮影)
(H30. 3.15 EOS40D撮影)