JOHN TAYLORをあまり聴いたことがありません。Kenny Wheelerと、かなり一緒だけどKenny Wheeler自体もあまり聴いた事がありません。
ECMのピーター・アースキンのトリオでの演奏は聴いていますが、音数の少ない、ハーモニックな少し地味な印象が強い人です。
ただ評判が良いので是非しっかり聴いてみたいと思っていました。
このアルバムそのような中でベースのPalle Danielssonが聴きたくて購入です。
1曲目の出だしのピアノとそれに続くベースのDUOのような出だしでまず息を呑んでしまいます。Taylorともに演奏しているKenny Wheelerの曲ですが、とても集中していくような演奏です。
2曲目は TAYLORのタイトル曲“WHIRLPOOL”という曲です。ジャケの絵画にもあるように渦巻きのような動きのある曲で、私としてはやはり低音で聴こえているdanielssonnのベースラインが凄いと思える曲です。
3曲目、このピアニストはメロディの音を減らし、ハーモニックにまとめる感じなので、低音のベースラインがとても効いてきます。もしくはダニエルソンにそこの音程を任しているような上手い兼ね合いを感じます。
4曲目もKenny Wheelerの曲で、ゆったりとしたアルバムの雰囲気を表しています。
5曲目はTAYLORの“THE WOODCOCKS”という内省的な表現で始まり、リズムに乗ったメロディアスな動きに変わっていく、このアルバムの魅力ではないでしょうか。
6曲目が“I LOVES YOU PORGY ”なのは驚きです。とてもストレートな表現で、たとえばジャレットのソロ・コンサートで演奏する“オーバー・ザ・レインボー”に似た雰囲気です。
とても上手い具合に安心する、そして実力を感じる曲になります。
このアルバム、john taylorとしてはとても変化も入れた特徴あるアルバムのように感じます。とても良い、動と静がとても美しく整ったように聴こえてきます。
じゃぁ、私の題は何なんだということになります。勝手な印象ですが、聴きながら思い浮かんだものです。特にアルバムの中の静的な部分に感じたことです。
テレビなどで、素晴らしい青磁などをの紹介をするときに、器の周りをカメラがゆっくり回りながら写していることがあります。
青磁という、そのもの自体で美しさを体現するものが中心にあり、それを回るように映しながら、それを含めたものを(たとえば床の間のわびの美しさとか)表現する方法があるように思います。
このアルバム、そのような見つめる様なものを感じます。
飾る器は色々あるでしょうが、青磁という、一つの色の奥深さで表現するものを観るように、このアルバムを聴いています。
whirlpool / john taylor
JOHN TAYLOR(p)
PALLE DANIELSSON(b)
MARTIN FRANCE(ds)
1 CONSOLATION
2 WHIRLPOOL
3 FOR ADA
4 NICOLETTE
5 THE WOODCOCKS
6 I LOVES YOU PORGY
7 EVERYBODY'S SONG BUT MY OWN
8 IN THE BLEAK MIDWINTER