JAZZ最中

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神に祝福された遊戯 フーガの技法 / QUARTETTO CLASSICO

2016-04-13 21:48:21 | チェロ無難


重たい思いをしてオクサンの実家からCDを持ち帰ってほんのちょっとの小遣いかせぎをしたけれど、整理していて売らなかったアルバムがいくつか手元に残った。売らなかったのは、チェロの長谷川陽子さんのアルバム2つと山下洋輔のアルバム2つ、大橋美香さんのヴォーカルでどれもサインいりだからどこかの会場で聴いて買ったものだろう。

これはそのうちの一つでQUARTETTO CLASSICOと言うグループがバッハの「フーガの技法」を演奏したもの。
「QUARTETTO CLASSICO」というグル―プはしらないからネット入力すると外国の人たちの写真も出てくるけれど、どうやら東京芸術大学及び同大学院卒業生により結成された日本のカルテットのようです。

このレコーディングについてチェロの田崎氏が書いていますが、それはまさに神が与えた状況でした。
末期癌の宣告を受けた友人であるオルガにストk氏が彼らにこう依頼しました。
「私はこのまま終わっても構わないが、両親に先立つのがとても済まないとと思う。葬式の代わりに親父の好きなフーガの技法を弾いてもらえないだろうか。」と
そして同時に未完のまま弾き終えることと、そのまま続けて“おお人よ,汝の大いなる罪に泣け
2のコラールを演奏することでした。
そして半年後、彼の旅立ちとともにこの曲は彼のご両親の前で鳴り響きました。

出だしの大好きなテーマはオルガンで頭にインプットされているからか、弦楽4重奏でもオルガンの様に聞こえるからおもしろい。
バイオリンとは違いが判るけれど、ヴィオラとは聞き違えることがあるチェロ、このところチェロ耳になっているから、そこら辺のチェロに預けるパートをきいているとこれが楽しい。
オルガンで聴くよりも弦の揺らぎみたいなものが加わったこのアルバム、その分とても和ませるフーガの技法です。

降ってわいたようなオルガン曲のカルテットへの編集は苦闘の道だったそうですが、神があたえたような素晴らしい遊戯となりました。
揺らぎのある安らかな演奏は、もちろん解説をよんだからですが、レクイエムの様でもあり、これ大推薦です。

それにしてもこの人たち、全曲暗譜だそうで、信じられない。


フーガの技法 / QUARTETTO CLASSICO

古典四重奏団 (QUARTETTO CLASSICO)

[VC]: 田崎瑞博 (TASAKI MIZUHIRO)
[VN]: 花崎淳生 (HANAZAKI ATSUMI)
[VN]: 川原千真 (KAWAHARA CHIMA)
[VA]: 三輪真樹 (MIWA MAKI)

「フーガの技法」BWV1080(カノンを除く全曲)|「オルガン小曲集」
「おお人よ,汝の大いなる罪に泣け」
コメント
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