ちょっとハードな仕事をして帰ってきてblogをみたら、ブラッド・メルドーの新しいアルバムが届くと喜んでいる人がいる。そんなことは知らなかったので、アンりゃと思っていたら、翌日の昼休み近場のショップで1,480円でならんでいたのは、疲れた心身へのご褒美になりました。
メルドーの現在のトリオの演奏で、2011年の最新のものが3曲、3,8,10曲目、残りが2008年の演奏です。
昨年出た、このトリオの2006年のライブのアルバムを私のその年ベスト3に選んだから、新しいスタジオ録音は必聴ですぐ聞くことが出来てよかったです。
1曲目、とても緊張感のあるはじまり、最強のサポートを従えてのメルドーです。
聴きはじめて思い浮かんだのが、2009年の録音されたアルバム「Higway Rider」、この2枚組みのアルバムのDISK2で“INTO THE CITY”という曲がトリオ演奏でした。
このアルバムはロード・ムービーのようにテーマが連なっていましたが、とてもメルドーが解りやすくなったことを覚えています。ひところメルドーが頭でっかちのようで、離れたのですが、このころからまた必ず聞く人になって昨年のベストですた。
今度のアルバム、新しい録音3曲目“26”が素晴らしい、吹っ切れたようにインプロヴィゼーションに疾走する気迫が伝わって、ライブで聴いていたならば、ちらがうなり声を上げていると思います。
4曲目に入ると今度は一変、思索的なスローのバラッド、ここでもフレーズを空間からつむぎだす様に弾くのが伝わります。
5曲目は一寸ユーモラスな曲、このアルバムの各曲は結構バラエティがありて面白い、ところが、それはどれも、ひとつの主義に貫かれているように感じます。
新しい録音の8曲目がまた素晴らしい、イン・リズム、いっきのウォーキング・ベースをバックにメルドーのピアノ・フレーズはバド・パウエルの“クレオパトラの夢”を思い浮かべました。迷いない集中があるのです。
10曲目、サポートに徹したリズムをバックに、アドリブラインを作る集中力、そこから生まれたものは聴くものに纏わり、その瞬間を喜びに導いて行くのです。JAZZで一番嬉しくなる瞬間、インプロビゼーションを奏者と共有する喜び、生演奏で生まれるその世界を、スタジオ録音でも見事にアルバムに封じてくれているのがこのアルバムなのです。
それがこのアルバムの共通項、そんな言葉はありませんが、「絶対インプロビゼーション主義」を貫いてくれているのです。
ブラッド・メルドーの日本公演は7月、東京では1日だけですが、実際どうなるかわからないけれどチャレンジしてみます。
ODE / BRAD MEHLDAU
Brad Mehldau(p)
Larry Grenadier(b)
Jeff Ballard(ds)
Recorded on November 17, 2008 & April 19, 2011
1. M.B.
2. Ode
3. 26
4. Dream Sketch
5. Bee Blues
6. Twiggy
7. Kurt Vibe
8. Stan the Man
9. Eulogy for George Hanson
10. Aquaman
11. Days of Dilbert Delaney
このアルバムでメルドーが進化したのかは、あまり熱心なファンではないわたしには、、決断できません。
でも、この方のジャズピアニストととしては、やはり、すごいなぁ、、って、おもいます。
相変わらず、わたしと彼には深くて越えられない溝もあるんですけどね。
メルドーが進化したかは私もわかりませんし、時間的に出るアルバムがややっこしいですよね。
ただひところよりとても解りやすくなった、頭で考えて説明するようなフレーズがにがてでしたが、ここのところそれがなく、今回もフレーズを作ることに集中したようでよいと思いました。
彼との溝はその良くわからない理論武装か外観かも知れませんね。
このアルバムは私にとっては待望のものであったわけですが,その期待を全く裏切らないところが,Mehldauのいいところです。彼のライナーを読んでいると,才気が先走り過ぎかなと感じさせないわけではないのですが,この音楽を聞いたら,納得してしまう私です。
私はMehldauの追っかけなので,基本的には甘めの評価になるところもあるでしょうが,この作品は贔屓目なしで優れたものだったと思います。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
昨年出たトリオのライブを一年のとても良いアルバムにあげましたが、それとの比較は意味ありませんね。というのは新しい録音の部分が私はとても気に入りました。
全体的にも充実しています。
理解力のないこちらには、ぜひ同じ時間時期の演奏集めてと思います。
こんばんは。私もとても気に入ってます。
単純におどろおどろしさに痺れ、アドリブは飽きずに聴きやすかったという感じです。年度の問題はオリジナルを取りそろえたスタジオ盤が作りたかっただけなんじゃ、なんて思ってますが、そういうのは分かりませんね。トラバさせて頂きます。
TBありがとうございました。
ストレートにアドリブを追い求めるものをまとめたかったのかと思いますが、ミュージシャンってとても繊細で、ましてや自分のアルバムは熟慮のすえですから順番考えて出しているのではと思います。
その想像をつづけると、次はスタンダード、それもスタジオだったりして。
わたしも ショップで先日 購入しました。
メルド-のアルバムは これが2枚目です。
トリオとしては 初。
とても良かったです。いろんな人を想って作ったオリジナルの曲。
素敵でした。
まだまだ メルド-は初心者で 音楽狂さんに比べたら ほんと産まれる前の赤ちゃんみたいなものです(笑)。
monakaさまも 10枚? でしたっけ?
たくさん聴かれていますね。
http://blog.goo.ne.jp/tm-0117/e/ed14087565f81e6f13a0a2d523fbc886?guid=ON
このアルバム、私はとても良いとおもいます。
特に新しいものがよいので、そこを聞くのが実は流れ的には良いのでしょう。
メルドーのアルバム、リーダーのアルバムで10枚で、そういえばメセニーとのアルバムもありましたね。
特に数えなおしませんが、もう少しありそうです。
ある意味左右バラバラとか、演奏のスゴみよりは、8曲目の超アップテンポの曲とか、11曲目の割とシンプルなビートの曲などにグッときたと思います。
このアルバム910さんが言うように絶対的なよさということでは、多くの人が共通でしょうが、その先の期待感で分かれましたね。
私はインプロの没頭するところが好きです。