RoboCupJunior Rescue Line Rules 2024 Draft を読んでみた の続きです。
2.9.6. The organizers may place an obstacle inside the evacuation zone. In the evacuation zone, organizers may put the obstacle anywhere with a minimum of 10 cm clearance from the wall. Obstacles in the evacuation zone are not scored.
競技運営者は救助ゾーン内に障害物を設置する場合があります。 救助ゾーンでは、主催者は壁から少なくとも 10 cm の隙間があればどこにでも障害物を置くことができます。 救助ゾーン内の障害物は得点になりません。
これ、単純にルール2.5.8と重複ですね。(どちらかを削除しても良いのではないかと)
表現はちがいますが、
・救助ゾーンに障害物を設置できること
・救助ゾーンでは壁から10cm以上離して障害物を設置すること
・救助ゾーンで障害物を回避しても得点にならないこと
と、同じ内容が書かれています。
同じことが書かれていると・・・このルールは、ちゃんと整理されていない・・・感が・・・
2.9.10. The evacuation points are red and green triangles with 6 cm walls and a hollow center.
避難場所は、壁が 6 cm で中央が空洞になっている赤と緑の三角形です。
2024年ルールの大きな変更点の一つですね。 これまで、避難場所の三角形を2種類から選択できたのですが・・・旧レベル1が無くなりました。(旧レベル2のみになりました。)
避難場所の三角形は高さ6cmの壁で囲まれた三角形なので、ロボットは被災者(ボール)を持ち上げて壁の中にいれなければなりません。
これ、難易度上がりましたよね。
2.9.11. The referee can randomly place the evacuation points in any non-entry/exit corners in the evacuation zone .
審判は救助ゾーンの四隅のうち出入口のない場所に避難場所をランダムに配置することができる
救助ゾーンに避難場所を設置するのですが、設置場所を決めるのに「サイコロを振って」 の記述がなくなりました。(じゃあ、どうやって決めるの?)
2.10.2. A victim represents a person and is in the form of a 4-5 cm diameter sphere with an off-center center of mass and a maximum weight of 80 g.
被災者は人を表しており、重心が中心から外れ、最大重量 80 g の直径 4 ~ 5 cm の球の形をしています
これも、2024年ルールでの大きな変更点の一つです。 被災者はボールなので、ロボットがぶつかるとコロコロと転がってしまいます。 で2024年ルールでは、コロコロ転がっていかないように「重心がズレているボール」を使用すると書かれています。
意味は分かるのですが・・・それってどうやって調達するの?(そういうボールが売られているの? それとも作るの?)
私と同じように疑問を持つ人がおり、Forum で質問しているのですが・・・
半月以上回答されていない状況です。(ちゃんと回答してよ・・・)
2.11. Rescue Kit
2024年ルールでの変更点が続きます。
レスキューキットが廃止されました。
まあ、そうでしょう。
私も、レスキューキットはいらないと思っていました。
3.2.2. Teams are not permitted to use commercially produced robot kits or sensors components specifically designed or marketed to complete any single primary task of RoboCupJunior Rescue.
チームは、RoboCupJunior Rescue の単一の主要なタスクを完了するために特別に設計または販売された市販のロボット キットまたはセンサー コンポーネントを使用することは許可されません。
相変わらず良く分からない神のルールです。具体的にどんなものを使ってはいけないのか? が(このルールを読んでも)良く分かりません。 Forumに質問されると、その都度回答されているのですが・・・それらを全部読んで把握するしかないのでしょうか? ルールの中で、ここが、一番わかりにくい!
3.2.4. Wireless communication must be used as described on the RoboCupJunior General Rules.
無線通信は、RoboCupJunior General Rulesに記載されているとおりに使用する必要があります。
2023年ルール向けに Forum で「1つのロボット内の複数のコントローラ間に無線通信を使用しても良い」と掲載されました。しかも、私が2023年ルールから使用可能なの? と質問したら
this is allowed in the 2023 competition and we can reference this post as reference for any possible clarifications needed. We will formally incorporate the changes in the 2024 rules.
2024年ルールに正式に採用される、と回答されたのですが・・・ルール3.2.4は何も変わっていません。 これは、採用が見送られたのでしょか? それともルールの修正をするのを忘れたのでしょか? どっちなんだい?
3.2.8 begining ot → beginning of the
単なる誤記でしょう
3.4.7. All teams must submit their Technical Description Paper (TDP) before the competition.
すべてのチームは、競技会の前に技術説明書 (TDP) を提出する必要があります。
ルールでは TDP = Technical Description Paper と書かれているけど、Webサイトにある実際の雛形ファイルには Team Description Paper になっています。 ちゃんと用語の統一をしてくださいよ!
4.5.5 に相変わらず a. という項目見出しが残っている・・・項目が複数あるのなら a. b. ... になるけど、項目が一つしかないから必要ないよね。
4.6.8も同じですね。
これらも・・・整理されてない感が・・・
4.6.1 Point allocations are 10 points per tile with one or more gaps, 10 points per tile with one or more speed bumps
得点の割り当ては、1 つ以上のギャップがあるタイルあたり 10 点 、1 つ以上のスピード バンプがあるタイルあたり 10点
ギャップとスピードバンプの得点の考え方が変わりました。
1つのタイルに複数のギャップがあっても10点、同様に1つのタイルに複数のスピードバンプがあっても10点になりました。(まあ、この方が、審判としてはやりやすいです)
4.6.1 20 points per obstacle, and 20 points per seesaw.
障害物ごとに20点、シーソーごとに 20点です。
障害物回避の得点が20点になりました。 同様にシーソーの得点が20点になりました。
4.6.3. When a robot reaches a checkpoint tile or stops on the goal tile, it will earn points for each tile it has passed since the previous checkpoint.
ロボットがチェックポイント タイルに到達するか、ゴール タイルで停止すると、前のチェックポイント以降に通過したタイルごとに得点を獲得します。
これまで、最後のチェックポイントからゴールの間はチェックポイント得点(進んだタイル数の得点が入るやつ)がありませんでしたが、2024年ルールからはゴールで停止する(=脱出ボーナスが得られる)と、最後の区間のチェックポイント得点がもらえるようになりました。
ここで、注意しないといけないのは・・・stops on the goal tile とゴールタイルで停止しなければ得点になりません。(普通のチェックポイントは、到達すれば得点になるのに・・・そこだけ統一感が無い)
それから、for each tile it has passed は、よく考えると間違いで for each tile it has reached が正しいと思います。
4.6.6
(SDVR) = × 1.4 per successful rescue of the dead victim if both living victims have already been successfully evacuated.
(SDVR) = × 1.4 (生存している被災者の両方が既に避難に成功している状態地で、死亡した被災者の救出が成功するごとに。
これまでは、避難場所が1つだったから被災者を移送する順番を設定していたのですが、2023年ルールから(生存者と死亡者の)避難場所を分けたので、順番を規定する必要は無いですよね・・・
2023年ルール変更の時の考慮漏れと想像します。
4.6.6
the referee will remove the victim from the evacuation point to allow more victims to be evacuated.
審判が被災者の救出が成功したと判断すると、より多くの被災者を避難させるために、審判は避難場所から被災者を取り除きます。
これも・・・一つの避難場所に最大で2つしか被災者のボールを入れないので、取り除く必要は無いですよね。これも、過去のルール変更の時の考慮漏れと想像します。
4.6.9. Multipliers will never be lower than 1.25.
乗数が 1.25 を下回ることはありません。
今回(2024年)の謎ルールです。
救助ゾーン乗数の最低値が1.25とは?
被災者の救助を何もしなくても 1.25倍してくれるの? なんで?
最後に・・・
5. Competition 競技会
5章として Competition が追加されました。 世界大会特有(と思われる)競技運営についての説明が追加されました。競技の得点にドキュメント評価とテクニカルチャレンジの得点を加えて順位を決めること。テクニカルチャレンジ、スーパーチーム競技についての説明が追加されました。
この中で・・・
5.1.8. Ties in scoring will be resolved based on the mean of normalized field scores
最終得点が同点の場合は、正規化された競技得点の平均に基づいて順位付けされます。
これまで(総合得点が)同点の場合は競技時間で順位付けされていたが、競技得点(Field scores)で順位付けすることになりました。
はい、以上です。