今回のお題は「瓦礫、減速バンプと障害物」です。
1.4.1 Speed bumps are fixed to the floor, and have a maximum height of 2cm.
1.4.2 Debris will not be fixed on the floor, and have a maximum height of 1cm.
1.4.3 Debris may be spread towards or adjacent to walls.
1.4.4 Obstacles may consist of any large, heavy items and its shape can be anything from rectangular, pyramidal, spherical to cylindrical.
1.4.5 Obstacles have minimum height of 15 cm. Their shape can be everything from rectangular to cylindrical.
1.4.6 Obstacle must not prevent a robot from discovering routes in the maze. An obstacle may be placed in any location where at least 20 cm is left between the obstacle and any walls.
1.4.7 Obstacles that are moved or knocked over will remain where they are moved to/fall and will not be reset during the run.
1.4.1 減速バンプは、床に固定され、最大2cmの高さです。
1.4.2 瓦礫は床には固定されません。 最大1cmの高さです。
1.4.3 瓦礫は、床に撒かれ、壁に接しているかもしれません。
1.4.4 障害物は何らか大きくて重いものを使います。その形は箱形であったり、ピラミッド形、球形、円筒形など様々です。
1.4.5 障害物は15cm以上の高さです。障害物の形は箱形から円筒形まで様々です。
1.4.6 障害物は、ロボットが迷路の正しい経路を進むことができるように配置されます。障害物は、一番近くの壁から少なくとも20cm離れた場所に配置されます。
1.4.7 移動したり倒された障害物は競技(得点走行)の間は元に戻しません。
こんな感じでしょうかねぇ。
いろいろ赤いですが・・・早速結構なインパクトのある変更です。
はい、今回の一番の変更と言っても良いと思います。
1.4.1 は減速バンプですが・・・これまで、最大の高さが1cmでした。今回の変更で2cmになりました。これは・・・ロボットの駆動方法がタイヤのチームには非常に厳しいですねぇ。これまで、レスキューメイズ(レスキューB時代も含めて)は迷路解きに重点を置いていたように思うのですが、今回からは障害物競争の方に重点を置いたようです。今後は、高さ2cmの減速バンプを越えられることが必要です。こうなると、やっぱり(メジャーのレスキューのように)クローラー型しか生き残る道は無い・・・のでしょうかねぇ。それから、どのような角度で設置されるか分からない≒「斜めに設置されるかも」 という記述が無くなったのですが・・・もう、こうなったらあんまり関係ないか。
ただ、もう一つインパクトが大きいのは「色は白」という記述が無くなりました。 でも、これ、ダメでしょう。減速バンプは棒限定ではなくなったので大きな物体かもしれません。黒色のスピードバンプだったら黒のタイルと区別が付きません。ちょっと今回の変更は、ルールとして慎重さが足りないように感じます。
さらに、これまでは、瓦礫=楊枝や串と減速バンプ というように、減速バンプも瓦礫の中に入っていましたが、今回は瓦礫とスピードバンプは明確に分かれました。だから、壁にスピードバンプが設置(固定)されることは無くなりました。(と、思います。)
最大の難点は・・・このバンプが置かれる場所(範囲)が限定されていないことなんです。つまり、傾斜路に置かれるかもしれない・・・そうなったら、ほとんどのチームは、おそらく先に行けません。
1.4.2 は瓦礫です。これまでは、楊枝や串など、細い棒のことでしたが、その記述が消えました・・・だから、形状が限定されていません。(つまり何でもアリ) さらに高さ(これまでは太さ)が最大1cmになりました。もう、単純にいうと、これまでのスピードバンプが床に固定されずにフィールド内にゴロゴロしている、ということですね。で・・・これも大きさや形状が規定されていないので、色を既定する必要があると思うのですが、ルール上は規定されていません。もし、薄い板のような黒い瓦礫を置かれたら、黒のタイルと見分けがつきませんよね。
さらに、これまで、瓦礫は棒状のもので一本の太さが最大3mmでした。その棒状のものが重なり合って、置かれていました。つまり、瓦礫は、重なり合うことがあるということです。(重ねてはいけないという明確なルールが無い)もし、太さ1cmの棒が重ねられて置かれていると、ロボットには結構なインパクトですよね。
重ねられていなくても、綺麗に並べられていると、ピラミッド作りの石を運ぶコロのようにロボットの下を転がって、ロボットの進んだ距離を誤って認識させてしまうかもしれません。いやぁ、なかなか高度な変更ですなぁ。
1.4.3は変更なしです。
変更なしなのですが・・・私は、この英文が理解できていません。
Debris may be spread towards or adjacent to walls.
or は towards と adjacent を並べていると思うのですが・・・じゃあ、独立させて
Debris may be spread towards to walls. 壁に向かって撒く・・・意味が分かりません。
じゃあ、Debris may be spread adjacent to walls. 壁に隣接して撒く・・・これも、う~ん
普通に、「床に撒く」じゃダメなんでしょうか!?
さて、1.4.4の障害物ですが・・・何か大きくて重いもの、と言う表現になりました。そこは問題ないのですが・・・形は箱、ピラミッド、円筒、球と様々です。この中でインパクトの高いのが「球」ですよね。ロボットが触れるとどこに転がるか分かりません。障害物が床に固定されるかどうかは明確には書かれていませんが、1.4.7で押せば動くことが分かります。どんな形でもアリというのが・・・関東の「魔の山」復活でしょうか!? (笑)
「障害物は広間に置かれる」が無くなりましたが、壁から20cm以上離して置かれる、が残っているので、実質的には変わりません。
1.4.5 では、やっと最低の高さが定義されました。これまでは最高の高さ40cmという意味の無い定義だけがあり、「高さ40cmの規定は意味が無い、逆に最低の高さをしてしないとおかしい」と毎回言っていたのが、やっと反映されました。これでやっと、減速バンプと障害物の判断が明確になりました。で、謎なのが、1.4.4で定義しているにも関わらず、再度形状の定義があります。何で!?
1.4.6 は文章は変更になっていますが、実質的にはこれまでと同じです。障害物が置かれることで、迷路が解けなくなってはいけません。さらに障害物は壁から20cm離して設置されます。つまり、経路の最低限の幅は20cmだということです。
1.4.7も、文章は変更になっていますが、実質的にはこれまでと同じです。ただ表現が追加になっているのが fall ですね。つまり、障害物を上のフロアから(傾斜路の上から)落としてしまっても、競技中には戻さない、ということです。球や円柱なら十分ありえそうですが・・・落としてしまって、障害物が壊れたら大変だし・・・フィールドに傷をつけたら失格になるのでしょうか・・・故意じゃないからセーフなのでしょうか・・・
さて、これらの変更が、実際の競技にすぐに反映されるかどうかは分かりませんが・・・もし、反映されたら、もう昨年までとは、全く別の競技でしょう。少なくとも、これまでのロボットでは対応できないと思います。