これまで、詳細に(勝手に)見てきましたが・・・
・・・いったい、Rescue-B 2013年ルールはどうなのでしょうか!?
はっきり言っちゃうと・・・2012年ルールとあんまり変わりませんねぇ。
おそらく、2012年ルールに対応したロボットであれば、無改造で参加できます。
確かに、壁の高さが30cmから(少なくとも)15cmに低くなりました。
被災者の得点が10点になったり、25点になったり、変更になりました。
終了ボーナスの得点も変わりました。
でも、これらは、ロボットの構造やプログラムには全く影響がありません。
変わったのは障害物くらいでしょうか・・・
ということで・・・
今回のお題は「競技終了」です。
3.6.1 The round ends when:
A) The time expires.
B) The team captain calls end of round.
C) The robot returns to the start tile and gets the exit bonus.
3.6.1 競技の終了は以下のとおり
A) 競技時間終了
B) チームキャプテンが競技終了の宣言をした
C) ロボットがスタート地点に戻って競技を完了した
こんな感じでしょうかねぇ。
競技の終了も、すごく整理されました。
でも、やっぱり、競技時間の計測(記録)方法については、何ら記載がありません。
8分間の競技時間で、A) の場合は、記録は8分になりますね。(あたりまえ)
じゃあ、B) やC) は、どうかというと、B) も8分になります。
競技開始1分で競技終了をしても、7分で競技終了しても、B) は8分が記録されます。
でも、どのにもそんなことは書かれていません。
この業界の常識なんでしょうか!?
唯一、C) の場合だけ、計測した時間が記録されます。
今回のお題は「競技進行停止」です。
3.5.1 A Lack of Progress occurs if
A) The team captain declares a Lack of Progress.
B) The robot passes through the black tile and leaves it in another direction.
C) The robot or a team member injures or breaks the arena.
D) A team member touches the arena or their robot without permission from the referee.
3.5.1 以下の場合に競技進行停止になります。
A) チームキャプテンが競技進行停止を宣言した場合
B) ロボットが 黒い領域のタイルを通過して、他の経路に出てしまった場合、
C) ロボットやチームメンバーが競技アリーナを傷つけたり、壊したりした場合
D) チームメンバーが競技アリーナに触れたり、審判の指示が無いのにロボットに触れた場合
3.5.2 If a Lack of Progress occurs, the robot must be returned to the entry tile (the first visited square in the current room) of the room or ramp where the Lack of Progress occurred. Note that the entry tile is different when going backwards in the maze.
3.5.2 競技進行停止になったら、ロボットは(競技進行停止が発生した)部屋や傾斜路の最初のタイルから再スタートさせます。(部屋を入った最初のタイル) 迷路を逆に進んできた場合は、最初のタイルが異なることを注意してください。
3.5.3 After a Lack of Progress the team captain may reset (turn on and off) the power supply and program. He is not allowed to change the program or give any information about the maze to the robot. The only exception is information about its re-start coordinate/state, nothing else.
3.5.3 競技進行停止になった時には、チームキャプテンは、ロボットの電源やプログラムのリセット(OFF/ON)をしても良いが、プログラムの変更(切り替え)や迷路についての情報をロボットに与えることはしてはいけません。 再スタートする時の座標や場所情報だけはロボットに与えても良い。
3.5.4 The team captain may declare an "end of round" if the team wants to stop the round early. The team will be awarded all points achieved up to the call for end of round.
3.5.4 チームキャプテンは、その競技を早く終了したい場合には「競技終了」にすることができます。チームには、その競技中に得た得点が与えられます。
こんな感じでしょうかねぇ。
競技進行停止については、とっても整理されました。
どんな時に、競技進行停止にするか(なるか)は、ルールに書かれているとおりです。
結構明確で、迷わないと思います。
で・・・明確でなかったのが、再スタートの位置です。
レスキューAでは、競技進行停止になった部屋の入口の手前から再スタートします。 さらに、同じ部屋で3回目の競技進行停止の後では部屋の出口(次の部屋の入口)を選択することができます。
しかし、レスキューBは、ちょっと違っていて、競技進行停止になった部屋に、最後に入った出入口の内側のタイルから再スタートします。「3回目だと出口を選択できる」は、ありません。 だから、自力で部屋を抜けない限り、先の部屋に行くことができません。
競技進行停止の時には、ロボットのプログラムのリセットや電源のOff-Onはできます。 これまでと同様に、プログラムの修正やプログラムの切り替えはできません。 こういうことが明確になったのは良いのですが ・・・ 座標情報を再入力するのも良いのだと ・・・
なんか、中途半端ですねぇ。
審判から見ると、プログラムを切り替えているのか、座標情報を入れているのか、判断が付きません。 結局、何でもアリアリになってしまうように思います。
次回、改善されることを望みます。
今回のお題は「得点」です。
3.4.1 Robots are rewarded points for each "victim" they identify in the arena: 25 points per “victim” on floating wall, 10 points per "victim" on linear wall. A victim on a tile where there is a linear wall on one side of the tile is rewarded 10 points even when the victim is placed on a floating wall. To identify a victim, a robot must stop within 10 cm of the victim, then flash a lamp on and off for two seconds before continuing.
3.4.1 ロボットが浮き壁に設置された被災者を発見した場合は25点の得点になります。 外壁につながる壁に設置された被災者を発見した場合は10点の得点になります。 ただし、浮き壁に設置されている被災者でも、その被災者の設置されているタイルが外壁につながる壁に隣接している場合は10点の得点になります。
ロボットは被災者から10cm以内に停止し、2秒間ランプを点滅させて、被災者発見のアピールをします。
3.4.2 Robots are penalized 10 points for making a false victim identification.
3.4.4 ロボットが被災者の誤発見をした場合は10点の減点になります。
3.4.3 Each robot is awarded a Reliability Bonus. This is calculated as follows:
Reliability Bonus Score = The number of victims successfully identified x 10, minus the number of Lack of Progress x 10.
3.4.3 ロボットは信頼性ボーナスを与えられます。 これは次のとおりに計算されます。
信頼性ボ-ナス:(発見した被災者の数×10)-(競技進行停止の数×10)
3.4.4 Reliability Bonus score can only be reduced down to a minimum of 0 points.
eg: 7 victims correctly identified, 2 lack of progress: Reliability Bonus Score = (7 x 10) - (2 x 10) = 50 points
5 victims correctly identified, 6 lack of progress: Reliability Bonus Score = (5 x 10) - (6 x 10) = 0 Points (cannot go less than 0)
3.4.4 信頼性ボ-ナスは0点未満(マイナス点)にはなりません。
例えば:
7人の被災者を発見し、競技進行停止が2回の場合、信頼性ボーナスは(7×10)-(2×10)=50点
5人の被災者を発見し、競技進行停止が6回の場合、信頼性ボーナスは(5×10)-(6×10)-->0点(信頼性ボーナスは最低0点)
3.4.5 A successful exit bonus will be awarded if the robot successfully finishes the round by being stationary for at least 5 seconds on the start tile. (This is to simulate the retrieval of the robot from the disaster zone.) The points awarded will be 10 per victim successfully identified.
3.4.5 ロボットがスタートしたタイルに戻って少なくとも5秒間停止して、競技を終了することができたら、終了ボーナス得点となります。(これは災害区域からロボットが帰還することを模しています。) ボーナス得点は、発見した被災者の数×10点です。
3.4.6 Ties in scoring will be resolved on the basis of the time taken by each robot to complete the course.
3.4.6 同点の場合には、ロボットがコースを完了した時間によって順位を決めます。
3.4.7 A score sheet template is provided on the official RoboCupJunior website.
3.4.7 得点票はRCJ Community Forum で提供されます。
こんな感じでしょうかねぇ。
得点は3つです。
・被災者の発見
・信頼性ボーナス
・終了ボーナス
レスキューAと違って、部屋得点もなければ、障害物の回避も得点になりません。 スピードバンプを乗り越えても、傾斜路を上っても得点にはなりません。
ただ、ひたすら被災者を発見し(救助し)、入口(スタート地点)に戻るだけです。
2012年ルールから変更があったのは・・・
被災者の得点と終了ボーナスです。
これまで、被災者の得点は、20点でした。
しかし、2013年ルールでは、25点と10点になりました。
被災者の設置された場所によって得点が違います。
最初に出てきた、Linear wall(外壁につながる壁)に設置されていると10点、floating wall(浮き壁)に設置されていると25点
でも、そんな単純でなくって、浮き壁に設置されていても、その被災者の設置されているタイルがLinear Wall に接していれば10点
あ~もう、なんだか判らない・・・
単純に考えると・・・片手法で行くことができる経路上に設置されている被災者は10点、それ以外は25点です。
・・・という意図のハズなのですが・・・
今回のこのルールは、きちんと整理されないまま公開されてしまったような感じです。
本来であれば、壁で区別するのではなくて、ルート(経路)で区別すべきでしょう。
経路であれば、明確に外周のルートに設置された被災者は10点、それ以外は25点、と区別できました。
しかも、レスキューBには、黒の領域が設置されます。
これが設置されれば、外周のルートが拡大します。
わざわざ点数を分ける必要があったのでしょうかねぇ。
ところで、被災者の得点の10点って少ないですよねぇ。
被災者を発見して、せっかく得点しても、1回誤発見するとチャラ!!
厳しい・・・
近年、競技の得点がマイナス点にならないように、いろいろと工夫をしてくれたようなのですが、レスキューBだけは、マイナス点が存在する唯一の競技になってしまっています。
そして、今回ので、さらにその確率が増えてる・・・
終了ボーナスは、(発見した被災者の数×10)点になりました。
ですので・・・
まず、ひたすら被災者を見つける。(10点)⇒スタート地点に戻る、停止して終了
これで、被災者得点が10点、信頼性ボーナスが10点、終了ボーナスが10点、合計30点になります。
2012年ルールでは、終了ボーナスが20点でした。 そうです、たったの20点
しかし、2013年ルールでは、発見した被災者の数×10点なので、被災者の配置数によって、戦略が変わってきますね。
傾斜路や2階に配置された被災者の数が少ない場合は、1階の部屋だけを探索して、そのままスタート地点に戻り、信頼性ボ-ナスと終了ボーナスを稼ぐ作戦もあると思います。
どちらにしても終了ボーナスを得るには、マッピングするしかありません。(プレマッピングじゃないよ!?)
まあ、一つ言えるのは・・・世界大会で、終了ボーナスをもらえたのは、まだ唯一 M&Y だけです。(笑)
今回のお題は「競技開始」です。
3.3.1 The round begins at the scheduled starting time whether or not the team is present/ready. Start times will be posted prominently around the venue.
3.3.1 チームの準備ができていなくても、決められた競技時間になったら、競技は開始されます。競技のスケジュールは会場に掲示されます。
3.3.2 Once the round has begun, robots are not permitted to leave the competition area for any reason. Each round will last a maximum of 8 minutes.
3.3.2 競技を開始したら、ロボットを競技アリーナから持ち出すことはできません。各々の競技時間は最大8分です。
3.3.3 Calibration is defined as the taking of sensor readings and modifying robot program to accommodate such sensor readings. Once the clock has started, teams may calibrate their robot in as many locations as desired on the arena, but the clock will continue to count down. Robots are not permitted to move under power while calibrating.
3.3.3 較正はセンサーの値を読み出し、それに合わせてプログラムを修正することです。競技が開始された後には、チームはアリーナの様々な場所で較正をすることができます。ただし、較正に時間を掛ければ計測走行の時間が減ることになります。較正している間は、ロボットを試走させることはできません。
3.3.4 Calibration time is not for pre-mapping the arena and/or victim location. Pre-mapping activities will result in immediate disqualification of the robot for the round.
3.3.4 較正では競技アリーナの経路や被災者の位置をプログラムに組み込ん(プレマッピング)ではいけません。 迷路や被災者の位置をプログラムに組み込んだ場合には、競技の参加資格がなくなります。
3.3.5 Before a scoring run is started, a dice will be rolled to determine the location of the black tiles. The position of the black tiles will NOT be revealed to the team until after they are ready to start a scoring run (see 3.3.6). Referees will ensure the combination of black tile placement result in a maze that is 'solvable' before a robot begins a scoring run.
3.3.5 計測走行の前に、サイコロを振って黒い領域のタイルの位置を決定します。チームが計測走行(3.3.6を参照)の準備ができた後に、黒い領域のタイルの位置がチームに示されます。 ロボットが計測走行を開始する前に、『解ける迷路』になるように、審判は黒い床のタイルを配置します。
3.3.6 Once the robot is started, the referee will place the black tiles (determined by roll of dice as per 3.3.5).
3.3.6 計測走行がスタートしてロボットが動き出したら審判は(3.3.5でサイコロを振った結果で)黒い領域のタイルを設置します。
3.3.7 Once a scoring run has begun, no more calibration is permitted (this includes changing of code/code selection).
3.3.7 一旦計測走行を開始したら、再び較正をすることはできません。(プログラムの修正やプログラムの切り替えもできません)
こんな感じでしょうかねぇ。
競技開始も2012年ルールからの変更はありません。
まず、競技開始時刻は、あらかじめ決められれいて・・・その時間になったら、勝手に競技が始まり、勝手に時間の計測が開始されます。 だから、ちゃんとスケジュールを自分達で把握して、遅れないように会場に来てね・・・
そういう意図なんですが・・・現実は、運営の方が遅れて、スケジュールどおりの時刻に始まる方がめずらしい・・・ように思います。(笑)
一旦、競技(較正とか調整も含む)を始めてしまうと、ロボットをパドックに持ち帰ることができません。 だから、PCなどを競技アリーナに持ってきます。 これが、結構邪魔です。 なかには、PCをアリーナの近くの床の上に放置しておくチームもあり・・・事故に見せかけて踏んで壊してやろうかと思ったこともあります。(笑)
PCや、調整器具をアリーナの近くに持ってくるのは仕方が無いので、競技が終了するまで責任をもって自分達(チームメンバーが)で管理してほしいものです。
レスキューAの方でも書きましたが・・・較正(調整)時間は、ルール上は試走が禁止されています。 でも、試走させても良いのではないでしょうか!?
特に、国内の大会では、競技回数が少ないので・・・
3.3.4では、しつこくもプレマッピングの禁止です。
このル-ルでまだ、やるチームあるかなぁ。
3.3.5からは、競技の開始前の儀式です。
チームの計測走行を開始する前に、審判は黒の領域の位置を決めます。
ルール上は、
・黒の領域のタイルはランダムに配置して置く
・審判がサイコロを振っておく
・計測走行の直前に黒の領域のタイルの配置を、きちんと迷路を解ける配置に変更する
・(計測走行開始・・・)
・ロボットが動き出したら、サイコロの目に従って黒の領域のタイルを配置する。
こんな、訳のわからない、複雑な作業をすることになってますが・・・
実際には、こんなことな複雑な作業をできる訳がありません。
まず、ロボットが動き出してから、黒の領域のタイルを貼ったり、剥がしたりできるわけがありません。
メキシコでは以下のようにやっていました。
・黒の領域のタイルを所定の位置に貼っておく
・審判がサイコロを振る
・審判はサイコロの目に従って、貼ってある黒の領域のタイルを外す
・(計測走行開始・・・)
最後は、計測走行を開始したら、較正(調整)に戻ることはできません。 こう、書いてあるにもかかわらず、「もう1回、調整していい!?」と、要望するチームが結構あります。
かわいそうだけど・・・「No」と断り続けました。
スタートボタンを押したけど・・・やっぱり、ちゃんと動かない・・・
だから、試走を許可すればいいのに・・・
今回のお題は「チームメンバー」です。
3.2.1 Teams should designate one of its own team members as 'captain' and another one as 'co-captain'. Only these two team members will be allowed an access to the practice/competition arenas, unless otherwise directed by the referee.
3.2.1 チームはメンバーの中からチームキャプテンを1人、副キャプテンを1人決めます。審判によって特別に指示が無い限り、これらの2人だけが練習アリーナや競争アリーナを使用することができます。
3.2.2 All other team members (and any spectators) must stand at least 150 cm away from the arena while their robot is active, unless otherwise directed by the referee.
3.2.2 審判が特別に指示をしない限り、他のチームメンバー(と観客)は、アリーナから150cm以上離れなければなりません。
3.2.3 As movement of robots by humans is not acceptable during scoring runs except as instructed to do so by the referee, only the 'captain' will be allowed to interact with the robot during a scoring run.
3.2.3 計測走行中は、審判に指示されない限りロボットに触れてはいけません。 審判に指示された場合は、チームキャプテンだけがロボットに触れることができます。
こんな感じでしょうかねぇ。
ここも2012年ルールからの変更はありません。
が・・・何故か、3.2.2 と 3.2.3 が入れ替わりました。
競技用アリーナはともかく、練習用アリーナも、チームキャプテンと副キャプテンの2人しか使用できません。 というのは、どれだけ守られているのでしょうかねぇ。
今回のお題は「競技前の練習」です。
3.1.1 Where possible, competitors will have access to practice arenas for calibration, testing and tuning throughout the competition.
3.1.1 可能であれば、チームはいつでも練習用アリーナで、較正、走行テスト、調整を実施できます。
3.1.2 Where there are dedicated 'competition' and 'practice' arenas it will be at the organizer's discretion if testing is allowed on the competition arenas.
3.1.2 スタッフの判断により、競技用アリーナで練習ができます。
こんな感じでしょうかねぇ。
2012年ルールからの変更はありません。
大きな大会でなければ、練習用(専用)のアリ-ナがある、なんてことは無いハズです。
ですので、普通は競技用アリーナを時間を区切って練習用アリーナとして使わせます。
世界大会では、練習アリ-ナと競技アリーナは明確に分けられます。 たまに、競技アリーナを時間を区切って練習に使わせることもあるようです。
しかし・・・ちゃんと練習に使って良いのか確認しないととんでもないことになります。
練習してはいけない時間に競技アリーナで練習した・・・ということで、ネームタグを取り上げられたり、ロボットを取り上げられた「日本チーム」が過去にありました。 (レスキューAですケド・・・)
よく、確認しましょう。
今回のお題は「違反」です。
2.5.1 Any violations per the inspection rules will prevent that robot from competing until modifications are made.
2.5.1 ルールについて違反箇所があれば、そのロボットの違反箇所が修正されるまで競技には参加できません。
2.5.2 Modifications must be made within the time schedule of the tournament, and teams must not delay tournament play while making modifications.
2.5.2 ロボットの修正は、競技までの時間で実施します。修正をしている間でも競技の時間に遅れてはいけません。
2.5.3 If a robot fails to comply with all constraints (even with modification), it will be disqualified from that round but not from the tournament.
2.5.3 チームのロボットが(修正したにもかかわらず)違反項目に対応することができない場合は、(競技会ではなく)そのラウンドには参加できません。
2.5.4 If there is excessive mentor assistance, or the work on the robots is not substantially comprised of original work by the students, the team will be disqualified from the tournament.
2.5.4 メンターの過干渉や、ロボットやプログラムが実質的にチームメンバーの制作物で無いと判断された場合は、チームは競技に参加できません。
こんな感じでしょうかねぇ。
いくつか単語が赤くなっていますが、単に文を判りやすくしただけで、意味は変わっていません。
RoboCupJunior に参加していれば、もう耳にタコができるくらい聞かされた内容ですね。
そして、2.5.4 は RoboCupJunior の永遠のテーマです。
大人がロボットやプログラムを作りたいのなら、Junior でなく Major に参加すれば良いのですよね。
それから、柵の外からの抗議、指示・・・
さすがに、レスキューB は年長者が多いのでトラブルになりそうなのは少ないのですが・・・レスキューAには、まだまだ多いです。
柵の外から「なんで、今のがダメなんだよ!」「抗議しろ!」「審判、よく見てろよ!」
審判に怒られると・・・今度は声を出さずに・・・
ゼスチャーで両手でバツを作って「ダメ」、手のひらをだして「そのまま待て」、うなづいて「よし今だ」・・・
このチームは仕草で言葉を伝えるゲームをやっているのか(笑)
そのうち・・・本当に、会場には子供しか入れず、競技も観客から見えないところで別室でやるようになっっちゃうかも・・・
今回のお題は「検査」です。
2.4.1 The robots will be examined by a panel of referees before the start of the tournament and at other times during the competition to ensure they comply with all of the constraints described above.
2.4.1 審判は、ロボットが上に書かれた条件を満たしているかどうかを確認するために、競技が始まる前、または競技時間の合間に検査をします。
2.4.2 It is the responsibility of teams to have their robots re-inspected if modifications are made to the robot at any time during the tournament.
2.4.2 競技期間中にロボットの改造を実施した場合は、チームの責任で再検査を実施しなければなりません。
2.4.3 Students will be asked to explain the operation of their robot, in order to verify that the construction and programming of the robot is their own work.
2.4.3 ロボットの製作とプログラミングをチームメンバーが自ら実施したことを確認するために、チームメンバーはロボットに対する活動について説明をしなければなりません。
2.4.4 Students will be asked questions about their preparation efforts, and may be requested to answer surveys and participate in video-recorded interviews for research purposes.
2.4.4 チームメンバーは、実施してきた準備活動についての質問に答えます。また、調査の回答や研究を目的としたビデオ撮影を伴ったインタビューを依頼される場合があります。
こんな感じでしょうかねぇ。
ここは2012年ルールからの変更は、ありません。
日本の大会でいう「車検」です。
でも、この2.4章は、どちらかというと「インタビュー」の意味の方が近い感じです。
世界大会では、1チーム10分程度でインタビューが実施されます。
チームのこと、ロボットのこと、プログラムのこと・・・いろいろ聞かれたことに対して答えます。
日本からのチームは、このインタビューが下手なんだそうです。
まず、インタビューが英語で行なわれる、というのが最初の難関なんでしょうか!?
別に、取調べじゃないのだけど・・・
(私たちは、冗談でインタビュールームを「取調室」と言っていますが・・・)
質問がわからないなら、「質問をもう一度お願いします」
回答がわからないなら、「それは判りません」
なにしろ、何かしら答えないと先に進みません。
黙っちゃうのは・・・Japanese okuyukashisa・・・なのかもしれませんがねぇ。(笑)
間違うのは恥ずかしい、自信が無いから・・・、良くわかんない・・・
まあ、いろいろあるでしょうがねぇ。
インタビューというか、自分のチームのプレゼンの場であり、ここ(世界大会)に来るまでの、自分達の努力を見てよ!! という、気合でインタビューに臨んで欲しいですね。
直接は知らないのですが・・・日本からのチームでインタビューのやり直しなどもあったようです。
今回のお題は「チーム」です。
2.3.1 A team is only allowed one robot in the arena.
2.3.1 競技アリーナにはチームからロボットを1台だけ使用できます。
2.3.2 Also refer to 3.2 Humans rules.
2.3.2 3.2章を参照のこと
こんな感じでしょうかでねぇ。
チームは1台のロボットを使います。
あとは、3.2章を見なさい
・・・だって
今回のお題は「構成」です。
2.2.1 The height of a robot must not exceed 30 cm.
2.2.1 ロボットの高さは30cmを越えてはいけません。
2.2.2 Robots may not have any sensor or other device that enables it to 'see' over the walls.
2.2.2 ロボットは壁の向こう側を見る(探知する)センサーや機能を備えてはいけません。
2.2.3 Robots may be constructed of any robot kit or building blocks (either commercially available or custom built from raw hardware) as long as the robot complies with the above constraints, and its design and construction are primarily and substantially the original work of the students (see section 2.5. below).
2.2.3 ロボットの設計と制作がチームメンバーによるものであり、上に書かれた制約を満たせば、どのようなロボット・キット、またはブロックも使用できます。(一般に販売されているものでも、部品を集めて制作したものでも)(2.5章を参照)
2.2.4 Any commercially produced robot kit that is specifically marketed as a 'maze solver' or 'rescue robot' is likely to be disqualified unless significant modifications have been made to both its mechanical design and software. If there is any doubt as to the acceptability of a particular commercial product, participants must obtain approval from the International RoboCupJunior Rescue Technical Committee several months prior to any competition. Organizers will treat all inquiries with the utmost privacy, and will not release details to any third parties.
2.2.4 一般に販売されているロボットのキットで、特に「迷路探索ロボット」や「レスキュー競技用ロボット」については、ロボットの構成やプログラムについて重要な修正がなされなければ失格になる可能性があります。 製品がルールに従っているどうかについては、競技会の数ヶ月にレスキュー技術委員に問い合わせることができます。 質問者のプライバシーは尊重されます。
2.2.5 Bluetooth Class 2 and Class 3 communications, and ZigBee (See RoboCupJunior General Rules) are the only radio type allowed in RoboCupJunior. Teams with robots that have other types of radio communication on board have to remove these radio communication devices or disable them as other types of radio communication can interfere with other leagues competing in RoboCup. If a robot has a device(s) for
other forms of radio communication, the team must prove that device have been disabled. Robots that do not comply may face immediate disqualification from the tournament.
2.2.5 ロボカップジュニアの競技で使用できる無線通信は、BlueTooth Class2 とClass3、ZigBee (ロボカップジュニアのGeneral Rules 参照)だけです。 ロボットに他の無線通信の機能がある場合は、ロボカップの他の競技に影響があるかもしれないので、それらを取り除くか無効にしなければなりません。 ロボットに他の種類の無線通信機能を搭載している場合は、それらが機能しないことを証明しなければなりません。対応できないロボットは競技への参加資格を失う可能性があります。
2.2.6 For safety reasons, no lasers are allowed on any robot.
2.2.6 安全性の問題で、レーザーの使用は禁止します。
こんな感じでしょうかねぇ。
ロボットの構成についてですが、変更点は・・・
2.2.1 は、mm を cm に修正しただけです。
そして、2.2.5 では、General Rules に基づいてBT3を追加しました。 また、それ以外の通信機能を持ったロボットは、それを取り外すか、機能しないことをチームが証明しなければなりません。 android携帯電話や iPhone をコントローラにする場合は、BT以外の通信機能を使用していないことを証明します。 (これ、どうやるんですかねぇ!?)
ところで、ロボットの高さ制限は相変わらず30cmです。 壁の高さが「少なくとも15cm」になったので、壁はロボットよりも低い状況になりました。 ここで初めて、2.2.2 が有効になりましたねぇ。 でも、壁の向こう側を見る機能って・・・実現されたら、技術的には凄いなぁ。
今回のお題は「制御」です。
2.1.1 Robots must be controlled autonomously (use of a remote control to manually control the robot is not allowed).
2.1.1 ロボットは自律制御型でなければなりません。(ロボットを手動で制御してはいけません。)
2.1.2 Robots must be started manually by the team captain.
2.1.2 ロボットはチームキャプテンが手動でスタートします。
2.1.3 Robots may utilize various maze navigation algorithm. Pre-mapped type of dead-reckoning is prohibited.
2.1.3 ロボットは、様々な迷路抜けのアルゴリズムを利用します。 事前に経路の情報を予め組み込んではいけません。
2.1.4 The robot must not damage any part of the arena in any way.
2.1.4 ロボットは、競技アリーナを傷つけてはいけません。
2.1.5 Robots should include a stop/pause button so they may be easily stopped/paused by humans to avert any potentially damaging or illegal robot actions.
2.1.5 ロボットは、何かの問題が発生したときやロボットが意図しない動作をしたときに簡単に停止できるように、停止/休止ボタン(機能)を持たなければなりません。
こんな感じでしょうかねぇ。
この章も、基本的には変更ありません。 判りやすい表現にしてくれました。
まず、ロボットは自律的に動かなければなりません。(リーモートコントロールなど、人間が操作してはいけないということです。)
そして、決め撃ち禁止です。 まあ、2012年の大会では「決め撃ち」するチームを見かけなくなりました。 ただ・・・あやしいのはあります。 なんで、そこで右に曲がるの!? とか・・・(笑)
「決め撃ち禁止」を明確にしたのが2012年ルールで、それ以前の大会では、「決め撃ちロボット」のチームが、勿論ありました。 もう、気持ち良いくらいの決め撃ちでした。
私が競技の迷路を作り始めると、アリーナの隣に来て迷路を書き写して・・・「ここを右に曲がって・・・ここを左に曲がって・・・」
何と言っても、温度センサーも搭載していないのに、被災者の前でロボットが停止して、ランプが光るんですから・・・(苦笑)
まあ、2012年ルールからは競技毎に黒のタイルの位置をサイコロを振って変更するので、「決め撃ち」自体が困難になってきていると思います。(つまり、ズルができないルールになってきたということです。)
ところで、2.1.5 には、緊急停止ボタンを装備しなさい・・・というルールになっています。 確かに、いくつかのロボットにはそのようなボタンが装備されています。 LEGOのロボットは・・・NXTのボタンを押して電源を切るから良い!? のでしょうかねぇ。
普通に電源をOFFにすれば良いだけなので、このルールは必要無いと思うのですが・・・
それよりか、持ち上げやすいように(サッカーロボットのように)きちんとした把手を義務付けた方が効果的ではないかと・・・
今回のお題は「環境」です。
1.7.1 Teams should expect the environmental conditions at a tournament to be different from the conditions of at their home practice field.
1.7.1 競技会場の環境は、各チームの練習環境とは異なっているかもしれません。
1.7.2 Teams must come prepared to adjust their robots to the lighting conditions at the venue.
1.7.2 チームは、会場の照明の状況に対応してロボットを調整しなければなりません。
1.7.3 Lighting and magnetic conditions may vary along the course in the rescue arena.
1.7.3 照明と磁気の状況は、競技アリーナの場所によって違うかもしれません。
1.7.4 The arena may be affected by magnetic fields (e.g. generated by under floor wiring and metallic objects).
1.7.4 会場の床下の配線や金属によって、競技アリーナは磁気の影響を受けるかもしれません。
1.7.5 Teams should prepare their robots to handle unexpected lightning interference. While the organizers and referees will try their best to minimize external lighting interference, it is not possible for them to foresee all unexpected interferences such as camera flash from spectators.
1.7.5 チームはロボットが、会場での照明の影響を受けないような、準備(対策)をしてください。 主催者や審判は外部からの照明の影響が最小にするための努力をしますが、観客がカメラのフラッシュを焚くなど、予想外のことがあるかもしれません。
1.7.6 The OC will try their best to fasten the walls onto the field floor so that the impact from regular robot's contact should not affect it. (Refer to 6.1)
1.7.6 ロボットがぶつかっても影響が無いように運営者は、できるかぎりしっかりと壁を床に固定します。(6.1章を参照)
こんな感じでしょうかねぇ。
真っ赤ですが、とくに新しいことを記載しているわけではありません。
まず、1.7.1 は変更ありませんが・・・これ、ルールに書く必要があるのでしょうか!?
競技会場の競技アリーナと自分達が練習してきた練習アリ-ナが違うのは、「あたりまえ」ですよねぇ。 どこかの大会で、「この競技アリーナは、我々が本国で練習してきた練習アリ-ナと違う」とか言ってクレームをつけたチームが居たのでしょうか(笑)
1.7.2 は、会場の照明環境です。 これも、明るすぎるとか暗すぎる・・・とか文句を言ったチームがいたのかなぁ。 確かにこれまで、太陽の恵み燦々の会場もありましたからねぇ。
1.7.3 は、ここらへんも、常識の範囲だと思います。 アリーナの場所によって、明るさも磁気状況も違います。 ですから・・・周りの明るさや磁気環境に左右されないロボットを作らなければならないのですよね。
1.7.4 は、今度は磁気状況です。 ルールの順番的には 1.7.3 と 1.7.4 は逆の方が良かったと思いますが・・・
1.7.5 は、観客がフラッシュを焚くなど、いろいろなことがあるけど、対応しなさいね。 ということ。 だからといって、観客は安易にフラッシュを焚かないように・・・
でも・・・特にレスキューBは、フラッシュを焚かれても問題無い様に思います。
1.7.6 は・・・イランチームへのサービスでしょうか(笑) ロボットは壁を頼りに迷路を抜けます。 だから、壁にガンガンぶつかります。 だから、ロボットが壁にぶつかっても(なるべく)影響が無いように壁をしっかり固定しましょう。
でも、私が大会の運営者なら、壁をゆるく固定して「壊したらペナルティ」にしますけどね(笑)
今回のお題は「被災者」です。
1.6.1 Victims are heated sources located near the floor of the arena (centered approximately 7 cm above the floor).
1.6.1 被災者は発熱体で、競技アリーナの床の近く(大体7cmくらいの高さ)に配置されます。
1.6.2 Each victim has a surface area greater than 25 sq cm.
1.6.2 被災者の大きさは25平方cm以上です。
1.6.3 The organizers will try to keep enough difference (minimum of 10 degrees) between victims' temperatures and the indoor temperature. The temperature of victim simulates human body temperature between 28C to 40C.
1.6.3 被災者の温度は人間の対応に近い28℃~40℃になるようにします。また運営者は室温と被災者の温度の差が明確になるように、10度以上違いが出るようにします。
1.6.4 There will be a minimum of five (5) active victims in any round.
1.6.4 どのラウンドにも最低限5個(人)の被災者を配置します。
1.6.5 There may be objects that resemble victims in appearance, but are not heated. Such objects are not to be identified as victims by robots.
1.6.5 被災者と同じ形をしているが、熱を発していないものが配置されているかもしれません。 それらは、ロボットには被災者と判断されません。
1.6.6 Victims will never be located on black tiles or on tiles with obstacles.
1.6.6 被災者は黒のタイルや障害物が置かれたタイルには設置されません。
こんな感じでしょうかねぇ。
まず、1.6.1 で、被災者(ヒーター)の概略を説明してしますが、electrically というのが削除されました。 つまり、これまでは、電気ヒーター でしたが、2013年ルールでは、単なるヒーターです。 これは、メキシコ世界大会で、OC が電気式のヒーターを準備できずに、私が日本から持っていった、ホッカイロを被災者として使ったからでしょうねぇ。
それから、of thermal infrared (TIR) radiation (wavelengths greater than about 3 microns) という説明も削除されました。 これは、誰もそのような波長が出ていることを証明できないし、「赤外線」と書くと、「赤外線センサー」(いわゆる光センサー)で検知できると勘違いされるからですね。
さらに Victims may be coated with paint or fabric to ensure a high thermal emissivity. も削除されました。 意味無いし・・・
変更があったのは、1.6.3で、室温と被災者の温度差を10度以上にすること・・・という運営側の首を絞めるようなルール追加が入りました。(笑)
まあ、普通は会場内は25℃から27℃くらいなので、なんとかなると思うのですがねぇ。
電気ヒーターなどで、温度調節ができる被災者なら良いのですが、ホッカイロだと、温度調節ができません。 ルールを決めた人は、そこら辺が判っているのかなぁ。
1.6.5 で、ダミーの被災者を設定しています。・・・実際、メキシコ世界大会で設定されましたが、あんまり意味がありませんでした。
それと・・・1.6.6 で、黒のタイルには被災者は居ない、障害物のあるタイルにも被災者は居ない、ということです。
黒の領域には、被災者を置かない・・・というのは、常識的でOKなのですが、障害物は経路上に置くものではなくなったようなので・・・
障害物の配置された2×2の広間の壁に被災者を配置しても良い・・・と思うのですが・・・
これも、ルールの中で整合性が取れていない部分だと考えます。