二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

雲の切れ間から射してくるもの

2013年11月23日 | Blog & Photo
昨日午後はヒマだったので、4時まえから河川敷駐車場にクルマを止めて、いい光がやってくるのを待っていた。
上空には雨雲のような雲がどんよりよどんでいる。しかし、雨は降ってこない。
風があって肌寒く、犬をつれた散歩者の影はまばら・・・。

座席をリクライニングさせて、カメラ雑誌に眼を通しながら「もうすぐ太陽が顔を出すぞ~」とばかり待ち構えていたが落ち着かないので、外へ。


ご覧の通り、雲の切れ間は細長い帯のように、地平線にはりついている。
木や建物があるけれど、わたしはこういう景物もふくめ、地平線と称している。
雲のあいだから、這うような低い斜光線が射してくる。
護岸と駐車場の奥の草野球の球場をいったりきたり...?^^);
空気の中に、エーテルのようなものが満ち渡っているのをとらえたかったが、どうしていいかわからない。それは雲の切れ間から射している。





ネット越しに、あるいはタイヤ越しに、強烈な西日に向かってシャッターをきる。それから利根の流れと県庁が聳える南の方角、また北の方角・・・やたらカメラを振って、数枚シャッターを切ってみた。
しかし、光がつかまらない。
いまここに降り注ぎ、エーテルのようにうっすらと満ち渡っている光。
そして、この木に眼をつけた。
「これを真下から煽って撮影してみよう」
逆光でも透過光でもないこの微妙な角度が正解。



木は栴檀(せんだん)。別名としてオウチ(楝)、アミノキ。
クリーム色の小さな実がたくさんくっついている。この実には毒があるから、ギンナンと間違えて食べたら、たいへんなことになるかも|*゜Д゜|┛

昨年この場所でこの木を撮影したとき、名がわからず、マイミクさんに教えていただいた。
利根の川岸には、なぜかは知らないが、栴檀が多く植樹されている。



そうだ、この光をつかまえたかったのだ。
手にしていたのは、PEN E-P3 14-42㎜ズーム。
わたしは角度をかえて何枚も撮った。ここにあげたのはiAUTOで撮影した画像。
空は灰色と青の微妙なグラデーションとなっていて、栴檀は北風にゆれている。


それからしばらくして護岸へもどると、めずらしくカメラマンの姿があったので、近づいてお声をかけたら、それは以前日記にも一度登場していただいたことのある、マンションオーナーのMさん。正確にはオーナーの息子さんで、わたしよりは二回りくらいお若い。
手にしているカメラを拝見すると、フジのX-M1。
「まだ新しいじゃありませんか」
そこで少々機材談義・・・いつものことだが*´∀`)ノ
「これもよく使うんですよ」と、つぎにカメラバッグから出てきたのは、なんと最高級機X-Pro1ではないか!
「わたしも欲しかったけれど、高くて手が出なかったですよ。へえ、何ミリのレンズつけているんですか」
すると、12㎜だとのこと。え! フジに単焦点12㎜なんていう超広角レンズがあったかしら?
「すごいですね。35㎜換算だと何ミリ?」
「18㎜ですね」
ちょっとフジご自慢のファインダーをのぞかせてもらったら、レンズとフードにより、盛大にケラレている。
そんな話に興じながらMさんとならんで、利根川左岸から撮影したのがこちら。





光芒がくっきりとあらわれ、期待した以上の夕焼けとなった。
ほとんど同じフォトだが、露出をかえて写している。
Mさんもカメラ、レンズをかえては写していた。
昔は写友に誘われたり、誘ったりしながら、よくこうしてならんで撮影したりしたものだ。

さっき調べたら、12㎜とはツァイスのTouit 12mm F2.8のことで、実売で10万円以上する高価&優秀なレンズ!! わたしのオリンパス標準ズーム(こっちは普及価格でマウントがプラスチック製)とは大違い~~ヽ いいですねぇ、うらやましい。
以前お逢いしたときは、たしかRICOHのGXRにA12マウントを介し、ライカのズミクロン50㎜F2を装着していた。レンズグルメ!


こうして河岸を客席にした天空のドラマは、Mさんとわたしが見ているまえで、短い幕を下ろしたのだ。
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