恋のサンバ ～ナミアゲハ熱烈求愛シーンを撮影

草刈りを終え、母屋の台所を掃除したあとスーパーで弁当を買ってきて食べた。
北関東はやや明るい曇りだけれど、正午ころから、ときおり小雨がパラついている。

外へ出てみたら、やけに大きい、立派なナミアゲハがミカンの木にきている。
「ん？　もしかしてキアゲハかな」
そう思えるような、美しく大きな個体だった。

そこへ、ひとまわり、いやもっと小さい、いくらか貧相に見える♂が現われ、ラブアタックを開始。
おっ、おおー！
内心で歓声をあげたくなるような、熱烈な求愛行動に、わたしは急いでカメラを取りに走った(^^)/


いやー、すごい！　すごい！
これまで幾度となくこんな求愛シーンは目撃し、撮影もしているが、これほどすばらしいダンスははじめてかも(*_*)
惚れぼれ・・・というか、見ているこちらの胸まで熱くなるような、見事なダンス。

もう5-6年まえ、ぐんま昆虫の森でヒメアカタテハの求愛シーンに胸をこがしたことがあった。
あれ以来かも。
いやあれより見応えがあった。
一流の女優に対して、風采のあがらない小柄な喜劇俳優が、運命的な出会いをし、夢中になってラブアタックしているようなものかな(?_?)
「おいおい、相手はマリリン・モンローだぞ。あんたのものにはならないだろう」


♀は普通、一度受精（受胎）してしまうと、二度と♂の求愛は受け容れないという。
だからへんな表現だけれど、♂にしてみれば早い者勝ち・・・となる。
この場合も、♀は拒否するでもなく、OKするでもなく、いささか曖昧な態度に終始していた。そういうふうに、わたしの眼には映った。
だから♂はますます恋の熱を高ぶらせ、あらゆる技を披露し、懸命にダンスに誘おうとする。






♀がうるさがって物干し竿のほうへ移動すると、そのあとを追って、盛んにダンス！　ダンス！　自分の存在をアピールしつづける。

やがてその♂を振り払うように、マリリンはふわっ～～と大空へ！
♂は疲れてしまったのか、ちょっと追いすがったがすぐにあきらめ、二頭はバラバラになって、どこかへと飛んでいった。
十分間あまりつづいたナミアゲハ、恋のサンバはこうして終った。

ふうう、すばらしい！
こんなシーン、見ることはできても、撮影となるとほとんど奇蹟に近いだろう。
いや、ちょっと大げさかな(笑)。