
(ドボルザークの8番9番の愛聴盤はクーベリック&ベルリン・フィルだけど、聴きすぎて耳タコ状態じゃなあ)
先日久々に会った旧友Kさんとランチしながら話し込んでいたら、このところ、古楽(ピリオド楽器)に少し凝っているという。
おもにバロック音楽を聴いているようだけど、モーツァルトやベートーヴェンでもCDを集めはじめたらしい。
「たとえば油絵が絵画だと思っていた人間が、水墨画とか浮世絵を見たときの気分に似ているんだよね。おもしろいよ」とのこと。
うーむ、なるほどそうか。
そういう音楽も愉しいだろうな、たしかに。Kさんは趣味でドラムを叩いている。中学時代は、ハーモニカの名手でもあった。わたしがトンチンカンな質問ばかりするので、のけぞっていた(^^;)ガハハ
・・・で、からかわれたわたしはというと、ベトちゃんの弦楽四重奏曲のあと、ドボルザークに迷い込んでいるのだ。
1973年カラヤンが手兵ベルリンフィルを率いて来日した。
ここに、そのときのリハーサル動画がUPされている。
https://www.youtube.com/watch?v=22mfWMioWWA
壮年期の力強さがみなぎる、猛禽類みたいな70年代のカラヤン(1908~1989年)。
70年代が全盛期だと思われるが、80年代にはまた違った、老年期のカラヤンが味わえる。
わたしは、シンフォニーの醍醐味を、60年代のカラヤンに教えられた世代に属する。
さて、ここで演奏されているのは、ドボルザークの交響曲第8番ト長調。
ご存じの方が多いと思われるが、念のためリストアップしておくと、ドボルザーク(1841~1904年)の代表作は、
1.交響曲第7番ニ短調
2.交響曲第8番ト長調
3.交響曲第9番ニ短調(新世界より)
4.弦楽セレナードホ短調
5.スラヴ舞曲集(管弦楽版)第一集 第二集
6.ヴァイオリン協奏曲イ短調
7.チェロ協奏曲ロ短調
8.ピアノ五重奏曲
9.弦楽四重奏曲第12番ヘ長調(アメリカ)
・・・である。
ほかにも佳作が存在するが、この9曲あたりがしばしば演奏され、ディスクの数も圧倒的に多い。
交響曲第8番ト長調、交響曲第9番ニ短調、チェロ協奏曲ロ短調、弦楽四重奏曲第12番ヘ長調(アメリカ)
ドボルザークといえば、この4曲というくらい有名(=_=)
稀代のメロディ・メーカーといわれる作曲家だけに、魅力たっぷりのちょっと甘口のメロディーがいたるところに惜しげもなくバラ撒かれている。
この味わいをひとくちで詩的に表現すれば「優美なるノスタルジーの世界」ということになるかな♪ハハ
鳩が大好き、しかも超有名な鉄道マニアで、ドボルザークの名を冠した列車まで走っていたことがあったという。
彼は肉屋&宿屋をいとなむ家の息子として、プラハ近郊のネラホゼヴェスという鄙びた村で生まれた。
その才能を見出したのは、かのブラームスなのです(^^♪
ところで、今日取り上げてみたいのは、9番でも8番でもなく、第1番ハ短調(ズロニツェの鐘)と第4番ニ短調。
https://www.youtube.com/watch?v=ez-PwWkaxSY
ブルックナー
マーラー
上記2人の作曲家と違うのは、交響曲ばかりでなく他のジャンルにも秀作を残していることだろう。しか~し、なんと交響曲だけで9曲もあるのですぞぉー。
「なんだって、いまさらドボルザークなの?」
友人と話していたとき、そう冷ややかに質問されてしまったが、その場では「うーん。なぜかドボルザーク、なんだよね」としか答えられなかった(ノ_σ)アハハ
「こういった音楽を、いちいちことばで表現できるかい!」
ともいえず。
いまならこういうよ。
「ドボルザークいいですよ、東欧っぽいローカルカラーがいっぱいつまったおじさんのおもちゃ箱。ノスタルジックな響きがクセになる」と。
ところでこの第1番、24歳のとき公募に応募し落選、その後ご本人すら忘れていたが、楽譜一式が死後古書店から発見された。だけど、今度は所有者が出版を許可せず、日の目を見たのが1961年になってから・・・というのだからおもしろい(^^♪
ズロニツェというあだ名は、肉屋の修行をしならが音楽の初歩を学びはじめた、プラハ西方約80キロにある町の名に由来する。しかし曲の内容とは関係がないそうだ。

(ノイマン&チェコ・フィルによる、二度目のドボルザーク交響曲全集)

(こちらはスイトナー指揮&シュターツカペレ・ベルリンのドボルザーク。1番3番4番6番その他が収録されている)
ノスタルジーといっても、その感情はあくまで“推進力”として働く感情なので、ノスタルジーの周辺にいろいろな人間的な情緒がまつわりついている。しかも、ノスタルジーそれ自体にも振幅があり、ドボルザーク的な世界のパースペクティヴは、民族音楽楽派として一括りにされてしまうことが多いのは仕方ないとしても、漠然と想像するほど単純な世界ではない。
https://www.youtube.com/watch?v=eijexVamOds&list=RDeijexVamOds&start_radio=1
交響曲第4番ニ短調はこちら(^^♪
あまり高い評価はうけていないようだが、どうしてどうして。
ノイマン&チェコ・フィルの演奏は、ノリの利いていないYシャツみたいで、いささか日向くさいが、スイトナー&シュターツカペレ・ベルリンの演奏は、ディテールまですっきり筋が通っていて、洗練度がワンランク上。
友人はピリオド楽器で演奏される音楽、わたしは古ぼけたYシャツみたいなドボルザークに迷い込んでいる、というわけだ(^ー^)
クラシック熱から、まだしばらく冷めそうにないなあ♪
アメリカの3年間に、ホームシックにかかり、再発見したんだね、故郷ボヘミアを。
故郷とは「発見するもの」「発見されるもの」なのでありまする。
先日久々に会った旧友Kさんとランチしながら話し込んでいたら、このところ、古楽(ピリオド楽器)に少し凝っているという。
おもにバロック音楽を聴いているようだけど、モーツァルトやベートーヴェンでもCDを集めはじめたらしい。
「たとえば油絵が絵画だと思っていた人間が、水墨画とか浮世絵を見たときの気分に似ているんだよね。おもしろいよ」とのこと。
うーむ、なるほどそうか。
そういう音楽も愉しいだろうな、たしかに。Kさんは趣味でドラムを叩いている。中学時代は、ハーモニカの名手でもあった。わたしがトンチンカンな質問ばかりするので、のけぞっていた(^^;)ガハハ
・・・で、からかわれたわたしはというと、ベトちゃんの弦楽四重奏曲のあと、ドボルザークに迷い込んでいるのだ。
1973年カラヤンが手兵ベルリンフィルを率いて来日した。
ここに、そのときのリハーサル動画がUPされている。
https://www.youtube.com/watch?v=22mfWMioWWA
壮年期の力強さがみなぎる、猛禽類みたいな70年代のカラヤン(1908~1989年)。
70年代が全盛期だと思われるが、80年代にはまた違った、老年期のカラヤンが味わえる。
わたしは、シンフォニーの醍醐味を、60年代のカラヤンに教えられた世代に属する。
さて、ここで演奏されているのは、ドボルザークの交響曲第8番ト長調。
ご存じの方が多いと思われるが、念のためリストアップしておくと、ドボルザーク(1841~1904年)の代表作は、
1.交響曲第7番ニ短調
2.交響曲第8番ト長調
3.交響曲第9番ニ短調(新世界より)
4.弦楽セレナードホ短調
5.スラヴ舞曲集(管弦楽版)第一集 第二集
6.ヴァイオリン協奏曲イ短調
7.チェロ協奏曲ロ短調
8.ピアノ五重奏曲
9.弦楽四重奏曲第12番ヘ長調(アメリカ)
・・・である。
ほかにも佳作が存在するが、この9曲あたりがしばしば演奏され、ディスクの数も圧倒的に多い。
交響曲第8番ト長調、交響曲第9番ニ短調、チェロ協奏曲ロ短調、弦楽四重奏曲第12番ヘ長調(アメリカ)
ドボルザークといえば、この4曲というくらい有名(=_=)
稀代のメロディ・メーカーといわれる作曲家だけに、魅力たっぷりのちょっと甘口のメロディーがいたるところに惜しげもなくバラ撒かれている。
この味わいをひとくちで詩的に表現すれば「優美なるノスタルジーの世界」ということになるかな♪ハハ
鳩が大好き、しかも超有名な鉄道マニアで、ドボルザークの名を冠した列車まで走っていたことがあったという。
彼は肉屋&宿屋をいとなむ家の息子として、プラハ近郊のネラホゼヴェスという鄙びた村で生まれた。
その才能を見出したのは、かのブラームスなのです(^^♪
ところで、今日取り上げてみたいのは、9番でも8番でもなく、第1番ハ短調(ズロニツェの鐘)と第4番ニ短調。
https://www.youtube.com/watch?v=ez-PwWkaxSY
ブルックナー
マーラー
上記2人の作曲家と違うのは、交響曲ばかりでなく他のジャンルにも秀作を残していることだろう。しか~し、なんと交響曲だけで9曲もあるのですぞぉー。
「なんだって、いまさらドボルザークなの?」
友人と話していたとき、そう冷ややかに質問されてしまったが、その場では「うーん。なぜかドボルザーク、なんだよね」としか答えられなかった(ノ_σ)アハハ
「こういった音楽を、いちいちことばで表現できるかい!」
ともいえず。
いまならこういうよ。
「ドボルザークいいですよ、東欧っぽいローカルカラーがいっぱいつまったおじさんのおもちゃ箱。ノスタルジックな響きがクセになる」と。
ところでこの第1番、24歳のとき公募に応募し落選、その後ご本人すら忘れていたが、楽譜一式が死後古書店から発見された。だけど、今度は所有者が出版を許可せず、日の目を見たのが1961年になってから・・・というのだからおもしろい(^^♪
ズロニツェというあだ名は、肉屋の修行をしならが音楽の初歩を学びはじめた、プラハ西方約80キロにある町の名に由来する。しかし曲の内容とは関係がないそうだ。

(ノイマン&チェコ・フィルによる、二度目のドボルザーク交響曲全集)

(こちらはスイトナー指揮&シュターツカペレ・ベルリンのドボルザーク。1番3番4番6番その他が収録されている)
ノスタルジーといっても、その感情はあくまで“推進力”として働く感情なので、ノスタルジーの周辺にいろいろな人間的な情緒がまつわりついている。しかも、ノスタルジーそれ自体にも振幅があり、ドボルザーク的な世界のパースペクティヴは、民族音楽楽派として一括りにされてしまうことが多いのは仕方ないとしても、漠然と想像するほど単純な世界ではない。
https://www.youtube.com/watch?v=eijexVamOds&list=RDeijexVamOds&start_radio=1
交響曲第4番ニ短調はこちら(^^♪
あまり高い評価はうけていないようだが、どうしてどうして。
ノイマン&チェコ・フィルの演奏は、ノリの利いていないYシャツみたいで、いささか日向くさいが、スイトナー&シュターツカペレ・ベルリンの演奏は、ディテールまですっきり筋が通っていて、洗練度がワンランク上。
友人はピリオド楽器で演奏される音楽、わたしは古ぼけたYシャツみたいなドボルザークに迷い込んでいる、というわけだ(^ー^)
クラシック熱から、まだしばらく冷めそうにないなあ♪
アメリカの3年間に、ホームシックにかかり、再発見したんだね、故郷ボヘミアを。
故郷とは「発見するもの」「発見されるもの」なのでありまする。