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用事があって駅前のけやき通りへいったら、けやきが芽吹いて、新緑の季節を迎えようとしているのを眼にした。
米軍の爆撃により前橋市街地の大半は焼け野が原になった。
その落とし子のような六車線の広い道路。
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このあたりはフィルカメラの時代から、何回もカメラ散歩している。
出かけていくたびに、街の変化を膚で感じることができ、ほんのちょっとのつもりが、ついつい時間がたってしまう。
沼田城址へいったときの三本目のブローニーが、三コマ残っていたので、それを消化したあと、PENデジ&標準ズームをつけてぶらぶら・・・。
風はなく、いいお天気で、空が青い。
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キリンビールのこんな看板を見つけた。
ホーロー看板をぺたぺたと貼ってある居酒屋の塀も健在だった(^-^)
上を見あげるとけやきの新緑、広々した歩道には、ベンチとテーブルを置いた喫煙所が、いまでも存在している。
最近のPENはiモードで撮ることが多いが、晴天だとコントラスト高すぎ、彩度ハデすぎ(^^;) 「まるで塗り絵のようだ」と悪口をいう人がいるが、いわゆる風景モードなのである。レタッチし、コントラスト、彩度を調整したコマもある。
古くなったホテルの解体作業がはじまっている。
シルエットとなっているのは「街の彫刻」である。
感慨深そうなこのうつむいた男に、わたしは一瞬だけ自己を投影し、そして立ち去ってゆく。
かつての繭の集積地を象徴するようなレンガ倉庫も、わずか数棟を残し、解体されてしまった。「再開発」の名のもとに消えていく“昭和”。なつかしんでも仕方ないけれど――そうせずにはいられない(^^;)
「どこかで、なにかがわたしを待っている。
目撃者があらわれるのを。だれかやってきて、それがそこにあったと、記録にとどめてくれることを」
それをしも“街の無意気”と呼ぶべきかどうか迷う。
かつてはあんなににぎわっていたのだ。人びとはどこからやってきて、いったいどこへと消えてしまうのだろう?
こころの奥底では、その後ろ姿を追うようにして、歩いていく。
萩原朔太郎の「猫町」ではないが、この街のはずれあたりに、老人や猫の後ろ姿が美しい景勝地・・・異邦人にはなんてことない路地のようなところがあるのかもしれない。
いま、帰りがけにふと手に入れたブレンデルのシューベルトが聞こえている。
CD2枚組。D90とD94の「即興曲」、「さすらい人幻想曲」は、ブレンデルに教えてもらったのだ。その後いろいろなピアニストで聴いたが、やっぱりここへ帰ってくる。
帰ってくると、ホッとする。
「あの日、あの時の時間」がよみがえり、流れはじめる。
そこに身をゆだねる。