
オレンジのTシャツを着たうら若き乙女が
さっきから 川のほとりに立っている。
いろいろなものがその川を流れていく
・・・のを彼女は見ている。
どうやらその光景をケータイで撮影し だれかに送付しているらしい。
小鳥がさえずっているみたいな着メロが鳴り
その表情が輝く
・・・のをぼくは見ている。
ああ なんて可愛いのだろう。
そのしぐさや ほっそりしたうなじ。
ふくらみのたりない 少年のような胸。
ぼくの祖母や母にもあんな時代があったのだ。
川は夢のように流れる。
小さな夢は より大きな夢に流れ込み
さらに大きな夢へとつながっている。
いまというこの一瞬をやがて彼女は忘れ
ぼくも忘れる。
「サヨナラダケガ人生ダ」
なーんて単なる感傷だが
それが一面の真理をふくんでいることに気がつくまで
どれくらいの時間が必要なんだろう 彼女に。
どれくらいの水が流れねばならないのだろう この川に。
オレンジ色のTシャツがいつかぼくの遠い記憶の端っこで
空に舞いあがり 舞い降りてはまた舞いあがる。
・・・のをぼくは感じる。
まるでヒョウモンチョウが乱舞しているようだね。
彼女はネコ語 イヌ語がしゃべれる魔女みたいな一瞥をぼくにくれて
土手の下へ走っていく。小さくなり
やがて見えなくなる。
――永遠という名のドアの向こう側へと。
※写真と詩には直接の関係はありません。
さっきから 川のほとりに立っている。
いろいろなものがその川を流れていく
・・・のを彼女は見ている。
どうやらその光景をケータイで撮影し だれかに送付しているらしい。
小鳥がさえずっているみたいな着メロが鳴り
その表情が輝く
・・・のをぼくは見ている。
ああ なんて可愛いのだろう。
そのしぐさや ほっそりしたうなじ。
ふくらみのたりない 少年のような胸。
ぼくの祖母や母にもあんな時代があったのだ。
川は夢のように流れる。
小さな夢は より大きな夢に流れ込み
さらに大きな夢へとつながっている。
いまというこの一瞬をやがて彼女は忘れ
ぼくも忘れる。
「サヨナラダケガ人生ダ」
なーんて単なる感傷だが
それが一面の真理をふくんでいることに気がつくまで
どれくらいの時間が必要なんだろう 彼女に。
どれくらいの水が流れねばならないのだろう この川に。
オレンジ色のTシャツがいつかぼくの遠い記憶の端っこで
空に舞いあがり 舞い降りてはまた舞いあがる。
・・・のをぼくは感じる。
まるでヒョウモンチョウが乱舞しているようだね。
彼女はネコ語 イヌ語がしゃべれる魔女みたいな一瞥をぼくにくれて
土手の下へ走っていく。小さくなり
やがて見えなくなる。
――永遠という名のドアの向こう側へと。
※写真と詩には直接の関係はありません。