二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

この地球の生きもの(ポエムNO.2-32)

2014年04月27日 | 俳句・短歌・詩集
<利根川で見かけたカワウ>




ぼくの体の中には得体のしれない怪物が住んでいてね。
ふだんはおとなしくしているけれど
なにかきっかけがあると 暴れだすことがある。
そうなると もうぼく自身にも手におえない。
空を飛べないアホウドリ。

眼をつむり 自身がそういう生きものだと想像してみる。
ぼくやきみの日常はバラバラにしてみると
必要のないムダな部品ばかりでできている。
しかもその大半は古びて使いものにならない。
それが だれかさんの体なのだね。



たんぽぽの繊毛が風にのって飛んでいく。
先日すれ違った背の高い老人はいくら呼びかけても
遠い夕陽をみつめ 返事をしない。
もう死んでいるのだろうか。
さっきから 身じろぎひとつしない老人の横を通って

ぼくは静かな雑木林へと入っていく。
オオルリに遇いたい キビタキに遇いたい
遇ったら撮影したいと胸を焦がし。
涙の中の塩辛い小さな海。
むろん嘘もまじっていてね。



やさしさを至上の価値だという人が
豚肉や牛肉をむさぼり食っている。
罪のない偽善者たち とだけいって
笑っているぼくはもっとたちが悪い人間なのか?
だから神や仏を必要とするんだろう。

キジバトもハクセキレイも
神仏を必要となんかしていない 純粋なるもの。
「純粋なるもの」へのぼくのあこがれ。
風邪をひいてしまって昨日から調子が悪いな。
ウィルスだってこの地球の生きものだけど。

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