
<ある日の利根川寸景>
愛のことばをほどいていくと
キラキラ光る小さなルビーがころがり出る。
憎しみのことばを研きつづけると
とがった一本の鎌のようなものにぶつかる。
幸せは守らなければ逃げていく。
さっきまでそこで一群のハトがのんきに餌をついばんでいたというのに
いまはもう彼らの姿は見えない。
陽が翳って 気温が下がりはじめる。
ことばで動かせるものはなにもない。
あるときそのことに気がついて
ぼくは詩人であることをやめた。
にもかかわらず こうして詩のようなものを書いている矛盾。
ぼくやぼくたちはどこへ向かっているんだろう
たとえば 毎朝せっせと歯をみがき 顔を洗って
さも大事な用事が待ち受けているとでもいうようにはじまる一日。
川はどんな川もやがては海に合流する。
ぼくやぼくたちの生活はこのさき
何に合流するんだろう?
生きているあいだに
あるいは死んだあとで。
愛のことばをほどいていくと
キラキラ光る小さなルビーがころがり出る。
憎しみのことばを研きつづけると
とがった一本の鎌のようなものにぶつかる。
幸せは守らなければ逃げていく。
さっきまでそこで一群のハトがのんきに餌をついばんでいたというのに
いまはもう彼らの姿は見えない。
陽が翳って 気温が下がりはじめる。
ことばで動かせるものはなにもない。
あるときそのことに気がついて
ぼくは詩人であることをやめた。
にもかかわらず こうして詩のようなものを書いている矛盾。
ぼくやぼくたちはどこへ向かっているんだろう
たとえば 毎朝せっせと歯をみがき 顔を洗って
さも大事な用事が待ち受けているとでもいうようにはじまる一日。
川はどんな川もやがては海に合流する。
ぼくやぼくたちの生活はこのさき
何に合流するんだろう?
生きているあいだに
あるいは死んだあとで。