二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

星のように美しいなにか(ポエムNO.4-19)

2020年09月06日 | 俳句・短歌・詩集
   (2013年10月 前橋市)



遠くからやってきたものが
ぼくらの袖口をかすめ
ふたたび遠ざかってゆく。
流星のように
火の玉のように。

すでに年寄りとなった
きみだとかぼくだとか
そういう現象をかすめて消える。
恋であり
夢であり。

隕石となって地球の裏側へ落下したというなら
名づけたって仕方ないから
名づけずにすまそう。
名づけずにすますことができるなら。
そのままそっと

手をふれず 足もださず
人に話すこともなく。
遠ざかっていくのを見送った。
あれは星のように美しいなにか だった。
美しいなにか・・・。

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