二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

小石のような地球   2022-05(6月30日)

2022年06月30日 | 俳句・短歌・詩集
どんな質問にも
答えがあるとはかぎらない。
七色の虹のなかに黒は混じっていないし
数えきれない偶然の積み重なりの涯に地球が浮かんでいる。
孤独な地球 宇宙でたったひとつの。

気がついたらきみはここにいた。
壊れるまでは走らねばならない。
二十一世紀はまだはじまったばかりなのに
年々政治的分断がすすんでいる。
美しかった夏のあのバラもしおれてしまったな。

この風景
きみがいつも眺めているこの風景。
草木を太陽が茹でているような暑さに苦しみながら
日陰をさがしては本を読んで
バッハのヴァイオリン協奏曲を聴いては
セクシーなグラビアアイドルを目の端で追う。

この数か月引き算ばかりだったから
生活はどんどんシンプルになってゆく。
そして友達はいなくなった。
昔という時間に流れ入るものと
昔という時間から流れ出すものの交錯。

いちばん不可解なのがこのほろ苦い日常なのさ。
そこに黒インクをたらすみたいに
一つのことばを置く。
小石のような そこらによくあることばを。
そしてそこにできる光と影をきみは見ている。

小石のような地球 その光と影を。

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