「草木図譜」の番外編として企画した「晩秋の彩り 2011」が100枚に達し、一区切りつけることにした。
いままで、たいして眼を向けようとしなかった、向けてこなかった、身辺のささやかな光景である。この「ささやかな」というところに、意味を見いだしている。
風邪気味で鼻水すすりながら、けっこう、あちこちを歩きまわった。
ノコンギク(この花の美しさに目覚めた秋)
はじめはマクロレンズのみでいこうとしたが、後半は何枚か、LX5の画像をくわえた。
LX5は、高級コンパクトというジャンルに入る、いまでは少数派となったCCD機である。
この機種は、オート・ホワイトバランスにすぐれていて、コクのある上品な発色をする。
CCDの特性と、画像処理エンジンのバランスがうまくとれていて、逆光、半逆光の場合など、透明感があって、ときに「ちょっとキレイすぎやしないか!?」と不安になる(笑)。
昨年の10月に購入したので、ちょうど1年。街撮りでも重宝し、ニコンの相棒として十分満足している。
これでレスポンスがはやく、キャンディッドに使えたら不満はまったくないのだが・・・。
24mmF2.0~という明るめのズームレンズであり、夕焼けモードがあって、これがまた、なかなかのすぐれもの。こう写ったらいいな、と思った通りになるのが、すばらしい。
利根の川岸
一方ニコンのD7000は、ホワイトバランスを変えると、色味が劇的に変化する。
「自分の色」「自分のシャープさ」を決めてかからないと、多機能なカメラの設定値にふりまわされる。
これまではスタンダード一本槍。しかし、曇り日や日陰で、色にさえがないときや青みが強く出るような場合は、ビビッドに設定をかえる。
神社やお寺さん。家や仕事場の周辺。
足許にひっそりとうずくまる「小さな秋」をさがしながら、この秋はカメラ散歩を堪能することができた。
あとになって「ああ、あのころはよかったなあ」
そう感慨にふける日が、いつかくるのだろう。
フィルム時代と違って、短時間に大量に写真を撮ることができる。その場でモニター確認し、だめだったら撮りなおし。ほぼ納得がいく画像を手に入れて、その場をはなれる。
こちらは、滝の慈眼寺の「椿園」にある白椿。
落花し、紅葉した病葉(わくらば)にかこまれてしとねに憩う。
秋特有の斜光線が粋な影絵を演出し、来場者を待っている。
時間をやりくりし、わざわざ遇いにきてくれる人は、めったにいないのだが・・・。