二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

物忘れとデュ・プレ

2010年08月06日 | 音楽(クラシック関連)
このところ、物忘れがひどくなっている。
ものの名前、人の名前、店の名前・・・とにかくよく忘れる。
携帯電話には公私あわせて200件をこえる連絡先が登録してあるけれど、
名前を忘れると、それから検索するさえままならない。
昨日も水道業者の名を忘れてしまって、思い出すのに、名刺入れをひっくり返したり、名簿を点検したり、大わらわ(=_=)
酒とタバコの影響が出ているのかなあ。
それにしても、このままでは仕事に悪影響が及びかねない・・・といくらか不安になっている。もともと頭が悪いのは仕方ないとしても――。

さてさて、自分だけの気ままな時間。
昨夜はジャクリーヌ・デュ・プレのチェロ、バレンボイムの指揮で、
ドボルザークの「チェロ協奏曲」を2回聴いた。

多発性硬化症という難病で、42歳のはやすぎる死を惜しまれる天才女性チェリスト。
ふとしたことで、彼女の伝記を手に入れ、聴いておきたくなった。
なんという神の仕業なのかと、彼女のことを考えると気分が重くなる。
いままでは、ロストロポーヴッチで聴いていたのか、ミッシャ・マイスキーだったか?
二十数年前、チェロの魅力に目覚めたのが、この一曲で、第一楽章から第三楽章まで、どこをとってもたるみのない、ポピュラリティー豊かな名曲。

しばらくは前奏がつづき、やがて決然たるチェロの響きがはじまる瞬間は、鳥肌がたつようなすごさがある。十分な聴きくらべをした上でいうのではないから、間違っているかもしれないが(=_=) 
「技術的な難しさ、メロディーの美しさ、オーケストラの充実した響き、規模の大きさ、人気の高さ、どれをとってもこの曲にかなう曲はない」といわれる名曲の名盤なのだが、そこをなにかの気配、鬼気迫るといいたいようなものがよぎっていく。女性的な繊細さを、大胆かつ豪快な弾きぶりが明らかに上回っている。緩急のコントラストがくっきりして、とても夭折した病弱な演奏家の音づくりとは思えない。

エルガーの協奏曲も、できればデュ・プレで聴いてみたいと、さっきからリサーチをはじめた。ショパン弾きとして有名なピアニストのリパッティもそうだが、日本人は「夭折の天才」に弱い。わたし自身をふくめて(^^;)




ところで、写真は、先日榛名の高原で見かけたゴマダラオトシブミ。
揺らんがたくさんぶらさがっていたので、成虫をさがしてみた。
よく観察すると、なかなかのひょうきん族。
こんなやつが、何十万年もまえから、この地球に生きている。
この「癒しのキャラ」ゴマダラさんも、むろん、われらが隣人の一種(ひとり)なのだ。
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