二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

なんの比喩(ポエムNO.2-90)

2017年02月26日 | 俳句・短歌・詩集
レモンイエローのテニスボールが
テーブルの端から落ちて
視界から消える。
ほかにもそうして消えたものがたくさんあった。
ジグソーパズルの中からは赤いピースがすべて消え

友よ・・・
しかし友はなく
愛する人たちが
視覚の広場から少しずついなくなる。
猫も消えて

人生にはきっと 待ち時間というものがあるのだ。
何週間も 何カ月もぼくは待っていた。
いまも“あるもの”があらわれるのを待っている。
それがなにかはわからないのだけれど
いつかまた出現するかもしれない

レモンイエローのテニスボール
のごときもの。
晴ればれとした一個の 眼には鮮やかだが
役にたたない贈り物。
それがなんの比喩だというのだろう

それがなんの比喩だというのだろう?

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